ニュース

三菱電機、カメラを活用したドライバーの体調異常検知技術を開発 独自AIで「脈拍数」「脈拍間隔」「脈の強弱」「血圧の変化」を推定

2023年4月18日 発表

 三菱電機は4月18日、カメラを用いて運転中のドライバーの生体情報から体調異常を検知する技術を開発したと発表した。

 同技術は、運転中のドライバーのわき見や居眠りを検知する「ドライバーモニタリングシステム(DMS)」のカメラを用いて、脈拍や血圧の変化などの生体情報を非接触で推定し、ドライバーの意識消失などの体調異常を検知するもの。

 同社では、大学病院との連携により患者データを蓄積しており、同データを用いた検証や実車走行での評価・改善を進め、2025年以降の製品化を目指すとしている。

 国内では、「心疾患」「てんかん」「脳血管疾患」が健康起因交通事故の三大要因となっており、意識消失などのドライバーの体調異常に起因した事故は、死亡や重症事故に繋がりやすいことから、事故予防が急務となっている。体調異常を検知する技術としては、DMSのカメラ映像から体調異常時の姿勢崩れを検知する技術がある一方、運転姿勢を保ったまま意識を消失するなどの姿勢崩れを伴わない場合も約50%(同社推定)あり、その対策が課題となっていた。

 これまでに、同社では体調異常時に生じる生体情報の変化に着目した検知技術の開発に取り組んできており、今回、「心疾患」「てんかん」「脳血管疾患」で生じる「脈拍間隔の変化」や「血圧の変化」などの生体情報の特徴的変化に着目し、同社独自のAIの活用により、DMSのカメラ映像から非接触でドライバーの生体情報(脈拍数、脈拍間隔、脈の強弱、血圧の変化)を推定して、その生体情報の変化から、姿勢崩れが伴わない場合でも体調異常を検知する技術を開発した。

 さらに、体調異常発生による姿勢崩れの前に生体情報が変化した場合は、体調異常の早期検知により事故回避行動の早期実施が期待できるとしている。また、同技術により体調異常を検知した場合は、車両安全システムが路肩への停車を行なうなど、死亡や重傷リスクの高い事故の予防に繋げることを目指すとしている。