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近藤真彦新会長、スーパーフォーミュラをDXする新サービス&アプリ「SFgo」の魅力をもっと伝えたい

株式会社日本レースプロモーション 取締役会長 近藤真彦氏

 4月22日~23日の2日間にわたって鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)では鈴鹿2&4レースが開催されている。鈴鹿2&4レースは、2輪のイベントと4輪のイベントを併催するもので、2輪はJSB1000が、4輪はスーパーフォーミュラが行なわれる。

 4月22日にはスーパーフォーミュラを運営するJRP(日本レースプロモーション)がサタデーミーティングを開催。新会長に就任した近藤真彦氏、社長の上野禎久氏の2人を囲んでのラウンドテーブルが実施された。

 スーパーフォーミュラでは次世代のモータースポーツをかかげ、2023年から本格的な取り組みが始まっている。カーボンニュートラル系燃料の使用、天然素材の一部ボディカウルへの使用、サステナブル素材33%を配合した横浜ゴムのアドバンレーシングタイヤの使用などなど。そのなかでも、レースを楽しむ観客へ分かりやすい訴求となっているのが、レースが生み出す大規模データを使用した新サービス&アプリ「SFgo」になる。

 2022年シーズン1年をかけてテストされたSFgoは、ドライバー視点での映像やアクセル開度、ステアリング角度を(数秒の遅延はあるが)リアルタイムで提供し、それぞれのチーム無線まで聞けるようになっている。

 F1やインディでも同様なアプリはあるが、それぞれのリアルタイム映像やテレメトリデータをデジタル配信しているという部分で、世界でも最先端のモータースポーツDX(デジタルトランスフォーメーション)サービス&アプリになるだろう。

 実際、第1戦、第2戦をこのアプリを使って視聴してみたが、非常に興味深く、日本最高峰のドライバーの能力をより実感できるものとなっていた。近藤新会長はJRPの会長でもありチーム監督でもあるため、ラウンドテーブルでSFgoを使用した実感について聞いてみると、「(SFgoの)評判はすごくいいですね。ただ、まだまだ伝わっていない。レースの好きな人には伝わっているけど、レースってどんなものかなという人にも伝えなきゃいけない」と、多くの人にSFgoの魅力を伝えてほしいという。「スポーツの好きな人に伝えていきたい」と、最先端のDXサービスを行なっているスーパーフォーミュラの取り組みをもっと知ってほしいとの思いを語った。

 チーム監督としての運用では、4月21日放送されたトヨタイムズにおいてチーム無線を聞かれてしまうことから「バナナ」という暗号の話をしていた近藤会長だが、早速、第1戦、第2戦でSFgoを活用したという。

JRP新会長 近藤真彦生出演!スーパーフォーミュラ―の新たな幕開けに密着|トヨタイムズスポーツ

 とくにバトルしている場合、前の情報、後ろの情報が伝わってくるとし、その点で有用だと語る。ただ、活用については「開幕戦や第2戦はそれほど(かけひきが)難しくなっていない」といい、シンプルに前後のクルマの状況確認に使っているようだ。「バナナ」という暗号の使い方やチーム無線での工夫について聞いてみたものの、それについてはチームの戦略もありあまり語りたくない様子。「最終戦に近づくにつれ、無線が非常に難しくなるかもしれない」と、シリーズランキング争いが大切になる後半戦はチームの活用も進み、チーム無線でいろいろな暗号が飛び交うようになるかもしれない。

 スーパーフォーミュラでは海外展開を志向しているものの、このSFgoサービス&アプリではドライバー名が日本語のみになっている部分がある。この点を近藤会長に聞いたところ、近藤会長は「かもしれないですね、よろしくお願いします」と上野社長とやりとり。その点についてはアップデートなどされてゆくのだろう。

株式会社日本レースプロモーション 代表取締役社長 上野禎久氏(左)と近藤会長