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ランボルギーニ、HPEVモデル新型「レヴェルト」日本初公開 最高出力1015PS、最大トルク725Nm、価格は6600万円から

2023年6月6日 公開

ランボルギーニのHP(ハイパフォーマンス)EV新型「レヴェルト」

順調に受注が入っているため納期は数年待ち

 ランボルギーニ ジャパンは6月6日、V型12気筒エンジンを搭載するスーパースポーツ初のプラグインハイブリッドHPEV(ハイパフォーマンス電動車両)モデル新型「Revuelto(レヴェルト)」を日本初公開した。価格は6600万円からで、納期は未定(数年待ち)という。

 登壇したランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏は、「最新のフラグシップマシンをファミリーに迎えると同時に、今日は本社からプロダクト ライン マネージャーのマッテオ・オルテンツィ氏と、ヘッド オブ デザイナーのミティア・ボルケルト氏が、この素晴らしいイベントに参加してくれました」とあいさつ。

ランボルギーニ・ジャパン代表 ダビデ・スフレコラ氏
電動化戦略「コル・タウリ」の詳細

 また、「60周年を迎えるランボルギーニは、数々のフラグシップを生み出してきました。今日はそれを飾っているので、ぜひご覧ください。しかし、ランボルギーニは過去だけではなく、未来のトレンドも見据えています。そして環境に対する自動車業界のフットプリントを減らす必要があり、ランボルギーニでは『コル・タウリ』と命名した電動化戦略で実行し、ブランドの強みを生かして新たなV12を積むフラグシップでそれを実現しました。ランボルギーニ史上もっとも速く、素晴らしいレスポンスで、ドライバーを中心に置きスムーズでインタラクティブなパフォーマンスを発揮します。目指したゴールは究極のドライビングエクスペリエンスを実現することです」と語り、新型「レヴェルト」のアンベールを行なった。

特設ステージにてアンベールが行なわれた
V型12気筒の自然吸気エンジンを搭載する新型「レヴェルト」

 アンベールの後は、プロダクトラインマネージャーのマッテオ・オルテンツィ氏が登壇し、「日本はV12モデルのとても重要な市場です」と語り、続けて「時代と共にルールや基準が変わっていますが、ランボルギーニのDNAは変わりません。しかし新しいルールや電動化を取り入れる必要があったので、新型レヴェルトはランボルギーニのDNAでありアイコンでもある『V12』『自然吸気』『パフォーマンス』と、ランボルギーニの魂はすべてを注ぎ込みつつ、まったく新しく作りました」と紹介。

車両解説を行なったプロダクトラインマネージャーのマッテオ・オルテンツィ(MATTEO ORTENZI)氏

 また、新型レヴェルトは、航空宇宙工学にインスピレーションを得た「monofuselage」という新開発のシャシーを使用していて、従来と同じくカーボンファイバー製でありながら、ねじれ剛性25%向上しつつ、アヴェンタドールと比較して10%の軽量化を実現。さらに、モノコックだけでなくクラッシュマネージメントのフロント部分もカーボンファイバー製としているのが特徴だという。

ボディサイズはサイドミラーを含め、全長4947×2266×1160mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2779mm
フロントトレッド幅は1720mm、リアトレッド幅は1701mm、乾燥重量は1772kg、前後重量配分は44:56
バタフライドアを採用

 最高出力825PS/9250rpm、最大トルク725Nm/6750rpmを発生するV型12気筒6.5リッター自然吸気エンジン(L545型)は、歴代12気筒エンジンの中でもっともパワーがあるエンジンで、ハイパワー&ハイレスポンスを両立。さらに、アヴェンタドールオーナーの「ギアボックスが荒々しくてあまり乗り心地がよくない」といった声を聞き、フィードバックも非常に重要視しているので、今回は新たに開発したダブルクラッチトランスミッションを採用したと明かした。そのダブルクラッチトランスミッションの上にモーターを搭載し、ギアボックスと一体化させることで、より変速が素早くなると同時に、乗り心地も向上させられたという。

 また、従来のミッショントンネルの場所には、1550×240×301mm(長さ×幅×高さ)で3.8kWhの高比出力(4500W/kg)リチウムイオンバッテリパックを搭載し、重心を可能な限り低くしつつ、前後44:56の最適な重量配分を実現している。

新たなパラダイム
シャシー構造
カーボンファイバー製のモノコックを採用

 フロントモーターは、フレキシブルなトルク調整と素早いエネルギー回生を実現させるために、左右輪に1つずつモーターを搭載。最高出力は140kW(190PS)を誇り、システムトータルでは最高出力1015PSを発生する。それらのハイパワーをしっかり受け止められるようにボディもリメイク。ダウンフォースは、フロントまわりで+30%、リアは可変ウイングを装着したことで+60%、全体では約70%増加し、ハンドリングも向上したという。

V型12気筒6.5リッター自然吸気エンジンは最高出力825PS/9250rpmを発生
12気筒モデル初の8速DCTを搭載した
フロントに搭載されるE-AXLE

 今回ブランドとして初めて3つの画面を搭載。運転席が12.3インチ、センターパネルは8.4インチ、助手席用モニターは9.1インチを用意。それぞれが好きなものを見られるので、「より自由度が高められている」と解説。

 最大で13種類のドライビングモードを搭載していて、「チッタ(Citta))」はEVモードのことで、「コルサ(Corsa)」はもっともハイパフォーマンスを必要とするときに使うモード。ステアリングにある2つのボタンを操作して変更するという。

コクピット
ステアリング

 最後にマッテオ氏は、「数字だけ聞いてもなかなかフィーリングは分からないかと思いますが、最高出力1015PS、最高速350km/h、0-100㎞/h加速は2.5秒を誇ります。実際に皆さまには今後試乗していただいて、実際に実感していただきたい。本当にこのクルマは今の今までとは違うクルマだということがお分かりいただけると思います」と締めくくった。

性能を重視したエアロダイナミクス
シームレスなHMIを構築したコクピット
13種類のドライビングモードを搭載
電力30%アップやCO2排出量30%削減を実現した

 質疑応答で受注台数を問われたダビデ氏は、「正確な数字は公表していないが、予想を超える数の注文をいただいている。日本の割り当て台数からしてすでに完売状態」と回答。仮に注文ができたとしても、数年は待つことになるようだ。

搭載するV型12気筒6.5リッター自然吸気エンジンは、最高出力825PS/9250rpm、最大トルク725Nm/6750rpmを発生。そこにモーターの140kW(190PS)が上乗せされ1015PSを発生する
充電ポートはボンネットフードを開けた荷室内に配置されている

展示されていた歴代フラグシップマシンたち

 会場内にはダビデ氏がアナウンスしたように、ランボルギーニの歴代フラグシップマシンである「400GT」「ミウラ」「クンタッチ(カウンタック)」「ディアブロ」「ムルシエラゴ」「アヴェンタドールULTIMAE」を展示していた。また、この会場では発表会のあとに、一般ユーザー向けのお披露目会も行なわれ、新型レヴェルトを見るために大勢のランボルギーニファンが集まった。

400GT
ミウラ
クンタッチ(カウンタック)
ディアブロ
ムルシエラゴ
アヴェンタドール ULTIMAE