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スズキとSkyDrive、空飛ぶクルマ製造で基本合意 スズキグループの工場で2024年春製造開始へ

2023年6月20日 発表

左から、スズキ株式会社 常務役員 神代英俊氏、株式会社SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏

 スズキとSkyDriveは6月20日、空飛ぶクルマの製造に向けた協力について、スズキグループの工場を活用して、2024年春の稼働開始を目指すことなど、基本合意書を締結したことを明らかにした。

 基本合意書の内容としては、SkyDriveとスズキは、スズキグループが静岡県内に保有する工場を活用し、2024年春ごろ「空飛ぶクルマ」の製造開始を目指すとしており、SkyDriveは「空飛ぶクルマ」の製造を目的とした100%出資の子会社(以下、製造子会社)を設立。スズキは、製造子会社の人材確保など製造開始に向けた準備についても協力。より具体的な条件については協議を継続し、別途取り決める予定としている。

 スズキ 代表取締役社長の鈴木俊宏氏は「SkyDriveと協力一致し、価値ある製品作りを通じて、日常的に空を活用するAir Mobilityの実現に貢献できるよう、意欲的に前進してまいります」とコメント。

 SkyDrive 代表取締役CEOの福澤知浩氏は「小・少・軽・短・美」を行動理念に、コンパクトなクルマづくりを推進されているスズキ様と、コンパクト軽量なエアモビリティを開発するSkyDriveは、2022 年3 月より協業を続けてきましたが、今回、スズキ様の協力を得てSKYDRIVEの機体製造を行う事となり、大変ありがたく思います。世界に対して安全で品質の高い機体を、安定して製造し続けるために、これまで世界中で自動車の量産を続けていらっしゃった、スズキ様のノウハウを伝授いただきながら、日常の移動に空を活用する社会の実現を目指していきます」とコメントしている。

左からスズキの船外機、隼(Hayabusa)、ジムニー、SkyDriveのSD-03 スケールモデル、ジムニーにSkyDrive代表取締役の福澤知浩氏、SD-03 にスズキ常務役員 神代英俊氏

 なお、SkyDriveでは製造に向けたスズキとの協力体制の基本合意とあわせて、搭乗人数を従来の2名から3名へ変更した新仕様を発表した。新たに独自開発したドーム型ローターフレームとローターの曲面配置により、機体をコンパクトに保ちつつ、3人乗りを可能にしたといい、12基のモーターの働きを最適化し、電力効率を高めたとしている。

 今後、SkyDriveの空飛ぶクルマは、大阪・関西万博での運航に向けて、2025年に耐空証明を取得し、続いて、2026年に型式証明を取得し量産およびデリバリーの開始を目指すとしている。そして、米国での事業開始に向けてアメリカ連邦航空局(FAA)での型式証明の取得も目指すとしている。

登場人数を3名に仕様変更した新仕様の空飛ぶクルマ