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トヨタ、WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニアでオジエ選手が優勝 史上初3回目の1-2-3-4フィニッシュ達成

2023年6月26日 発表

2023年FIA世界ラリー選手権 第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」の表彰台

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは6月25日(現地時間)、WRC(2023年FIA世界ラリー選手権)第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」にて、GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が優勝。

 また、69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合2位、33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合3位でフィニッシュして表彰台を独占。さらに、TGR WRCチャレンジプログラムのサポートにより出場した18号車の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が総合4位を獲得した。

 トヨタでは1993年にセリカGT-FOUR(ST185)で初めてサファリ・ラリーで1-2-3-4フィニッシュを達成しており、そして、2022年に続いてGR YARIS Rally1 HYBRIDによる2年連続となる1-2-3-4フィニッシュを達成。同一のWRCイベントで、同じマニュファクチャラーが1-2-3-4フィニッシュを3回獲得するのは史上初という。なお、トヨタは今回の勝利によりサファリ・ラリーでの通算優勝回数を11に増やし(うち10勝はWRC開催イベント)した。

 2023年シーズンのマニュファクチャラー選手権では、トヨタは、オジエ選手とロバンペラ選手が獲得したポイントにより首位の座を守り、選手権2位のヒョンデチームに対するリードを23ポイントから42ポイントに拡大。また、ドライバー選手権ではロバンペラ選手が首位の座を守った。

 優勝したオジエ選手は、2021年大会以来2回目となるサファリ・ラリー優勝、そして今シーズン3勝目を飾った。オジエ選手は「とてつもなく大変なラリーで、とてつもない戦いでした。自分としてはそれを楽しむことができましたが、もう少しアクシデントが少なければ、もっと楽な戦いになったはずです。ペースは非常によかったですし、クルマはとてもドライブしやすく、フィーリングも良かったのですが、今日はバックドアを失ったり、フェシュフェシュの砂地で少しオーバーヒートしたりと、あちこちで小さなアクシデントに見舞われました。それでも、いい結果を持ち帰ることができて嬉しいです。チームの全員が獲得するに相応しい勝利と結果だと思いますので、みんなで喜びを分かち合いたいと思います」とコメントしている。

TGR-WRT会長の豊田章男氏のコメント

 なお、チームの優勝に対してTOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamTGR-WRT会長の豊田章男氏がコメントを発表、以下はその全文となる。

 サファリ・ラリー復活以来3年連続の優勝、そして2年連続での1-2-3-4フィニッシュという素晴らしい結果で、今年もサファリを走り切ることができました。8人のドライバー達と、メカニック、エンジニアをはじめとしたすべてのチームメンバーに感謝いたします。チームのみんな、ありがとう!

 クルマにとって厳しい環境も多いアフリカでは他の地域と違い「無事に生きて帰って来れる」ということが、クルマには強く求められています。そんなアフリカで4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDが無事に走り切り、TOYOTAの信頼性を示してくれたこと、本当に素晴らしいことだと思います。

 ただ、実際のラリーを見ると、決してクルマの信頼性だけで実現された結果ではありません。ドライバーたちとメカニックたちの力が合わさって得られたものでした。優勝したセブは、金曜日にスペアタイヤ1本に減らして走るなど、リスクを取って勝ちにいく姿勢で走ってくれました。迎えるカッレも、そしてエルフィンも貴元も、セブに負けじとプッシュし、チーム全体で競い合うことで、みんなが全力を出しきってくれていたと思います。その結果、クルマが大きく傷んでサービスに戻ってくることもありました。

 しかし、メカニックたちが、いつも通りの確実な仕事で元の通りに直し、クルマとドライバーを再びラリーに戻してくれていました。今回のサファリで示せた”クルマの信頼性”は、こうしたチーム全員の仕事の結果です。そして、我々は、この信頼性を勝利のためだけでなく、次は、市販車にも活かしていかないといけません。

 TGR-WRTのみんなにはシーズン後半戦のさらなる勝利に向けた努力とともに、ベース車”GR Yaris”や開発中の”GR Yaris Rally2”などお客様にお届けする”もっといいクルマづくり”の仕事もお願いしたいと思います。シーズン後半も、みんなで”もっといいクルマづくり”をがんばっていきましょう!

追伸1 ユハ・カンクネンさんへ

 Hilux MHEVコンセプトのデモランをしていただき、どうもありがとうございました。昨年は欧州ベルギーで水素エンジンを、今回のアフリカではHEVを運転していただきました。カーボンニュートラルの実現に向けては、その土地その土地の環境に合わせて、”いま出来ること”を”すぐにでも”やっていくことが大切だと考えています。アフリカの地で”いま出来ること”はHEVを増やすこと…そのことを少しでも多くの人に知ってもらいたいと思い、誰もが知るレジェンドドライバーのユハさんに乗っていただきました。サファリ・ラリーはユハさんが初めてWRCで優勝したラリーだったと思います。その時のトヨタ車(セリカ ツインカム ターボ)に比べたら、今回お乗りいただいたトヨタ車は遥かにパワーが足りなかったと思いますが、運転を楽しんでいただけましたでしょうか?

追伸2 豊田通商のみなさん

 今年も現地での熱い応援、そしてチームへのサポートをありがとうございました。特に、Hilux MHEVコンセプトのデモランに向けては、クルマの輸入手配などアフリカに精通している皆さんの努力無しには実現できませんでした。これからもアフリカで、トヨタが”まちいちばんのクルマ屋”になれるように、一緒に取り組んでいければと思っております。よろしくお願いします。