ニュース

ボッシュ、超純水をつくる「水処理システム」について「Bosch Tech Day 2023」で発表へ 水素関連の製品ポートフォリオを拡大

2023年6月28日(現地時間) 発表

 ボッシュは6月28日(現地時間)、シュトゥットガルトのフォイヤバッハで7月13日に開催される「Bosch Tech Day 2023」において2024年に市場投入予定の水処理システムなど、新規事業領域となる水処理技術について発表予定であることを明らかにした。

 ボッシュでは、水素の製造・使用に不可欠な要素を含む製品ポートフォリオの拡大を目指しており、新事業領域となる水処理システムに取り組んでいる。

 水から水素を製造する水電解装置は、超純水を必要とする。超純水をつくるために、ボッシュの水処理システムでは、熱や電気化学プロセスによって水中のミネラルを除去。この処理プロセスにおいてろ過材を使用しないため、化学物質の使用を完全に省けるとしている。

 ボッシュはこれまでレニンゲン、シュトゥットガルトのフォイヤバッハ、チェスケー・ブジェヨビツェの各拠点で水電解装置向けの水処理技術を開発しており、年内には外部パイロットプロジェクトも加わる予定。システムの市場投入は2024年を予定している。

 また、ボッシュでは通常の水処理方法である逆浸透を利用したシステムに加え、遠隔地や沖合の場所向けに特別に設計された新しいソリューションも提供する予定。

 ロバート・ボッシュ GmbH 取締役会会長のシュテファン・ハルトゥング氏は「クライメートニュートラルな世界はグリーン水素なしでは機能しません。グリーン水素の製造には、何よりも超純水が必要です。ボッシュの専用システムを使用すれば、世界の遠隔地でも、経済的かつ環境に優しい方法で、どこでも水処理を行なうことができます」とコメント。

 ボッシュ・マニュファクチャリング・ソリューションズが設計したシステムでは、堅牢でメンテナンスが容易なだけでなく、市場で一般的に販売されているソリューションとは異なり、水処理時に化学薬品を使用する必要がない。こうした新事業分野に参入することで、ボッシュは製品とサービスの輪をさらに広げ、ラインアップを完全なものにするという。

 ハルトゥング氏は「私たちは水処理技術だけでなく、水素の生成、圧縮、貯蔵、使用に向けた技術開発をしており、あらゆる分野向けに提供しています。これほど広範な製品ポートフォリオを提供している企業は他に類を見ません」と述べている。