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トヨタ、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで水素車両やeフューエル車両の可能性を示すデモラン実施へ

2022年7月11日 発表

写真は2022年のWRC第9戦ラリー・ベルギーで公開された水素で走る「GR YARIS H2」

 TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)は、7月13日~16日に英国で開催される「2023年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に出展すると発表。会場では、水素で走る「GR YARIS H2」とeフューエルで走る「GR Supra GT4 EVO」によるヒルクライム走行や、将来のル・マン24時間レース 水素カテゴリーを見据えた「GR H2 Racing Concept」の展示など、カーボンニュートラルなモータースポーツに向けたトヨタのマルチパスウェイを表現する。

 歴史あるグッドウッド・ハウスの敷地内で開催されるモータースポーツの祭典で、TOYOTA GAZOO Racingは、モータースポーツの迫力と興奮はそのままに、持続可能でカーボンニュートラルな未来に向かって発展させていくためのマルチパスウェイの考え方をテーマとして、e-フューエルを使用した車両や、将来の水素の可能性を示す車両の展示やデモランを行なうとしている。

将来のル・マン24時間レース 水素カテゴリーを見据えた「GR H2 Racing Concept」

 TGRは2022年、3つの世界選手権の年間タイトル獲得すると同時に、ル・マンとダカールラリーのダブルタイトルを獲得したことを記念し、世界耐久選手権(WEC)、世界ラリー選手権(WRC)、世界ラリーレイド選手権(W2RC)での勝利を支えた車両を展示する。

 GRヤリスは全3台で、2022年のWRCタイトルを総なめにした「GR YARIS Rally1 HYBRID」を筆頭に、Rally2用に開発中の「GR Yaris Rally2 Concept」、そして水素エンジン搭載の「GR YARIS H2」がフェスティバルに初登場。

「GR Yaris Rally2 Concept」は、2022年WRCシーズン終盤のラリー・ジャパンでコンセプトカーとして発表され、世界各国の地域選手権に参加可能なカスタマーカーとして提供予定。一方、「GR Yaris H2」は、高いパフォーマンスが求められるモータースポーツに不可欠なスピード、サウンド、フィーリングをドライバーと観客双方のために提供することを目的に開発しているカーボンニュートラルな水素燃焼エンジン技術を披露する。

 また、GRヤリス3台のデモランも予定され、TGR WRT代表のヤリ-マティ・ラトバラ氏、WRCタイトル獲得を狙うエルフィン・エバンス氏、WRCで8度の優勝を誇るセバスチャン・オジエ氏、そして日曜日にはWRCで4度の優勝を誇るフィンランドの伝説的ラリードライバー、ユハ・カンクネン氏がハンドルを握る。

 水素関連では、先月のル・マンで初公開された「GR H2 Racing Concept」の展示も行なわれ、会長の豊田章男氏が発表したこの水素エンジン車両のコンセプトカーは、水素トップカテゴリーへの参戦を視野に入れて開発。会場では「GR010 HYBRID」とともに展示予定。

「GR Supra GT4 EVO」はeフューエルで走行する姿を披露する

 最新のGT4車両である「GR Supra GT4 EVO」は、TOYOTA GAZOO Racing Europe副会長でル・マン優勝3回を誇る中嶋一貴氏のドライブでヒルクライムコースのデモランも行なわれ、e-fuelで走行する姿を披露する。

 そのほか、今年1月、コ・ドライバーのマシュー・ボーメル氏とともに、TGRで3度目のダカールラリー優勝を飾ったナッサー・アル-アティヤ氏は、の活躍を称えた“Nasser’s Jump”がオフロード・アリーナに新設。また「First Glance paddock」では、TGRが推進する「モータースポーツ起点のもっといいクルマづくり」の一例として、欧州向け新型車「GR Supra GT4 100th Edition Tribute」を一般公開。セダンタイプの燃料電池自動車「MIRAI」のスポーツバージョン・コンセプトカー「MIRAI SPORT CONCEPT」の公開も予定している。