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トヨタ、フィンランド ユバスキュラにラリーチームの新開発センター設立へ 水素自家発電施設などカーボンニュートラル社会への基本合意締結

2023年8月3日 発表

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamとトヨタ・モビリティ基金、ユバスキュラ市の基本合意に基づいて設置される新開発センター。さまざまカーボンニュートラルの取り組みが行なわれる

新しい欧州の「もっといいクルマづくり」の拠点

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(CEO:春名雄一郎氏、以下TGR-WRT)とトヨタ・モビリティ基金(理事長:豊田章男氏、以下TMF)は、フィンランド ユバスキュラ市(市長:ティモ・コイヴィスト氏)とカーボンニュートラルの達成と持続可能な社会の実現を目指し、人と自然が調和したまちづくりを通じた幅広い取り組みを推進するパートナーシップ構築のための基本合意書を締結した。

 ユバスキュラ市はフィンランド中部に位置し、人口14万6000人とフィンランドでは7番目に大きな都市となる(東京都では武蔵野市が約15万人)。ここにはWRC(世界ラリー選手権)において2年連続で3つの世界チャンピオン(ドライバー、コドライバー、マニュファクチャラー)を獲得中のTGR-WRTが本拠地を置いており、この基本合意に沿ってまちづくりの中心となる新たな開発センターを設ける。

調印式に登壇したトヨタ自動車 代表取締役会長 豊田章男氏。TGR-WRT会長、TMF理事長でもある
基本合意に調印

 このTGR-WRT新開発センターは、「チームのWRC活動の中心を担うと同時に、ユバスキュラ地域内の様々な路面のテストコースを活用し、トヨタの欧州における『もっといいクルマづくり』の新たな拠点となる」としている。

 新開発センターでは、ユバスキュラ市、TMFと共同で実施するカーボンニュートラルの取組みを通じて、TGR-WRTのWRC活動で排出されるCO2の削減を目指しており、木造建築の導入、生物多様性の向上や森林保全、水素による自家発電施設やモビリティの導入を計画している。

 ユバスキュラ市長 ティモ・コイヴィスト氏、TGR-WRT CEO 春名雄一郎氏、トヨタ・モビリティ基金 理事長代行 早川茂氏は、基本合意締結にあたりコメントをよせている。

ユバスキュラ市長 ティモ・コイヴィスト氏

ティモ・コイヴィスト ユバスキュラ市長

 本日は、私たちのような成長を続けている都市にとって素晴らしい日になりました。ユバスキュラ市にとって、このパートナーシップは、持続可能な開発、カーボンニュートラルの未来、データを活用したモビリティの追求に関わる新たな機会になります。ユバスキュラ市は、規模、立地、高等教育機関、能力基盤の点で、将来のソリューション開発において理想的なパートナーになれると考えています。また世界有数の自動車メーカーのひとつであるトヨタがユバスキュラ市で存在感を高めてくれていることも、私たちにとって誇りです。

TGR-WRT CEO 春名雄一郎氏

春名雄一郎 TGR-WRT CEO

 ユバスキュラは過去8年間TGR-WRTの本拠地であり、この地域一帯は私たちがWRCで成功を収める上で大きな役割を担ってきました。このユバスキュラにTGR-WRT開発センターを設立するにあたり、私たちは地域社会の良き隣人でありたいと考えています。豊田 章男会長の指導のもと、私たちはユバスキュラ市およびTMFと話し合いを始め、積極的な地域開発を支援するためのアイデアを模索してきました。本日この基本合意書に調印することで、私たちはこれらのゴールを実現するための計画立案・開発などの協力関係をスタートします。

トヨタ・モビリティ基金 理事長代行 早川茂氏

早川茂 トヨタ・モビリティ基金 理事長代行

 TGR-WRTの拠点であるユバスキュラ市とのまちづくりプロジェクトに参加する機会をいただき、光栄に思っています。今後、地元ユバスキュラ市の方々の意向に沿った、自然と調和したまちづくりに貢献することを目指して参ります。スポーツ、文化、芸術の都であり、美しい湖と森に恵まれ、多くの前途ある学生が暮らすユバスキュラ市に適したプロジェクトを共に検討し、実現していきたいと心から願っています。