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小糸製作所、ハイビームの照射範囲を1万6000個に分割する「⾼精細ADB」など初公開技術を「ジャパンモビリティショー2023」に出展

2023年10月4日 発表

出展ブースイメージ

 小糸製作所は10月4日、「ジャパンモビリティショー2023」(東京ビッグサイト:10月26日~11月5日開催)に出展すると発表した。ドライバーをサポートするライティング技術の「⾼精細ADB」「⼆輪⾞⽤ADB」、センシングをサポートする「LiDARラインアップ」、移動体検知システム「ILLUMIERE(イルミエル)」、コミュニケーションをサポートする「アニメーションランプ」「標識灯路⾯描画ランプ」といった初公開の技術を出展する。

 小糸製作所は、2030年に向けた「KOITO VISION ~人と地球の未来を照らす~」に基づき、次世代モビリティ社会の安全・安心に向けて、「ドライバーサポート」「センシングサポート」「コミュニケーションサポート」の3つの軸に沿った技術開発を行なっていて、展示会においては、交通事故低減や渋滞解消など交通社会の課題解決を目指す、小糸製作所の新たな「光」の可能性を紹介する。

ドライバーサポート

 ドライバーサポートの領域では、ドライバーに最適な夜間視界を提供するライティング技術を紹介。対向⾞や前⾛⾞に合わせハイビームの⼀部を消灯し、まぶしくないハイビームを実現するADB(Adaptive Driving Beam:ハイビーム可変ヘッドライト)の最新技術を初公開する。

⾼精細ADB(初公開)

 初公開する「⾼精細 ADB」は、ハイビームの照射範囲を1万6000個に分割、従来の12個の分割から細分化された1万6000個のLEDの点消灯、出⼒光度を制御することで、消灯する範囲を極⼩化するとともに、明るく照らす範囲を最⼤化し、歩⾏者や障害物の早期発⾒をサポート。夜間の交通事故ゼロを⽬指す。また、歩⾏者や道路標識の照射範囲は局所的に光を弱め(減光)、他の交通参加者や車載カメラの認識にも配慮した。

⼆輪⾞⽤ADB(初公開)

 初開発の⼆輪⾞⽤ADBは、⾞体のバンク⾓に合わせて曲がる⽅向を明るく照らすコーナリングランプ機能に加え、ライダーの前⽅視線に合わせて、より遠方まで照射範囲を拡⼤するとともに、前⾛⾞へのまぶしさを防止。四輪⾞のドライバーだけではなく、⼆輪⾞のライダーにも最適な視界の提供を⽬指す。

センシングサポート

 センシングサポートの領域では、周囲を正確に検知するセンサ技術として、⼩⽷製作所が投入予定の車載⽤「LiDAR」に加え、車載以外への製品展開として移動体検知システム「ILLUMIERETM」を初公開する。

LiDARラインアップ(初公開)

「LiDAR」はレーザー光を使って⾞両周囲360度の対象物までの距離・⽅向などの位置情報を計測する、先進運転支援システム(ADAS)や⾃動運転に必要不可⽋なセンサ。⾃動⾞に加え、産機・建機・農機⾞両などのさまざまなニーズに応える短距離・中距離・⻑距離のLiDARラインアップと、ランプ内への搭載事例を紹介。中距離LiDARの市場投入を⽪切りに、LiDARの搭載拡⼤を図り、⾼度な周囲監視を実現させるとしている。

移動体検知システム「ILLUMIERETM(イルミエル)」(初公開)

 移動体検知システム「イルミエル」は、⼈物を特定しないLiDARの特⻑を⽣かし、屋内外に設置したLiDARモジュールで、プライバシーに配慮しながら移動体の位置情報を点群データとして取得。制御ユニットで複数の⼈やクルマを判別・分類し、動きを把握するシステム。検知した情報や蓄積・分析による動きの予測は、交通事故防止や商業施設などでの⼈流・混雑状況の把握、駐車場の空き状況の把握など、さまざまなシーンへの活⽤を目指す。

コミュニケーションサポート

 コミュニケーションサポートの領域では、⼈とクルマを積極的につなげるライティング技術を紹介。クルマの状態・ドライバーの意思(メッセージ)をまわりの交通参加者に視覚的に伝えることで、安全で円滑な交通を実現する最新技術を紹介する。

アニメーションランプ(初公開)

 初公開のアニメーションランプは、⾞両前後の標識灯を部分的に点消灯する光の演出で、クルマの状態やドライバーへのメッセージを伝えるアニメーションランプに、ドライバー異常やドア開放時の後続⾞への警告機能などを追加した。

標識灯路⾯描画ランプ(初公開)

 標識灯路⾯描画ランプは、ターンランプやバックアップランプと連動して、路⾯上に光のパターンを表⽰することで、交差点や駐車場で、⾃⾞の動きを周囲の⼈やクルマに知らせる技術。歩⾏者の巻き込みや出合い頭の事故防止に貢献する技術となる。