ニュース

ソーラーカーの世界大会で、ブリヂストンの「エンライトン」技術搭載タイヤ装着チームが優勝

2023年10月30日 発表

ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ)」のチャレンジャークラスで優勝したベルギーのInnoptus Solar Team

 ブリヂストンは10月30日、世界最高峰のソーラーカーレース「2023 Bridgestone World Solar Challenge(ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ)」にて、同社のENLITEN(エンライトン)技術搭載タイヤを供給したベルギーのInnoptus Solar Teamがチャレンジャークラスで、オーストラリアのSunswift Racingがクルーザークラスで優勝したことを報告した。

 今回タイヤに搭載された「エンライトン」は、タイヤ性能を従来品対比向上させたうえで、求められる多様な性能をモビリティ、ユーザーごとにカスタマイズする商品設計基盤技術。

クルーザークラスで優勝したオーストラリアのSunswift Racing

 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ用のエンライトン技術搭載タイヤは、太陽光による限られた電力で約3000kmの長距離を走り切るという過酷な条件において求められる低転がり抵抗、耐摩耗性能、軽量化、耐パンクに特化し、究極のカスタマイズを具現化した製品、優勝チーム含めて参加チームの足下を支えたほか、再生資源・再生可能資源比率(MCN比率)を前回大会の約30%から63%へ向上させたという。

 チャレンジャークラスで優勝したInnoptus Solar Team:チームマネージャーのMr.Cedric Verlinden氏は、「大冒険となるこの大会に参加し、ソーラーカーコミュニティの一員として、2連覇できたことに興奮しています。また、前回大会から進化したサステナブルなタイヤで走れたこともうれしいです。3000kmを走るため、念のため毎日タイヤを交換しましたが、タイヤにダメージは確認できませんでした。ブリヂストンとこのようなコラボレーションができたことに満足しています」とコメント。

大会出場車両に装着されたエンライトン技術搭載タイヤ

 また、クルーザークラスで優勝したSunswift RacingチームマネージャーのMs.Andrea Holden氏は、「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジで優勝できたことに達成感を覚えています。険しい道のりでしたが、ブリヂストンワールドソーラーチャレンジというソーラーカーコミュニティの中で存在感を示すことができてよかったです。今回供給いただいたエンライトン技術搭載タイヤは1500km走っても摩耗が確認できず、驚異的でした」と述べている。

 表彰式では、各クラス3位までのチーム表彰のほか、ブリヂストンの企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」の8つの価値観が強く表れているチームを選出する「Bridgestone E8 Commitment Award」の表彰も行なわれ、受賞したASCEND-Deakin University Solar Car TeamのチームマネージャーであるMr. Matt Jennings氏は、「この賞を受賞できてうれしいです。このチームは持続可能性やサーキュラーエコノミーに情熱を持っているため、今回ブリヂストンが供給したサステナブルなエンライトン技術搭載タイヤを気に入っています。私たちの取り組みがエンジニアとして正しいアプローチでありブリヂストンに認められたことをうれしく思います」と語った。

Bridgestone E8 Commitment Award受賞チーム代表者と、ブリヂストンのBSCAP(中国・アジア・大洋州を統括する戦略的事業ユニット)CEOの森田泰博氏

 ブリヂストン取締役 代表執行役 Joint Global COOの 東正浩氏は表彰式にて、「本大会を通じ、脱炭素やサステナビリティを中核としたモビリティの進化へ向けて、たゆまぬ努力をされた参加チームのみなさまを始め、大会を支えていただいたすべての方へ心から敬意を表します。持続可能なモビリティの未来を実現するために、学生エンジニアが熱い挑戦を繰り返すこの大会は、モータースポーツを“極限への挑戦”と位置付ける当社において、今後も重要な活動であり続けます。ブリヂストンは今後もレースへの情熱、イノベーションを生む情熱と共に、サスナブルなモータースポーツ活動を推進し、参加チームと一緒にモビリティの未来に貢献し続けていきます」とコメントしている。

エンライトン技術搭載タイヤ

 また、ブリヂストン執行役 専務 技術・品質経営分掌・Global CTOの坂野真人氏は、「無事ダーウィンからアデレードまで完走されたチームの皆さまに心からお祝い申し上げます。タイトルスポンサーとして、全てのチームの夢の実現をサポートできたことを大変うれしく思います。今回ブリヂストンワールドソーラーチャレンジのために低転がり抵抗や軽量化による低電費への貢献、極限状態で3000kmを走り切る耐久性など“究極のカスタマイズ”をしたエンライトン技術搭載タイヤは、各チームからも高く評価いただいており、多くのチームのよい結果に貢献できたことを大変うれしく思います。ブリヂストンにとっては、モータースポーツは“走る実験室”であり、安全を守り、技術開発力、ブランド力を高めるための人財育成の場でもあります。次の大会に向けて、更に進化した“究極のカスタマイズ”を実現できるように、学生のみなさまと一緒に切磋琢磨いたします」と述べている。