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KINTO FACTORYのクラウン クロスオーバー用「内装加飾パッケージ」とは? 実車をチェックしてみた

トヨタ自動車とKINTOが展開する「KINTO FACTORY」のアップグレードセレクションにて販売している「クラウン クロスオーバー用 内装加飾パッケージ」。同パッケージの取材会が開催された

 トヨタ自動車はユーザー層やニーズに合った新車を開発、製造、販売を続けることで、同社がいう「もっといいクルマ」をユーザーに提供しているわけだが、クルマを販売していれば当然、現在乗っているユーザーもいる。そうしたユーザーに対しては整備や点検で安心を提供しているが、トヨタではそれだけに留まらないサービスができないかと考えた。

 そして見えてきたのが以下の点。現在はクルマに搭載される技術の進化が早いため、同車種であっても安全機能や便利機能が新しくなることもあるし、クルマの購入時に選ばなかったオプションがあとからほしくなることもある。そこで2022年1月よりトヨタ、レクサス、GRのクルマを対象とした「KINTO FACTORY」というサービスを立ち上げた。

 このサービスはすでにユーザーが利用しているクルマを対象とし(対象車は限定されている)、経年劣化が気になるパーツを新品に交換するといったものから、新車注文時にしか選べなかった装備や純正オプションをあとから取り付けたり、搭載する電子制御のソフトウエアをアップデートしたりなど、メーカーだからできるサービスによってユーザーが所有するクルマの価値を高めることを実施している。

 なお、KINTO FACTORYという名称からサブスクリプションサービスの「KINTO」利用者に限定したサービスのようにも思えるがそうではない。従来の現金、クレジットなどといった販売方法で購入したトヨタ、レクサス、GRのモデル(KINTO FACTORY対象車)でもこのサービスは利用できるのである。

 そんなKINTO FACTORYでは「クラウン クロスオーバー」を対象とした「内装加飾パッケージ」というアップグレードサービスを開始した。内容は内装パーツのうちシフトパネル、ドアスイッチベース、カップホルダー、インサイドドアハンドル、コンソールエンドの5点を「クラウンスポーツ」に採用されたものへ交換するもので、価格は5万9400円(部品代、取り付け費、保証込み)。

クラウン クロスオーバー用に設定されたアップグレードアイテムの「内装加飾パッケージ」。内装パーツのうち5点をクラウンスポーツに採用されたものへ交換するメニューで、今回は施工前と施工済の実車を見比べることができた

 ちなみに内装アップグレードとなれば他にもシートなどやりようがあると思うところだが、今回はユーザーが普段から触れるところの変更に絞り、これを企画のスタートケースにするという意味合いがあるそうだ。そしてユーザーの声を聞きつつ今後の展開につなげていくという。

 内装加飾パッケージの対象になるのは、クラウン クロスオーバーのグレードのうちCROSSOVER RS“Advanced”とCROSSOVER RSを除くグレードだが、これがかなり好評で、KINTO FACTORYアップグレード商品の中でも上位に位置するオーダー数という。そして前記のRS系グレードについては2023年12月以降に対象に追加予定とのことなので、今後も需要は伸びそうだ。

アップグレードの取り組みを担当しているトヨタ自動車株式会社 BR-VC推進室 アップグレード事業グループ 主任 次世代中古車プロジェクトチームの利根優太氏がサービスについての説明を行なった
アップグレードの説明スライド。すでにクルマを購入したユーザーに対して、点検や車検だけでなくほしかった機能、装備を提供するサービスとなる
クラウン クロスオーバー用の「内装加飾パッケージ」。クラウンスポーツに採用された内装パーツへ交換するメニュー。価格は部品代、工賃、保証込みで5万9400円
クラウン クロスオーバーの標準内装。落ち着きのある雰囲気なのでこちらが好きという人も大勢いるだろう。なお、クラウンスポーツに使う内装加飾パーツを使うアップグレードというサービス名ではあるが、クロスオーバーとスポーツにはどちらが上という区別はない。ゆえに内装加飾パッケージは上級なものにするということではなく、より自分好みのクルマに仕立てるためためのアイテム
内装加飾パッケージに変更後。大きな変化はないが、オーナーであればよく触る部分、目に触れる部分の色味や質感が変わったことへの満足感は感じるはず
ここからは部分ごとに見ていく。変更点は5つある。こちらはクラウン クロスオーバー標準のシフトパネルとカップホルダー
内装加飾パッケージのシフトパネルとカップホルダー。シフトパネルは艶のあるダークグレーメタルの塗色となる。シフトパネルは曲線のある形状で、艶が出たことで陰影も強くでてくる
カップホルダーはブラックからダークグレイメタリックへ。メタリックの粒子を大きめにしているので光の当たり具合でキラキラと光る
ドアスイッチベース。こちらはクラウン クロスオーバーの標準仕様。マットブラックで落ち着きのある雰囲気をもつ
内装加飾パッケージのドアスイッチベース。艶のあるダークグレーメタル
後席ドアのドアスイッチベースも変更。これはクラウン クロスオーバーの標準
内装加飾パッケージに変更したもの。艶のあるダークグレーメタルとなる
インサイドドアハンドルの色はウォームサテンシルバーになる。この色はクラウン クロスオーバーの内装を特徴付けるために作られて、各所に使われている「ウォームスチール」という色味との統一感のあるものだ
ステアリングの一部やダッシュパネルの横に長く入る加飾に使われるのが、ウォームスチールというクラウン クロスオーバー用に作られた色味。内装加飾パッケージのインサイドドアハンドルの色にするとドアハンドルまで色の統一感が出る
コンソールエンド(後席センターの空調吹き出し口と周辺パネル)も変更。これはクラウン クロスオーバーの標準品
内装加飾パッケージへ変更後。塗装色はシフトパネルやドアスイッチベースと同じダークグレーメタルで吹き出し口のデザインも変わる

KINTO FACTORYのサービスはどうやって利用する?

 KINTO FACTORYが扱うサービスの購入の検討や購入は、KINTO FACTORYのWebサイトを参照することで内容、価格、適合などが確認できる。

 このうち適合(ほしいアイテムが自分のクルマに付くか)については、KINTO FACTORYのページにて車検証に記載されている車体番号を入力することで適合が確認できるので、クルマに詳しくない人でも不安なく購入できるだろう。

 そして気に入って購入となった際はページ内のカートに商品を入れて決済。購入した商品の取り付けは全国にあるKINTO FACTORY施工受付販売店(トヨタアップグレードセレクション/レクサスアップグレードセレクション/GRアップグレードセレクション)にて対応するもので、こちらもサイト内のメニューでお店の所在地などの確認と申し込みができる。

 購入した部品は選択した施工受付販売店へ送られるので、あとは予約した日程でクルマを持ち込むという段取りだ。なお、クラウン クロスオーバー用の内装加飾パッケージはWebで注文後、10日前後で施工受付販売店へ入荷するとのこと。

 クラウン クロスオーバー用の内装加飾パッケージの価格は5万9400円だが、他の純正アクセサリーとは違い価格には部品代のほか、取り付け工賃も含まれている。また、正規販売店での取り付けなので施工後は保証の条件に合い、なおかつ保証期間内であれば無料でメーカー保証が受けられる。

KINTO FACTORYのサービスについて説明を行なう株式会社KINTO 総合企画部 坂東輝人氏
2023年12月時点でKINTO FACTORYで対応できるトヨタ車
2023年12月時点でKINTO FACTORYで対応できるレクサス車、GR車。トヨタ車も合わせて対応車種は増えていく予定
「内装加飾パッケージ」を施工したユーザーからの声。プライベート利用だけでなく仕事で人を乗せる機会も多いそうだが、そういった使い方であってもこの「内装加飾パッケージ」の満足度は高いとのこと
取材会場にはクラウンスポーツとクラウン エステートの開発担当者である本間裕二氏も来ていた。本間氏によると、ユーザーの多様な価値観に対応するために4つのボディタイプを持つ新型クラウンがそうであるように、KINTO FACTORYの内装加飾パッケージはクルマ購入後でも多様な価値観を広げられるものという