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ホンダの新型バッテリEV「ゼロシリーズ」は、成長するAIやビークルOSを搭載するソフトウェアデファインドビークル

ホンダ ゼロシリーズは独自のEV専用アーキテクチャを採用する

ソフトウェアデファインドビークルとなるホンダ ゼロシリーズ

 本田技研工業は1月9日(現地時間、日本時間は1月10日)、米国ネバダ州ラスベガスで開催されている「CES2024」において、新型バッテリEV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」のコンセプトモデル「SALOON(サルーン)」「SPACE HUB(スペース ハブ)」を世界初公開した。

 この新型バッテリEV「ゼロシリーズ」は、ソフトウェアデファインドビークルとなっており、「Thin,Light, and Wise.」なEV専用アーキテクチャを独自開発。EVプラットフォームの上にE&Eアーキテクチャ、その上にビークルOSを構築し、アプリケーションレイヤーとしてホンダコネクトやホンダセンシングなどAD/ADASを配置している。

本田技研工業株式会社 電動事業開発本部 四輪事業戦略統括部 BEVビジネスユニットオフィサー 假屋満氏

 レイヤーごとに整理されたアーキテクチャで定義し直されており、成長するAIも組み込まれている。

 本田技研工業 電動事業開発本部 四輪事業戦略統括部 BEVビジネスユニットオフィサー 假屋満氏は、このアーキテクチャで「成長するAIを活用し、お客さまのデータをAIで処理」「進化し続ける観測システムを構築」していくという。ソフトウェアデファインドビークルであることも活かして、デジタルツールによって開発スピードを圧倒的に上げていくとし、スマホ、Webと連携してお客さまに魅力ある製品を提供していく。

ホンダがこれから作るEV

 ゼロシリーズのコクピットにおいては、顔認証や対話型AIを提供。シームレスにやりたいことがすぐできる「ストレスゼロ・楽しさマックスのUX」を目指すとした。

 ホンダはAD/ADASの分野では世界で初めてレベル3自動運転車を実用化するなど優れた技術を持っている。ゼロシリーズは2026年から投入されるが、2020年代後半のモデルには高速道路の自動運転領域を拡大し、一定条件下で一般道のハンズオフを実現する機能も搭載していくとのことだ。

AD/ADAS
ホンダが世界で初めて実用化したレベル3自動運転
2020年代後半のモデルには次世代の自動運転機能を搭載
一般道でのハンズオフを一定条件下で実現するという
一般道でのハンズオフはAIを活用
一般道のハンズオフについて
ソフトウェアデファインド
ソフトウェアデファインドビークルで目指す価値

次世代の「操る喜び」と進化した電費性能

UI/UXの進化

 ゼロシリーズでは、ホンダ独自の電動化技術とダイナミクス技術を投入。モーションマネジメントシステムをさらに進化させ、ステアバイワイヤ(以下、ステバイ)を採用。車両状態を6軸センサーなどで高度に推定し、モデルベース制御を採り入れた3Dモーション統合制御によって、さまざまな走行シーンにおいて、ドライバーの思いどおりのコントロールができるという。

 これらは、ステバイ、低重心、重配後方化、ヨー慣性倍率などの技術によって実現されている。そのほか、空力性能においては、モータースポーツの知見を採り入れ、床下からの上向き流れを発生、ボディ形状の絞り込みによる渦抵抗低減や可変ディフューザーの要素も組み込まれている。

操る喜び
次世代の操る喜び
モーションマネジメントシステム
空力設計
自動運転と操る喜びを両立

 バッテリ関連では、高効率パワーユニット、走行エネルギー低減などにより少ないバッテリ容量で300マイル(約480km)以上の航続距離を実現。2020年代以降のゼロシリーズでは、15分以下の急速充電時間を目指すという。

 ゼロシリーズはコンセプトとして「Thin,Light, and Wise.」を掲げており、大容量のバッテリを搭載して航続距離を稼ぐのではなく、薄く低重心なバッテリ配置を実現。その低重心を活かして運動性能を獲得し、優れたデザインで走行抵抗を下げて航続距離を獲得していくバッテリEVになる。

電動化への取り組み
電費性能
バッテリ劣化抑制
提供価値