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アルファ ロメオ、ジャン=フィリップ・インパラートCEOによる2023年の振り返りと2027年への展望 品質向上・新型車の発売・電動化で「もっと上を目指す」

2024年1月10日 開催

来日したアルファ ロメオ ブランド最高責任者(CEO)ジャン=フィリップ・インパラート氏とのラウンドテーブルを開催

新型ステルヴィオ/ジュリアには電動化アーキテクチャのステラブレイン搭載

 アルファ ロメオは1月10日、来日したブランド最高責任者(CEO)ジャン=フィリップ・インパラート氏とのラウンドテーブルを開催。2023年を振り返るとともに、2027年に向けての展望を語った。

 インパラート氏はまず33台のみ生産される「33ストラダーレ」について触れ、「33ストラダーレはアルファ ロメオのブランドを強く示すものとして作り、7週間以内に33台すべてが売れました。われわれにとっても非常に素晴らしい冒険で、ブランドを多数抱えているステランティスで33台だけのクルマを作るというのはとても特別な体験でした。2024年12月にまず1台目の納車があります。このプロジェクトは私の誇りです」とアルファ ロメオのチャレンジについて語った。

アルファ ロメオの伝説的ミッドシップエンジン・スポーツカー「1967 Alfa Romeo 33 Stradale」(左)の栄光を受け継ぐ「4C Spider 33 Stradale Tributo」(右)。イタリアのモデナで33台のみハンドクラフトされる

 2023年の振り返りでは、アルファ ロメオの販売台数は7万台で、前年比30%の増加となった。地域別では、ヨーロッパは前年比+46%、中東アフリカ地域は前年比+74%、アジアは+7%で、ステランティスの中でもグローバルで特に収益を上げられたブランドとなり、品質を向上させるということ、1年に1台は新型車のローンチを地域ごとに行なうということ、電動化を非常に早く進めていくこと、という2021年に説明した計画を精度高く実行できた結果であるとした。

 品質に関しては、2022年11月に発表されたJ.D.パワー米国販売満足度指数調査で2021年度に比べて獲得ポイントを増やし、プレミアムブランドで1位にランクされるとともに、2023年のJ.D.パワー米国初期品質調査(IQS)ではプレミアムブランドの総合ランキングで頂点に立ち、業界全体でも3位に入るなど、大きく改善されたことが語られた。

 新型車に関しては、2023年にSUVセグメントの「トナーレ」をローンチ。2024年にはアルファ ロメオ史上初のEV(電気自動車)もラインアップされる「ミラノ」をアンベールすると予告。さらに2025年にはパフォーマンスとロードハンドリングを高いレベルで両立したDセグメントのEVを、2026年には同じくDセグメントの新型車をローンチする予定として、「ジュリアやステルヴィオは次の世代のものを作っていく必要があります。具体的なことはまだお話しできませんが、2025年、2026年には新型ステルヴィオ、新型ジュリアが登場します。カッシーノ工場で作られているステラ ラージプラットフォームを適用し、エレクトロニックアーキテクチャであるステラブレインも搭載されます」と明らかにした。

「日本は私にとっての“ラッキーチャーム”のようなもので、毎年各市場を巡る際は日本からスタートしている。また来年もここに最初に戻ってくることを今から楽しみにしています」と話したインパラート氏

 また、2027年には「もっと上を目指す」と言い、パフォーマンスを向上させることを念頭に掲げたプロジェクトとして、Eセグメントの新型車の登場を示唆。その先の2028年以降については「また来年お話しできれば」と述べるとともに「その次の段階というのはまだ考えていません。ただ、アルフェッタですとかデュエットですとか、そのあたりに考えを巡らせていく計画を入れたいと思いますが、何かコミットするわけではありません」とした。

 最後にインパラート氏は「ステランティスの取締役会が2月にありまして、その中で2030年に向けての計画を説明する予定です。ステランティスCEOのカルロス・タバレスから10年と言われていますので、私も今後の10年の計画を説明してくることになります。アルファ ロメオは他のブランドに対しても、まず安定性、スタビリティというのが必要です。ですから、何か急いで大きなことをやることはありません。ブランドとして誠実であるため、皆さまにはポジティブだけでなくネガティブを含めて透明性高くご説明したいと思います」と、10年計画をじっくり進めていくと話した。