ニュース

新型「メルセデスAMG GTクーペ」発表会 モータースポーツ譲りの高い走行性能に快適性を融合

2024年4月2日 発売

2750万円

新型「メルセデスAMG GTクーペ」の発表会を実施したメルセデス・ベンツ日本合同会社 社長 兼 CEO(最高経営役員)の上野金太郎氏

モータースポーツを追求してきたブランド「AMG」

 メルセデス・ベンツ日本は4月2日、東京港区六本木にあるメルセデス ミー東京にて、新型「メルセデスAMG GTクーペ」の発表会を実施。予約受け付けも開始した。左ハンドルのみで価格は2750万円。納車は4月下旬予定。

 発表会に登壇したメルセデス・ベンツ日本の社長 兼 CEO(最高経営役員)である上野金太郎氏は、「意思決定の迅速化と事業推進の効率化を目的に、4月1日に株式会社から合同会社へと組織変更しました」とあいさつ。

メルセデス・ベンツ日本合同会社 社長 兼 CEO(最高経営役員) 上野金太郎氏

 続けて1967年に誕生したAMGの歴史に触れ、「AMGは“モータースポーツこそが技術力の優秀性を何よりも端的に示せる”という確固たる信念に基づき、創業からずっとモータースポーツに携わってきました。長きにわたるモータースポーツとの関わりにおいて、近年ではF1に並ぶ重要な活動として、AMG GTのカスタマーレーシングにも力を入れています」と活動を紹介。

日本国内のレースでもAMGのマシンが活躍している

 レース車両となる「AMG GT3」や「AMG GT4」を購入したユーザーが、世界各地でレース活動を行なっていて、日本ではSUPER GTやスーパー耐久シリーズに参戦しているほか、グローバルで計300を超えるレースに参戦。2024年の年初に開催されたデイトナ24時間耐久レースや、セブリング12時間耐久レースでもクラス優勝を果たしている。

 そんなAMGだが、当初はメルセデス・ベンツの市販車をベースに、パワートレーンの高出力化やスポーティなエクステリア、ラグジュアリーなインテリアに仕立てることを生業にしていた。しかし2010年に、ガルウイングとロングノーズショートデッキという存在感のあるスタイリングと、スポーツカーのパフォーマンスを備えた「SLS AMG」を初めて独自に開発。さらに2015年には後継モデルとなる初代「メルセデスAMG GT」を発表。F1のセーフティカーとしても活躍しているモデル。

AMGは当初、市販モデルのパワートレーン強化やスタイリング向上がメインだった
2010年に発表した「SLS AMG」、さらにパフォーマンスを向上した「SLS AMG GT」も後に追加している
初代メルセデスAMG GT
AMGのマシンは、F1のセーフティカーとしても活躍している

 AMGの販売状況について上野社長は、「コンパクトな35モデル、2.0リッター最強エンジンを搭載する45モデル、日常での使用もワインディングでのスポーティな走りもプラス43モデルや53など、モデル数の増加により、年々販売台数が伸びています。全世界で見ても日本市場は常に世界で5番以内に入る大きなマーケットで、メルセデスAMG本社でも重要なマーケットの1つとして認識・位置付けられている」と好調さをアピールした。

拡大しているAMGのラインアップ
日本におけるAMGシリーズの販売推移

新型メルセデスAMG GTクーペの特徴

 続けて営業企画部 専任部長の林征志氏が、新型「メルセデスAMG GTクーペ」の説明を実施。新型AMG GTクーペは、「新たなサイズコンセプトを採用することで、ダイナミックな走行性能と同時にデイリーユースの快適性を高めたスポーツカーになった」と紹介。

メルセデス・ベンツ日本合同会社 営業企画部 専任部長 林征志氏

 スタイリングは「Sensual Purity(センシュアル ピュリティ:官能的純粋)」のデザインとメルセデスAMGのDNAを高次元で融合させ、パフォーマンスラグジュアリーを体現した彫刻的なエクステリアに仕上げている。

ボディサイズは4730×1985×1355mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2700mm、車両重量は1940kg

 長いフロントボンネットに力強く隆起するパワードーム、低く構えたボンネットから奥行きが深く幅広のAMG専用フロントグリルを低い位置にレイアウト。また、ワイドな視覚効果と空力性能に優れたフロントバンパーを採用したことでダイナミックなフォルムを強調。フロント下面には“アクティブ・エアロダイナミクス・システム”を搭載し、走行条件に合わせて内蔵しているカーボンファイバーパーツを約40mm下降させ、ベンチュリー効果を発生することで車体下部の空気の流れを加速。フロントアクスルのリフトを抑制するという。

21インチの鍛造アルミホイールを採用
タイヤサイズはフロントが295/30R21、リアが305/30R21
ヘッドライトは片側100万画素以上の高解像度を誇るウルトラハイビームを備えたデジタルライトを採用
LEDリアコンビネーションランプはダークレンズタイプ

 サイドは大きく傾斜したAピラー、後方へオフセットしたコンパクトなキャビン、大きなテールゲートを備え、リアを低く構えた丸みのあるファストバックのシルエットによってダイナミックなプロポーションを形成するほか、足下には21インチの鍛造アルミホイールを履く。リアエンドは薄型で水平のダークレンズLEDリアコンビネーションランプを採用。さらに、大型のテールゲート一体型の電動格納式リトラクタブルリアスポイラーも搭載し、走行状態によって5つのポジションに切り替わり、操縦安定性の向上や空気抵抗の軽減にも貢献する。

アクティブ・エアロダイナミクス・システムを搭載し、高速時の走行安定性をより高めてくれる
電動格納式のリトラクタブルリアスポイラーを装備する

 ステアリングホイールは、各機能の操作を手元で行なえるAMGドライビングコントロールスイッチを備えた最新世代のAMGパフォーマンスステアリングホイールを採用。対話型インフォテインメントシステムMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)も搭載し、センターディスプレイには、ナビ、オーディオ、電話など複数のメニューを表示可能。

 また、AMG専用の「AMGパフォーマンスメニュー」が用意され、エンジンの出力やトルク、横方向加速度、タイヤ空気圧、オイル温度、前後の操舵角など、ボタン1つでさまざまなデータを呼び出すことができる。また、「AMGトラックペース」も備え、レーシングコースのタイムを計測でき、ドライビングパフォーマンスの向上に活用できるとしている。

インテリア
センターディスプレイ
ステアリングホイール
デジタルコクピットメーター
パノラミックルーフはオプション設定

 ナッパレザーを採用した「AMGスポーツシート」は、優れた快適性とホールド性を両立しているほか、オプションのAMGパフォーマンスパッケージ選択時に装着されるヘッドレスト一体の「AMGパフォーマンスシート」は、さらにホールド性を高め、激しいコーナリングでもステアリング操作をスムーズに行なえる。

 さらに、シングルオプション設定の可倒式リアシートを選択すると、2+2のシートレイアウトになり、後席は150cmまでといった身長制限があるものの、最大4名まで乗車可能となる。また、荷室容量は2シーター仕様では321L、オプションの可倒式リアシート仕様では、後席を倒すことで最大675Lのラゲッジスペースを確保している。

AMGスポーツシート
可倒式の後席が備わるが、150cmまでという身長制限がある
AMGパフォーマンスシート
2シーター仕様の後部
ラゲッジスペースは321Lを確保
後席を倒せば最大675Lのラゲッジスペースを確保できる

 パワートレーンは、最大出力585PS、最大トルク800Nmを発揮するツインスクロールターボチャージャーを2基搭載したV型8気筒4.0リッターガソリンエンジン(M177型)で、電子制御式のAMGスピードシフトMCT9速ATが組み合わせられる。

 また、前後50対50の四輪駆動から後輪のみ駆動までシームレスに切り替えられる「AMGパフォーマンス 4マティック+」や、リアアクスルに電子制御LSD(リミテッド・スリップ・デファレンシャル)を標準装備し、いかなる路面所状態でも高い走行安定性を実現。

 車体はアルミニウム、スチール、マグネシウム、ファイバーなどを最適に配置し、高剛性と軽量化を両立。ボディシェルのねじり剛性は、旧型モデル比で18%、横軸剛性は50%、縦軸剛性は40%向上できたという。

エンジンはアファルターバッハの工場で「One Man、One Engine」の原則にのっとりすべて手作業で組み立てられる
AMGパフォーマンス 4マティック+や電子制御LSD、リア・アクスルステアリングは標準装備
ドア、ボンネット、テールゲートを除いたボディシェルの重量は270kgという超軽量を実現している