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スズキの新型「スイフト」にヘンケルの高減衰構造用接着剤「TEROSON HDSA」採用 車重を維持しつつ振動と騒音を抑制

2024年4月9日 発表

新型スイフト

 ヘンケルジャパンのオートモーティブOEM(オーイーエム)事業部は4月9日、スズキの新型「スイフト」に同社が開発した高減衰構造用接着剤「TEROSON HDSA」が採用されたと発表した。

 TEROSON HDSAは新型スイフトのアンダーボディ接合面に採用され、フロアパネルと骨格の溶接部に用いることで、パワートレーンから伝わる振動・騒音やロードノイズとの共振を抑制し、車両のNVH(ノイズ、振動、ハーシュネス)を向上。剛性のみを重視する従来の構造用接着剤と異なり、車体重量を維持したままフロアの振動を抑制し、ロードノイズなどの振動・騒音をシャットアウトすることで、車体の振動を効率的に低減できるとした。

 TEROSON HDSAは、優れた接着力に加えて、独自の減衰性能を誇る無溶剤、熱硬化タイプの1液型接着剤。ウェルボンドで接合した構造体に与える広範な振動減衰性能を特徴とし、接合部のロバスト性を確保するだけでなく、振動を抑制し、接合部の性能と耐久性を向上させるという。

 また、独自の架橋反応メカニズムは、高温下の使用においても強固で堅牢な接合と構造的完全性をもたらすといい、洗浄や前処理剤による洗い流しに強く、プレゲル化や予備硬化の必要なく安定性を発揮するとのこと。

 これまでボディの振動を抑えるために剛性を高める手法が採用されていたが、そのためには補強部品の追加や板厚の増加が必要で、振動抑制には効果的であるものの車体重量の増加につながってしまっていたという。今回採用されたTEROSON HDSAは高度な振動減衰性を発揮し、車体補強や板厚の増加なしで振動低減効率を向上。車体重量削減によるCO2排出量低減を加速しながら、商品性と乗り心地を向上させるというニーズに応えるとした。