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スバルとAMD、次世代アイサイトに搭載するSoCの最適化で協業開始
2024年4月19日 20:35
- 2024年4月19日 発表
スバルは4月19日、AMDとの協業により、スバルがAMDの「Versal AI Edge Series Gen 2」を採用し、2020年代後半の次世代アイサイトに搭載することを目指して、SoC最適化に向けた回路設計を開始することを明らかにした。
同日、スバル 執行役員CDCO 柴田英司氏とAMD Corporate Vice President of AI Product Managementのラミン・ローン(Ramine Roane)氏が登壇する会見が開かれた。
スバルでは、次世代アイサイトに、AMDの「Versal AI Edge Series Gen2」を採用して、入力データの前処理を行なう「Programmable Logic(FPGA)」、AI推論を行なう「AI Engine」、出力データの後処理を行なう「APU」を使い分けるAdaptive Computingを1つの半導体チップ (SoC)で実現させるという。
AMDの「Versal AI Edge Series Gen2」では、アプリケーションに必要な処理機能にあわせて物理的に処理機能を配置できるなど、ユーザーに合わせてカスタマイズするSoCの最適化が可能。物理的に機能を配置する並列処理などにより高性能、低遅延を実現させるという。
今回、スバルとAMDのSoC最適化に関する協業では、「AMD Versal Al Edge Series Gen2」に搭載された機能のうち、アイサイトで利用しない部分を削減しつつ、必要な機能を搭載するSoC最適化を実施。スバルが必要機能部分については独自回路設計を実施するとしている。
次世代アイサイトにAMDのSoCを採用することについて、柴田氏は「AMDさん含め数社、数年にわたって一緒に協業しながら選定進めてまいりまして、AMDさんを選んだ理由は、端的に言うと技術、あとはコストパフォーマンスが大変優れていたということでございます。数年にわたって検討してきましたので、真摯に寄り添っていただいて、われわれの疑問にすべて答えていただき、あとオプティマイズの内容もご理解いただいて設計に落としていただいてる。多方面にわたっての検討の結果、今回選定に至ったということでございます」とAMDの選定理由を述べた。
一方、AMDのローン氏からは、「AMD Versal Al Edge Series Gen2」について、レベル2までの自動運転に対応するGen1に対して、Gen2ではレベル2+からレベル3までの自動運転に対応することができるとの説明があった。
同会見では、スバルのAI開発拠点「SUBARU Lab」が取り組んでいる事例として、自動車専用道路を対象にした白線を頼りにしたこれまでの自動運転技術に対して、あらたに白線があいまいな一般道での自動運転を目指した自動走行のデモを行なったことなど、2030年死亡交通事故ゼロに向けた取り組みが紹介された。
次世代アイサイトに、それらSUBARU Labによる研究成果のどこまでが搭載されるかは明言されなかったが、SUBARU Labでは先端技術の研究開発を推進していくとの意気込みが語られた。