ニュース

TDK、パーマロイの薄膜シート「フレキシールド」IPM01量産開始 自動車の低周波ノイズ対策&軽量化に貢献

2024年5月16日 発表

パーマロイの薄膜シート「フレキシールド」IPM01

 TDKは5月16日、高透磁率および高損失材料であるパーマロイの薄膜シート「フレキシールド」IPM01を開発し、5月より量産を開始すると発表した。高透磁率材「パーマロイ合金」を使用した今回の製品は、自動車の電動化に伴って増える低周波ノイズを効果的に遮蔽することができるという。IPM01は5月22日から開催される「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」に出展する予定。

 これまで自動車へ搭載されていた電子機器は、主にMHz帯の高周波ノイズを発生させる情報通信やナビゲーションなどが挙げられていたが、EV(電気自動車)シフトによってエンジンに替わりモーターやインバータなどのkHz帯の低周波で大きなノイズを発生させる機器が多く搭載されている。現在、そのノイズによる電子機器や人体への影響への対策が求められているが、従来のkHz帯のノイズ対策ではシールド材や金属シールドといった厚みのある素材が用いられており、自動車の重量・スペースの増加という課題があったという。

 今回開発されたIPM01は大きな透磁率を持つパーマロイ合金を薄膜シートに形成したもので、低周波ノイズを従来のシールド材や金属シールドよりも効果的に対策することができ、自動車の低周波ノイズ対策、軽量化に貢献する。シートの厚みは0.006mm、使用温度環境は-40℃~85℃とした。参考として、同社の従来品(ノイズ抑制用シート IFMシリーズ)に比べて厚み約80%減、重量90%減、シールド効果は約65%増を実現したことが紹介されている。

 IPM01はシート材、カスタム形状を用意しており、今後はロール品の提供および高温対応タイプなどのラインアップ拡充により市場ニーズに貢献していく構え。