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ボッシュ クラウス・メーダー社長、2023年の日本の売上高は4200億円で23%増 2024年は微増を見込む
2024年5月22日 08:17
ボッシュの日本国内における売上高は23%増の約4200億円
ボッシュは5月21日、日本のボッシュ・グループにおける決算発表を行なった。発表によると2023年度の日本国内における第三者連結売上高は、前年比23%増の約4200億円(約27.9億ユーロ)。世界のボッシュ・グループ売上高は916億ユーロで前年比3.8%増、EBITは48億ユーロになる。ボッシュは世界最大級の自動車グローバルサプライヤーであるが、世界では家電メーカーとしても、センサーメーカーとしても知られている。
事業セクター別の売上高も発表しており、モビリティ関連はグローバルで562億ユーロ。グループ全体の売上高の6割となり、前年比では6.9%増となった。
日本のボッシュの伸びはグローバルを上回る前年比23%増で過去最高の4200億円となったが、この伸びには3つの要因があるとクラウス・メーダー社長は説明する。
一つ目はコロナ禍が終息し、ロジスティクスが正常化。日本の自動車産業の製造が回復したこと。ボッシュはサプライヤーとしてブレーキシステムやEPS(電動パワーステアリング)システムなどを供給しており、日本の自動車産業がコロナ禍や半導体不足を乗り越えて回復したことが影響しているという。
次に、ボッシュの国内製造工場が2023年に本格稼働したこと。ボッシュは近年に日本の国内工場に投資しており、2022年には電動ブレーキブースターである「iBooster」を日本の自動車メーカー向けに栃木工場で生産開始。むさし工場ではEPS製品の最終組立を行なっており、これらの日本工場が2023年に本格稼働したことが売上増に寄与しているとのこと。
三つ目は円安が影響しており、それらもあって大きな伸びを実現できたと語った。
そのため、2024年は微増を見込む。2024年は、ソフトウェアを主軸とした自動車開発のトレンドに対応し、モビリティ事業の強化に向けて変革。SDV(Software Defined Vehicle:ソフトウエア・デファインド・ビークル)に対応したハードウェア、ソフトウェアを提供していくという。
2024年は、SDVなどの変革へ対応
これまで自動車部品はハードウェアにECUを一体化したハードウェア・ソフトウェア一体型のモジュールとして提供してきたが、ハードウェアとソフトウェアのデカップリングを進め、自動車OEMのSDV化への対応として、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、そして両方といった自由度の高い供給をしていく。
5月22日から24日に横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」には、SDVを主軸に3日間で全20テーマ(37セッション)のプレゼンテーションを実施。日本初披露の「デカップルドパワーブレーキ」も展示する。
また、AI関連ではマイクロソフトと生成AIに関するプレゼンテーションを5月23日13時40分から実施。ボッシュ 取締役副社長 クリスチャン・メッカー氏、マイクロソフト モビリティサービスライン プリンシパルアーキテクト 吉見英朗氏と、次世代ADASシステムの実現に向けたマイクロソフトとの協業などについて語っていく。