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トヨタ、人とくるまのテクノロジー展2024 横浜でクラウンセダンとともに展示された「TOTONE(トトネ)」シートとは?
2024年5月23日 07:10
- 2024年5月22日~24日 開催
- 入場無料(事前登録制)
トヨタ自動車は5月22日~24日の期間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催されている「人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA」に出展。2023年末に発売された「クラウンセダン」のHEV(ハイブリッド車)とFCEV(燃料電池車)をメインにリサイクル技術などをあわせて展示している。
数えて16代目となる新型クラウン。事前に「セダンはなくなる」なんてウワサ話があったものの、市場の多様化要求に応えたカタチでしっかりとセダンもラインアップされた。セダンはシリーズ唯一のFRモデルであり、TNGAのGA-Lプラットフォームを採用。当初からHEVとFCEVをラインアップすることを前提としており、リアアンダーボディを作り分けることで2つのパワートレーンに対応する。
それぞれのキャラクターは、FCEVはモーター駆動ならではの加速フィールと圧倒的な静粛性の高さがウリで、ショーファーとしても利用されるクラウンのいわば本流を突き進めたモデル。一方のHEVは力強く上質な走りが身上で、マルチステージハイブリッドとすることでパワフルさと低燃費を両立。同じプラットフォームを採用するレクサス「LC500h」が3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載するのに対し、2.5リッター直列4気筒としたことも燃費の向上にひと役買っているという。2tを越える車重ながらWLTCモード燃費18.0km/Lを実現しているのも、そうした積み重ねによるものといえる。
ブースの反対側にまわると「TOTONE(トトネ)」と名付けられたシートがドンと置いてある。この名称は「整う」「寝る」を組み合わせたもので、15~30分程度の短時間睡眠で判断力、集中力、想像力、作業効率などの向上が見込まれる「パワーナップ」を体験できるという。一見、自動車メーカーであるトヨタとはあまり関係ないように思えるが、快適な運転を支える「空間設計技術」「シート設計技術」「居眠り運転防止技術」などが活かされているそうだ。
短時間睡眠を実現する秘密は、シートヒーターとヒーリングBGM。体をじんわりと温めるとともにシートが体に負担が少ない体勢へと自動的に変化。さらにカーテンで外光を遮ることで睡眠へ誘う。設定した時間になるとLEDの間接照明とBGMとともにシートに内蔵されたエアクッションが背中を伸ばすような効果を発揮。着座姿勢へと戻ることで爽やかに起きることが可能だという。
将来的には自動運転などを見据えてクルマのシートへの採用を見込んでいるとのこと。ならば、ミニバンやワゴンのリアシートに対応できれば長距離を走るドライバーにピッタリ! と思ったが、法規的な問題で現状では難しいという。
このトトネ、すでに販売が開始されているものの、残念ながら一般販売はなくリースのみ。期間は3年と5年を選ぶことができ、3年の場合は月額6万1600円から、5年の場合は月額4万7300円からとなっている。
リサイクルへの取り組みとしてはカーボン素材の端材の活用、そして廃車から出たシュレッダーダスト(ASR)の再資源化を展示。どちらも従来はサーマル処理(燃やす)を行なっていたが、新たな取り組みにより再利用への道筋が見えてきているという。