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TDK、AI専門知識を活用した新プラットフォーム開発や開発時間短縮などを目指した新会社「TDK SensEI」設立

2024年7月30日 発表

TDKが新会社「TDK SensEI」の設立を発表

 TDKは7月30日、需要拡大が予想されるエッジ領域のAI(人工知能)を搭載したセンサフューションに対応するための新会社「TDK SensEI」の設立を発表した。グローバル組織のため本社はシンガポールに配置される。

 TDK SensEIという社名は、「Sensor Edge Intelligence(センサ・エッジ・インテリジェンス)」に由来し、85年を超えるTDKの磁性・電子材料の製品化の経験をベースに、TDKのノウハウと製品ソリューション(センサ、電池、および受動部品)の技術を統合したインダストリー4.0のソリューション分野に注力する企業。新規および既存のTDKのソフトウェア/エッジAIと、TDKのハードウェアソリューション(モーション、磁気、マイク、電流、温度、電池/エナジーハーベスティング向けのセンサソリューション)を連携させたプラットフォームとして、主なターゲット市場は、製造業、重工業、および再生可能エネルギーの分野となる。

 TDK SensEIのCEOであるSandeep Pandya氏は、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院でMBA、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校でコンピューターサイエンスの学士号と修士号を取得。起業家精神にあふれたCレベルのリーダーで、技術や業界の枠を超えてチームや製品の開発、さらに新市場の開拓にも成功した実績を持つ人物。近年はAI/ディープテックを基盤としたアーリーステージベンチャーの立ち上げに注力していて、現在は複数のアーリーステージベンチャーおよび非営利団体の役員を兼務している。

 Pandya氏は、「産業の運営には、複数のセンサとAIテクノロジーをエッジで融合させた完全統合型プラットフォームが生産稼働率の維持に不可欠になりつつあります。インダストリー4.0は、これらのソリューションのビジネスをリードする企業が実現できるでしょう。だからこそ、私はこの新会社を率いて成長させることに情熱を持っています」と述べている。

 また、TDKの齋藤昇社長は、「多くの会社が製造装置からのリアルタイム・データストリーム処理に苦労しており、それが生産能力の最適化、最大化を妨げる要因になっています。最近はクラウド・サービスに集中していたいろいろな機能が分散されたローカル・エッジへ移行しています。エッジ・コンピューティング・プラットフォームは、設備のデータを分類し、推論した結果をオペレーション・チームへ提供することで、さらなる分析ができるようにしています。私たちはTDK SensEIが、TDKの新たなAI専門知識を活用して最先端のプラットフォームを生み出すこと、マルチクラスML異常検知モデルが簡略化され短時間で導入できるようにすること、また、長期的には技術の進化と社会の変革を加速化するAIソリューションを創出すること、その結果として持続可能な未来の実現に貢献できることを確認しています」とコメントしている。