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チーム三菱ラリーアート新型「トライトン」を駆る田口勝彦選手が「アジアクロスカントリーラリー2024」総合5位入賞

2024年8月20日 発表

総合5位入賞を果たした田口選手と保井選手

 三菱自動車工業は8月20日、タイで8月11日~17日に開催された「アジアクロスカントリーラリー2024(以下、AXCR)」において、同社が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」の107号車「トライトン」で参戦した田口勝彦選手が総合5位に入賞したと発表した。

 アジアクロスカントリーラリー2年目の挑戦となった田口選手は、チーム三菱ラリーアートのトライトンT1仕様(改造クロスカントリー車両)で参戦。7番手からスタートし、ナビゲーションの難易度が高いコース設定に手こずりながらも、丁寧な走りで堅実に毎日のSSを走り切った。結果は、15時間34分52秒のタイムで、2023年の総合8位から順位を上げて総合5位入賞を果たした。

 田口選手は「2024年型のトライトンラリーカーは、高いレベルでパッケージがまとまっていて、とにかく乗りやすかったです。私自身としては、昨年より順位が上がった点はよかったと思いますが、もっと上を狙える手応えがあっただけに悔しいです。今年の参戦経験をフィードバックし、来年はトライトンの走行性能もさらに高められると思うので、トップにずっと食らいついていけるようにしたいと思います」とコメントしている。

 トライトン4台体制で参戦した「チーム三菱ラリーアート」としては、2023年の総合3位を獲得しているチャヤポン・ヨーター選手が、チームの中でも最も前方でスタート。連日上位に入るタイムを重ね、最も過酷となったレグ4終了時点では、2位以下に20分以上の差をつけて総合首位に立った。しかし、レグ5でのマシントラブルにより走行不能となり、そのまま無念のリタイヤ。30番手からスタートしたサクチャイ・ハーントラクーン選手は、レグ1で一気に5位まで順位を上げるも、ミスコースやマシントラブルに悩まされ、総合27位となった。

 また、社員ドライバーとして参戦した小出一登選手は、序盤で難コースに苦戦するも、持ち前の適応能力の高さを発揮して安定したドライブを続け、スタックやマシントラブルで走行不能となったチームメイトもサポートしつつ、最終的には24位で初めてのAXCRを終えた。

 初参戦の小出選手は「私がドライブしたトライトンラリーカーは量産車をベースとした23年型で、『4LLc』という岩場のためのドライブモードがあります。今回そのモードを使用してチームメイトのクルマを牽引しながら、40度近い傾斜を難なく登れた時にはトライトンの悪路走破性能の高さを改めて感じました。“ドライバー”としてラリーを通じて得たものをしっかりフィードバックし、悪路に強く、頼もしい三菱車の開発につなげていきたいです」とコメントしている。

 チーム三菱ラリーアート総監督の増岡浩氏は「今年のトライトンは、本当にいいクルマに仕上がりました。ライバルとの排気量差を埋める力強い動力性能を見せて、一時は総合首位にも立ちましたが、結果的に優勝できなかったことは残念です。しかし、長年にわたって培ってきた三菱自動車ならではの悪路走破性も十分発揮できたので、そこは評価に値すると思います。日本に戻ってからは初参戦した社員ドライバーの小出選手を中心に、今回の参戦で得た貴重なデータ、知見を市販車開発に反映してもらい、『過酷なモータースポーツの現場での経験に導かれたクルマづくり』の新たな1ページを作っていってほしいと思います。また来年に向けて、しっかりテストで走り込んで、完全復活したいと思います。協賛各社様からの多大なるご支援、世界各地のファンのみなさまからの熱いご声援、本当にありがとうございました」とコメントしている。

新型「トライトン」(T1仕様)
今回、新たにサポートカーとしてデビューした『デリカミニ』でチーム三菱ラリーアートに帯同した自動車ジャーナリストの竹岡圭さんは「今年のAXCRはロックセクションあり、川渡りあり、想像以上に過酷なラリーでした。しかもコースが難しい。生命力の強いタイの草花たちは、ラリー車が走るルートを表すコマ図を作ってからラリー本番までの期間で伸び放題になってしまうため、日本人の感覚ではとても道に見えないような場所にも入っていく必要があるので、コドライバーのナビゲーションはさぞかし大変だったと思います。私はサポートカーの『デリカミニ』のドライバーを担当しましたが、行く先々で『デリカミニ』とデリ丸。は大人気! 街中でちょっと停めると撮影会が始まり、走行中もビデオを撮られたりすることが多々ありました。『デリカミニ』はバンコク周辺では、大人気モデルになるかもしれませんね。もちろん走破性もバッチリで、タイの赤土オフロードも、ひび割れて穴だらけの舗装路も、頼もしく駆け抜けてくれました」とコメントしている

AXCR2024 四輪部門総合成績

1位:マーナ・ポーンシリチョード(トヨタ・ハイラックスレボ) 14時間22分00秒
2位:スワット・リムジラピンヤ(いすゞ・D-MAX) 14時間25分47秒
3位:トンチャイ・クリンケート(いすゞ・D-MAX) 14時間36分24秒
4位:塙 郁夫(トヨタ・フォーチュナー) 14時間56分48秒
5位:田口 勝彦(三菱・トライトン) 15時間34分52秒
6位:オーラーン・ソーンシリラット(いすゞ・D-MAX) 15時間35分34秒

24位:小出 一登(三菱・トライトン) 23時間08分37秒
27位:サクチャイ・ハーントラクーン(三菱・トライトン) 24時間51分52秒
42位:チャヤポン・ヨーター(三菱・トライトン) リタイヤ