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TDK、車載PoC用積層インダクタ「MLJ1005-Gシリーズ」 業界最小サイズで実装面積の省スペース化に貢献
2024年11月19日 17:00
- 2024年11月19日 発表
TDK、車載PoC用積層インダクタ「MLJ1005-Gシリーズ」
TDKは11月19日、車載PoC(Power over Coax:同軸ケーブルを用いた電力伝送)用積層インダクタ「MLJ1005-Gシリーズ」を開発し、11月より量産を開始したと発表した。
ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)では複数の車載カメラやセンサーなどにより、周囲の状況をセンシングして安全運転をサポートしている。車載カメラはクルマのフロント/サイド/リアに配置され、その映像を支援システムで制御して安心安全な走行を実現。車載カメラの回路構成は、バッテリを電源としてECUを介して車載カメラに接続される。
ECUと車載カメラの接続には通常、信号線と電力線の2本で構成されるが、PoCはこれらを1本の同軸ケーブルで実現する通信方式。PoCは車内に配線されたケーブルを削減できるメリットがあり、車両重量の軽量化と低燃費化を実現するという。カメラを例にとると、一般的なハイエンドモデルで1台あたり10個を搭載しており、PoCを用いた「MLJ1005-Gシリーズ」に置き換えることでおよそ2kgの軽量化が望めるとのこと。
PoCは信号を処理する前に、信号と電力を分離するために複数のインダクタで構成されたフィルタが必要になる。今回のMLJ1005-Gシリーズでは、独自の材料設計と構造設計により、従来品と比較して通電時のインピーダンス特性の劣化を1MHzから1GHzの広帯域周波数での抑制に成功し、高品質のフィルタ特性を実現した。また、近年のPoC伝送の高速化に対応し、高周波帯域でのフィルタ特性を向上しているという。外形はPoC用積層タイプでは業界最小の0.5×1.0mm(幅×奥行き)サイズとなり、実装面積の省スペース化に貢献する。