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「JAFモータースポーツジャパン 2025 in 横浜」 お台場から横浜市・山下ふ頭に場所を移して初開催

2025年3月22~23日 開催
3月22~23日に開催された「JAFモータースポーツジャパン 2025 in 横浜」

 3月22~23日、横浜の観光名所である山下公園に隣接した山下ふ頭で「JAFモータースポーツジャパン 2025 in 横浜」が開催された。

 モータースポーツジャパンは初開催の2006年から東京・お台場で行なわれてきたが、今回初めて横浜に会場が移された。大会のコンセプトは前回同様の「親子で『見て』『聞いて』『触って』『体感する』モータースポーツ」。さまざまなモータースポーツ車両の展示やデモ走行、同乗体験など多くのプログラムが用意された。入場は無料。

写真左から 日本自動車連盟(JAF)会長 坂口正芳氏、日本モータースポーツ推進機構 理事 三好正巳氏、日本モータースポーツ推進機構 理事長 日置和夫氏

 晴天に恵まれた山下ふ頭の会場には野外展示エリア、屋内展示エリア、走行エリア、試乗会エリア、フードエリアが用意された。横浜大桟橋旅客船ターミナルや、みなとみらい21地区のビル群、観覧車、横浜ベイブリッジなど観光都市横浜のシンボリックな風景が見渡せる会場はどこを歩いていても気持ちがいい。

 走行エリアでは神奈川県警女性白バイ隊ホワイトエンジェルスのパフォーマンスを皮切りに、ジムカーナのデモラン・同乗走行、JAFのロードサービスのデモンストレーションなどが終日行なわれ来場者を楽しませた。

走行エリアのオープニングを飾った神奈川県警女性白バイ隊ホワイトエンジェルスのパフォーマンス。遠くにみなとみらい21のビル群が見渡せる立地だ
全日本ジムカーナドライバー選手会ドライバーによる「ジムカーナ スペシャルデモラン」
ドリフトドライバー下田紗弥加選手による「くるくるさやか in MSJトークショー ~横浜編~」
JAFのロードサービスのデモンストレーション

 屋内展示エリアでは貴重な新旧モータースポーツ車両の展示が行なわれていた。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2022年ル・マン24時間レースの優勝マシン「GR010ハイブリッド」の実車や2025年のWRCを戦うGRヤリス・ラリー1、そしてTGRが協力関係を結ぶハースF1チームのF1マシン「HAAS VF-23」などを展示。さらに、国内SUPER GTを戦うGRスープラGT500マシンの乗車体験なども用意される充実ぶり。

 加えて、ホンダは2021年のF1チャンピオンマシン「レッドブルレーシング ホンダ RB16B」、SUPER GTを戦う「シビック TYPE R-GT」(99号車開発車両)を展示。モビリティの電動化をリードする日産はフォーミュラE「GEN3 Evo(Season11)」や「リーフ NISMO RC」を展示。ダイハツは全日本ラリーに参戦中の「ミライース」を展示するなど、世界最高峰のマシンから国内選手権を戦う軽自動車まで幅広いカテゴリーのマシンのたたずまいを一気に感じることができる。

 また、1970年代の「シェブロンB19」、1980年代に全日本F2選手権を戦った「ダンロップ・フォーミュラM2ヤマハ」などのヒストリックマシンまでを一気に見られるので時代の移り変わりも感じられる。

TOYOTA GAZOO Racing
2022年ル・マン24時間レースの優勝マシンGR010ハイブリッド。ボディの汚れに戦いの過酷さを感じる
GRスープラGT500マシンの乗車体験では富士スピードウェイでの走行動画が用意された
ホンダ/HRC
日産自動車
ダイハツ工業
シェブロンB19
ダンロップ・フォーミュラM2ヤマハ

 野外展示エリアの三菱自動車ブースではトライトンのアジアクロスカントリーラリー2024(AXCR2024)参戦仕様車や、AXCR2024参戦において監督を務めた増岡浩氏が2002年のダカールラリーで優勝を飾ったパジェロ、かつてWRCに参戦したランサーWRC05などが展示されていた。なおトライトンとパジェロは走行エリアにてその走りも披露した。

三菱自動車は車両展示のほか走行エリアにてパジェロ、トライトンのデモラン「三菱自動車 ラリー挑戦への道」を行なった
走行エリアでのパジェロのデモランをはじめデリカD:5の登坂走行やランサーWRCの展示など盛りだくさんの三菱自動車ブース

 女性限定のレースとなるKYOJO CUPはこれまで使用してきたVITA-01、2025年シーズンより使用されるハイブリッドフォーミュラ車両KC-MG01を展示するとともに、走行を行なった。

 そのほかにも、ドリフトや全日本ジムカーナ選手権などに参戦するモータースポーツ車両だけでなく、神奈川県警の白バイやR33GT-Rのパトカー、中消防署の消防車両(23日のみ)、いすゞ自動車の大型トラック「ギガ」、普通免許で運転できる「トラック エルフmio」など、はたらくくるまの展示も充実していた。そしてその多くは乗車体験ができ、親子で楽しむ姿も多く見られた。

KYOJO CUPは2025年シーズンより使用されるハイブリッドフォーミュラ車両とVITA-01を展示。このレースをプロデュースする関谷正徳氏と選手たちも会場入り。デモランやファンサービスを行なった
ハイブリッドフォーミュラ車両KC-MG01
VITA-01
ドリフト車両やワンメイクレース車両の展示
いすゞ自動車は大型トラックのギガ、普通免許で運転できるトラック エルフmioの2台を展示。乗車体験は子供に大人気

 また、未来のドライバー、子供たちに向けたプログラムとしてEVキッズカートの体験走行が用意された。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)は、まだ自動車免許が取得できない18歳以下向けに運転講習や体験走行を行なう「U-18運転予備校」を、日本レース写真家協会(JRPA)は中学生以下を対象としたモータースポーツ撮影講習「ジュニア・フォトスクール」を行なうなど、若い世代に向けたプログラムが充実しているのもモータースポーツジャパンの特徴だ。

AJAJによる「U-18運転予備校」はこれから免許を取得する若い層に運転の楽しさを知ってもらうと同時に、歩行者や自転車がドライバーからどう見えるかを知ってもらうことで安全意識を高めるプログラム
日本レース写真家協会(JRPA)によるモータースポーツ撮影講習「ジュニア・フォトスクール」

 普段目にする機会の少ないモータースポーツ車両やはたらく自動車がひしめき合う会場でEV乗用車の展示を行なっていたのはBYD Auto Japan。展示はSEALとATTO3の2台。ちまたでの話題こそ多いEVだが、普段接する機会が少ないためか展示ブースはなかなかの人気っぷり。なお会場内で行なわれた会場内の特設コースで試乗体験ができる「ふれあい試乗会」ではどちらのモデルも試乗ができた。

BYD Auto Japan

 これまで開催されてきたお台場地区も海に近い湾岸エリアだったが、今年の山下ふ頭はさらに海が近く船の行き来を眺められる立地だ。戦前から活躍し今では国の重要文化財に指定されている氷川丸を眺めながら会場に向かうエリアではVAZ★Sportによる「THE横浜FUN MSjapan Meeting」と銘打ったヒストリックカー展示が行なわれた。幅広い国、メーカー、年式のヒストリックカーは歴史ある港町にとてもマッチしていて見ていて楽しい。

 またマリンタワーの2階には日本レース写真家協会による懐かしいモータースポーツシーンの写真展示もあった。

山下公園と会場となった埠頭をつなぐエリアで行なわれたヒストリックカー展示「THE横浜FUN MSjapan Meeting」
歴史的名車と氷川丸の組み合わせも横浜開催ならでは
会場内にずらりと並ぶマシンの後方には横浜ベイブリッジ
マリンタワー内に展示された懐かしいモータースポーツシーンのパネル展示
広々としたフードエリア

 これまではF1やSUPER GTマシンなどが爆音、真っ白いスモークをあげながらの走りを間近で見られることも大きな魅力だったこのイベントだが、横浜ではドリフト走行など激しい走りを控えながらの開催となった。一方で地元 横濱中華學院 校友會による獅子舞演舞によるオープニングセレモニーなど地域性豊かな催しが加わり、またヒストリックカーや懐かしい写真の展示が会場の周辺にも展開されるなど、歴史ある観光地にマッチした新しい魅力も加わったモータースポーツジャパンとなった。

オープニングセレモニーで獅子舞演舞を行なった地元 横濱中華學院 校友會
フェラーリF40 1994年JGTC最終戦MINE優勝車両
富士GC参戦車両 GAZEBO mcs6
TA22型セリカ ヒストリックモンテ仕様車
ダイハツ ミライース全日本ラリー参戦車両
フォーミュラEのオフィシャル講習会
生協の宅配パルシステムではプリンやヨーグルトの試食が行なわれた
クイズに答えてゲットできるJAFジュニアライセンス
鈴木亜久里スペシャルトークショー