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フォーミュラEのデモランもあった「JAFモータースポーツジャパン in お台場2024」
2024年2月28日 11:36
- 2024年2月24日〜25日 開催
2月24日~25日、「親子で『見て』『聞いて』『触って』『体感する』モータースポーツ」をテーマに掲げた「JAFモータースポーツジャパン in お台場2024」が東京・お台場地区で開催され、2日間を通じ5万2020人の来場者が楽しんだ。モータースポーツジャパンは、さまざまなカテゴリーのモータースポーツ車両に触れられるイベントとして2006年にはじまり、2021年からはJAFが主催している。
会場中央の「カーボンニュートラルとモータースポーツ」ブースには、温室効果ガスの排出量削減を目指したCN(カーボンニュートラル)車両や世界選手権を戦うマシンを展示。
今年の3月末に東京で開催される世界選手権フォーミュラEに参戦していたマシン「Nissan Formula E Gen2 car」(現在のレースはGen3 carが走っている)や、2019年のル・マン24時間レース優勝車両「TOYOTA TS050 HYBRID」、レッドブル・レーシングのF1マシン「RB19(ショーカー)」など、世界選手権を戦うマシンから、現在スーパー耐久シリーズST-Qクラスに参戦している「シビック タイプR CNF-R」など国内レースの参戦マシンまで、さまざまなマシンが披露された。
会場内に用意された特設コースではD1 LIGHTSやジムカーナのマシンのデモランの他、三菱自動車がレストアを手がけたグループA時代のWRCマシン、ランサーエボリューション3やNissan Formula E Gen2 carもデモランを行なった。
わずかなモーター音がするだけでほぼ無音のEVから、世界で戦ったわが国のWRCマシンのエンジン音まで、時代の垣根を超えモータースポーツの魅力を堪能できるのはこのイベントならではだ。
また、1985年にル・マン24時間レースに参戦したグループCカー、トヨタトムス85CLは残念ながら走行はなかったものの、エンジン始動を行ないレーシングサウンドで来場者を楽しませた。ちなみにグループAのランエボ3は1996年WRC1000湖ラリーでトミ・マキネン選手が優勝したマシン。トヨタ トムス85CLのエンジン始動を行なったドライバーは関谷正徳氏という贅沢な布陣だった。
無料ながらモータースポーツ車両の走行や展示が充実しているモータースポーツジャパンだが、もうひとつの顔がAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)による体験プログラム「ふれあい試乗会」、そして18歳以下を対象とした「U-18運転予備校」だ。ふれあい試乗会はAJAJ会員の運転による同乗体験で、その車種はBYDやBMWのEVやマツダのロータリーEVからシボレーコルベットやホンダシビックTYPE-Rなどのスポーティなモデルまで車種が豊富で開場直後から行列のできる人気ぶり。
U-18運転予備校は免許取得前の若者に運転を体験してもらう意欲的なプログラムで、運転前にはシートポジションの合わせ方から運転のノウハウまでの講習が行なわれた。用意されたクルマは、レクサスLCコンバーチブルやBMW Z4など国内外のスポーティモデルだ。
また、新しい電動モビリティツールのシェアリングサービスLUUPとJAFによる電動キックボードの乗り方講習会も行なわれた。走行できる場所、できない場所。右左折の方法などまだまだ周知されていないゆえの問題も少なくない。LUUPを利用するうえでの法規の確認や実車の試乗体験をクローズドコースで行なう事は、これからの社会においてタイムリーかつ大切な取り組みだろう。
開会式では小池百合子東京都知事によるビデオメッセージで、これから100%非ガソリン化を目指す東京都の取り組みが紹介され、「脱炭素化のスピードを一気に上げてまいりましょう」と来場者に訴えた。電動フォーミュラマシンの走行や展示、電動キックボードの乗り方講習などはそうした未来が垣間見えるプログラムだ。一方で世界に挑戦し続けてきた懐かしい日本車の走りはもちろんエンジンサウンドも大変魅力的であった。内燃機関とモーター。懐かしいマシンと未来のマシン。時代の変わり目らしい幅の広さと、新旧のバランスの良さが際立った2024年のモータースポーツジャパンであった。