今年も「モータースポーツジャパン2016」がお台場特設会場で開催された(写真は2016年のヒルクライムを戦う高性能EV「E-Runner Concept_one」) モータースポーツを通じてクルマやバイクの魅力を伝えるイベント「モータースポーツジャパン2016フェスティバル イン お台場」が、4月16日~17日の2日間にわたり東京お台場 特設会場(東京都江東区青海)および周辺の公園地区で開催された。
春の開催となって2年目の今年の入場者数は、初日は雨にたたられた昨年の初日を大きく上回る4万8995人(昨年は3万2582人)と大いに盛り上がりを見せた。しかしながら、2日目は予定通り9時に開場したものの、強風のため10時をもって中止となった。わずか1時間の開催となった2日目だが朝から多くのファンが来場し、その数は4279人と11年目を迎えすっかり定着した感のあるこのイベントの人気がうかがえた。なお両日ともにすべてのプログラムが無料で体験できた。
各ジャンルから多くの選手がお台場特設会場に集結した メインセレモニーでは参加選手が集合するなか、大会実行委員長の日置和夫氏が開会の挨拶を行なった。なお、第1回大会からスーパーバイザーを務めている近藤真彦氏は来場できなかったためメーセージが紹介された 昨シーズンまででSUPER GTを勇退した脇坂寿一氏はレーシングスーツ姿ではなかった 会場は昨年同様、アクティブゾーン(A会場)、エクスペリエンスゾーン(B会場)、カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)とジャンル別に分けられていたが、今回はアクティブゾーンを中心に紹介していく。
アクティブゾーン(A会場)特設走行エリア
アクティブゾーン(A会場)は特設走行エリアと、自動車・バイクメーカー、パーツメーカー、タイヤメーカーなどの展示ブースが連なるモータースポーツジャパンのメイン会場となるエリアだ。なかでも特設走行エリアは、SUPER GTやダカールラリーのマシンが都心でサウンドを響かせ、ファンの前でその迫力ある走りを披露する貴重なゾーンだ。
来場者参加型のレーシングカー同乗走行終了後、全日本ラリー参戦マシンやトヨタ MIRAIのラリーカーによる「全日本ラリーお台場スーパーSS」が行なわれた パイクスピークヒルクライムのマシンはモンスタースポーツから2台が走行を披露。3.0リッターV6ツインターボの2011年優勝マシンSUZUKI SX4と今年のヒルクライムを戦う高性能EV、E-Runner Concept_oneだ ダカールラリー参戦マシンの走行披露はこのイベントでもおなじみの巨大な日野レンジャーと、ランドクルーザーでの参戦でも知られる三橋選手が今年2輪で参戦したKTMのマシン DRIFTデモ走行を披露したのはトーヨータイヤの86、GT-R、Z ツインリンクもてぎでのトライアル世界選手権 日本GPを翌週に控え、藤波貴久選手らが華麗な技を披露した「トライアル世界選手権 日本GP Kick off」 小林選手の軽快なトークとともに超至近距離でのパフォーマンスを3選手が披露した 「YOKOHAMA ADVAN TIME」では、全日本ラリーの新井敏弘選手、奴田原文雄選手、レーシングドライバーの織戸学選手らADVANタイヤで戦う3選手が走行を披露した トークショーでは走行を披露した3選手のほか、山本尚貴選手、片山右京氏が参加。山本選手が参戦するスーパーフォーミュラは今シーズンより横浜タイヤのワンメイクとなる。ブースではアドバンカラーのスーパーフォーミュラマシンや86/BRZワンメイクレース参戦車両(谷口信輝車)も展示 ピットスタッフの腕の見せ所「SUPER GT ピットストップコンテスト」 その他、気軽にモータースポーツに参加できるJAFが提唱する新しいタイプの競技「Auto Test」のデモとして「お台場Auto Test of Champions」、ステージでのサーキットクイーン紹介ステージ、コースに全車両を並べ一斉にエンジン始動をし間近でそのサウンドを楽しむ「グリッド上全車エンジン始動デモ」など様々なイベントが行なわれた。
アクティブゾーン(A会場)展示エリア
展示エリアでは4輪、2輪メーカーやタイヤメーカー、自動車専門学校、サーキットのブースなど様々な展示が行なわれ来場者を迎えた。
様々なカテゴリーで活躍するGazoo Racingのマシンを展示したトヨタ自動車 日産自動車はエクストレイルの参考出品車であるNISMO Performans Package装着車や今夏正式発表予定のGT-R2017年モデルも展示した 本田技研工業は2015年にレースで実走したF1マシン、マクラーレン ホンダ MP4-30を展示 マツダはグローバルMX-5CUP用(2.0リッター)、国内向けNA-Rレーシングスペック(1.5リッター)の2台のロードスターと1.5リッター6速MTのデミオレーシングスペックを展示 2台の2015年チャンピオンマシンを展示したヤマハ スズキも2015年のMotoGPマシンGSX-RRを展示 8耐Squareには3台の8耐参戦マシン。奥の2台は優勝マシンだ ブリヂストンブースでは道上氏、脇坂氏のちょっとアブナイ監督対談 2015年SUPER GT GT500クラスのチャンピオンタイヤ ミシュランのブース ヨコハマタイヤは前日発表されたばかりのADVAN FLEVA V701を展示 モビリティランド(鈴鹿サーキット/ツインリンクもてぎ)はツインリンクもてぎで翌週に開催されるトライアル世界選手権 日本GPを実車展示とともにアピール 富士スピードウェイは1980年代のスーパーシルエットレース参戦車両ニチラ インパル シルビアターボ(ドライバー:星野一義)を展示。また、その名も懐かしいFISCOロゴの富士スピードウェイ50周年記念グッズやGWに行なわれるSUPER GT500kmレースの割引観戦券も販売 ヤマハのバイク展示を行なったスポーツランドSUGOは、5月14日~15日に開催されるスーパー耐久シリーズ第2戦を告知。オリジナルTシャツ等も販売していた JAF(日本自動車連盟)はFIAが推進するWOMEN IN MOTORSPORTを井原慶子選手とともにアピール。2013年のF1全ドライバーサイン入りヘルメットやリーフNISMO RCとともに充電機能付きロードサービスカーを展示した 様々な自動車専門学校もブースを構え、未来の自動車業界を担う学生達の日頃の活動をアピールしていた 普段は戦いの場に身を置くプロドライバーの、解放された笑顔に身近に接することができるのがモータースポーツジャパンの大きな特徴だ 例年通り、迫力ある走行シーンや貴重な展示などが無料で楽しめ、B会場ではAJAJ(日本ジャーナリスト協会)会員による「みんなの楽ラク運転講習会」や様々なメーカーのニューモデルの同乗走行ができるプログラムも用意された。また、C会場は「Legend of the MAZDA」として貴重なマツダ車の展示やトークショーが開催され、同Cエリアではレプリカカーやヒストリックカーが集結。夕方にはA会場に移動して展示を行なった。
お台場に集結した見事なレプリカカーやヒストリックカーを眺めていると、それぞれのクルマにギュッと詰まったユーザーの想いが見えるようだ 開催2日目は強風により会場1時間で中止となったが、多くのテントが撤収作業をしているなかで時間ギリギリまで参加型イベントを行なったブース、時間ギリギリまでファンサービスし続けたレーシングドライバーやレースクイーンの姿は印象的だった。
なお、多くのブースに4月14日より発生した熊本地震への義援金の募金箱が設置された。
中止が決定されるも、ギリギリまでファンの期待に応えるドライバーや各ブース 多くのブースが4月14日より発生した熊本地震への義援金の募金箱を設置した