「モータースポーツジャパン2015」が開催されたお台場特設会場 モータースポーツを通じてクルマやバイクの魅力を伝えるイベント「モータースポーツジャパン 2015 フェスティバル イン お台場」が、4月11日~12日の2日間にわたってお台場特設会場(東京都江東区青海)で開催された。
大会初日が雨となったため来場者の出足は鈍ったものの、2日目には天候に恵まれ2日間の累計来場者数は9万7188人(主催者発表)と大いに盛り上がりを見せた。なお両日ともにすべてのプログラムが無料で体験できた。
オープニングセレモニーでは大会実行委員長の日置和夫氏(右)とスーパーアドバイザーである近藤真彦氏(中央)が挨拶。両者ともに昨年までの秋から春の開催に変わったことにより、各チームの今シーズンへ賭ける意気込みが感じられるイベントになったと語った 今年も現役のトップドライバーから往年の名選手まで、蒼々たるメンバーがイベントに集まりファンとの交流を楽しんだ 会場は2014年同様、アクティブゾーン(A会場)、エクスペリエンスゾーン(B会場)、カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)とジャンル別に分けられていたので、各ゾーンごとに紹介していく。
アクティブゾーン(A会場)特設走行エリア
アクティブゾーン(A会場)は、特設走行エリアと自動車メーカーをはじめパーツメーカーや自動車関連の専門学校などの展示ブースが連なるモータースポーツジャパンのメイン会場ともいえるエリアだ。今年は全日本ラリーの開催と日程が重なったためラリーカーのデモランはなかったが、SUPER GTやスーパーフォーミュラ、そしてD1GPマシンなど様々なカテゴリーの選手とマシンが集結し、例年同様に迫力ある走りをファンの前で披露した。
スーパーフォーミュラーは、中嶋大祐選手によるスーパーフォーミュラーマシン SF14のデモラン。ファンと至近距離での走行がこのイベントの魅力の1つだ SUPER GT GT500マシンDENSO KOBELCO SARD LEXUS SC430 新しいチーム体制で今シーズンを戦う最新マシン2015 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTが早くも登場。大半の人が初めて目にするマシンだ D1GPマシンはデモランの他に同乗走行も行った。初日はウエット路面のためタイヤスモークこそなかったものの、その迫力ある走りで人気を博した 同乗走行を行ったダカールラリー参戦の日野レンジャーは、展示ブースでも大人気のマシンだ 昨年から始まったグリッドウォークでは、各カテゴリーのマシンを一斉に並べたコースにファンが入場でき、至近距離で本物のレーシングカーを見ることができる。また、ファンの退場後は本番さながらに全てのクルマのエンジンが一斉にかかり、そのサウンドも楽しめた アクティブゾーン(A会場)展示エリア
展示エリアでは自動車関連企業などの展示ブースが並び、特設走行エリアでのデモラン同様の賑わいを見せた。
TOYOTA/LEXUSともにモータースポーツ活動を「GAZOO Racing」に統一した最初のイベントとなるのがこのモータースポーツジャパンだ ショーカーとはいえ、カーボンに囲まれた最新のGT500マシンのコックピットを体験できるのは貴重な体験だ 日産はル・マン参戦マシンの展示や、本物のGT500マシンを使ったタイヤ交換体験など盛りだくさん 今年復活を遂げたF1のマシン(McLaren-Honda MP4-29H/1X1)を展示したホンダブース マツダは秋に発売が予定されている、モータースポーツに向けたベースモデル「デミオモータースポーツコンセプト」を展示 レガシィのラリーカーは、1993年にコリン・マクレーがWRCで初優勝した時のマシン(スバル) スバルは今シーズンのSUPER GTへ参戦中のBRZ GT300のマシンも展示した 三菱自動車はお馴染みの登坂体験を実施したが、ドライバーは増岡浩選手と田口勝彦選手というラリーのベテラン選手が受け持った。ちなみに初日の路面はウエットだ! ランサーエボリューション ファイナルエディションと歴代の「ランエボ」を振り返るパネル展示 ブリヂストンは最新のポテンザRE-71Rはもちろん、数多くのスポーツタイヤを展示。なお、同タイヤでレースに参戦し、レースレポートをCar Watchでも連載中の橋本洋平氏のトヨタ 86も展示された ブリヂストンがこのイベントでバイク用タイヤを展示したのは今回が初めて ヨコハマタイヤは最新のADVAN Racing RZを装着した日産 GT-Rを展示。70年代後半に生まれた赤と黒のADVANカラーが最新マシンによく似合っていた ナカジマレーシングはSUPER GTのピットさながらの機材を持ち込み、タイヤ交換体験を行っていた ナカジマレーシングが展示した中嶋悟のティレル ホンダ 020 ヤマハは今年のMotoGP参戦マシンYZR-M1をはじめ、話題の3輪バイク トリシティ125やYZF-R25を展示。特にYZF-R25は20代の来場者に人気が高かったようだ 今年で100周年を迎えるZFジャパンは自社パーツの展示の他、アフリカの100の村へ通学用の自転車を寄贈する募金を展開。実際に贈られる「バッファロー・バイシクル」の展示も行った 日産リーフNISMO RCは、JAFブースに展示されていた「充電機能付ロードサービスカー」で充電されていた マツダは「Mazda Women in Motorsport Project 2015」を発表
マツダは女性のモータースポーツ参加推進活動を行うFIAのWOMEN IN MOTORSPORT委員会で、アジア地域代表も務めているレーシングドライバーの井原慶子氏とともに「Mazda Women in Motorsport Project 2015」を立ち上げた。モータースポーツ界における女性の活躍を推進することを目標とし、一般に募集された中から書類選考と面接で選ばれた26名のメンバーが会場で発表された。学生から医者など、その年齢、職種、そして運転経験様々なメンバーがこれからトレーニングを受け、レースへの参戦を目指すとの事だ。
プロドライバーのトークショーやサイン会などの交流の場も
A会場では至る所でプロドライバーのトークショーやサイン会など交流の場がもたれ、初めてだと少々敷居が高く感じるかもしれないレースの世界を身近に感じられたファンも多かっただろう。また、子ども連れでも気軽に楽しめる家族向けのプログラムも多数用意されていた。
中嶋悟、一貴、大祐、みんな愛知県岡崎出身という事でオカザえもん 日本レース写真家協会(JRPA)による、歴史的レーシングカーと一緒に家族写真をとってもらえるサービス エクスペリエンスゾーン(B会場)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)による、国内外の最新モデルに同乗試乗できる「ふれあい試乗会」や、「みんなの楽ラク運転講習会」など、実際にクルマに触れたり体験できるのがこのB会場だ。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)による「みんなの楽ラク運転講習会」では、車庫入れ、縦列駐車の練習、チャイルドシートの相談、タイヤの空気圧管理の重要性を確認するコーナーなど、忘れがちだが安全運転にとって重要な事を再認識する多彩なプログラムを用意。Car Watchでもおなじみの松田秀士氏、岡本幸一郎氏、西村直人氏、真鍋裕行氏らも参加している 国内外の最新モデルに同乗試乗できる「ふれあい試乗会」では、Car Watchでもおなじみの日下部保雄氏や橋本洋平氏がドライバーとして参加。ホンダ S660も同乗走行できた カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)
ダイバーシティ東京プラザに隣接したカルチャー&レジェンドゾーン(C会場)の今年の展示は「Legend of the NISSAN」と銘打ち、日産の往年のレーシングカーやラリーカーの展示のほか、長谷見昌弘氏や星野一義氏ら日産のモータースポーツを支えた名ドライバーのトークショーなども行われた。なお、レプリカカー、ヒストリックカー、K4GPマシンなどの展示も例年通り行われ、多くの見学者を集めた。
「Legend of the NISSAN」と銘打ち、日産のヒストリックカーが集結した今年のC会場では、長谷見昌弘氏や星野一義氏のトークショーも行われた。また、今年はMID4が1型、2型ともに揃った 日産車以外にも、例年通り多くのレプリカカーやK4GPの車両が集った。なお会場ではヒストリックカー部門賞やレプリカカー部門賞の他、多くの賞が設けられ、11日、12日それぞれで見学者による人気投票が行われた。12日のK4GP部門最優秀賞のブラックドッグミラをはじめ、多くの参加者に賞が贈られた A会場の走行イベント終了後にはC会場のヒストリックカーやレプリカカーが走行エリアへ移動するが、不動のペターソルベルグ人気、懐かしいグループA、非常に貴重なマシン、どれを見ても楽しく、またオーナーの想いを感じるイベントの締めにふさわしい展示だった