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ロールス・ロイス、「ファントム・チェリー・ブロッサム」公開 日本の春の風物詩「お花見」を25万針の刺繍で室内に再現
2025年4月4日 18:18
- 2025年4月2日(現地時間) 発表
英ロールス・ロイス・モーター・カーズは4月2日(現地時間)、日本の春の風物詩「お花見」からインスピレーションを得たビスポーク(特注)モデル「ファントム・チェリー・ブロッサム」を公開した。
この特注モデルは、日本人のオーナーの「子供時代と子育て時代の大切な花見の思い出を形にしたい」との希望を具現化した世界に1台の車両で、「家族の中で世代を超えて受け継がれ、体験される存在として残したい」という想いも込められているという。
構想自体は3年前に始まり、ロールス・ロイスの職人たちがオーナーと対面し、そのビジョンを深く理解するところからスタート。車内にはオーナーが思い描いたとおりの、咲き誇る桜の木の下に座っているかのような感覚を捉えた繊細な刺繍が施されるほか、スターライト・ヘッドライナーには、繊細な色合いの満開の桜の花をちりばめた枝が刺繍されている。
特にヘッドライナーに刺繍された桜の木の豊かな質感は、日本の伝統的な技術にインスピレーションを得た「畳織り」を採用したといい、枝が絡み合い、互いに重なり合って伸びているように見える工夫が施されている。この立体的な視覚効果をつくり出すために、1人の職人が刺繍されたパネルを一点一点綿密につなぎ合わせ、車両の後部から後部座席の上へと流れるひと続きのデザインとなるよう仕上げている。ちなみに、このヘッドライナーの刺繍だけでも3週間、全体では6か月以上を要し、ステッチの総数は25万針以上という。
サテンステッチで表現した花びら1つひとつは光の角度によってまるで宝石のようなきらめきを放ち、後部座席全体に舞い散るように配置され、プライバシー・スイートドアやパーティション・ウォールにも優美に広がっている。
さらに、ロールス・ロイス初となる「3Dの桜の花びら刺繍」も施されていて、触感のある立体的なディテールはパーティション・ウォールを飾り、ドアに伝統的な刺繍で描かれた舞い落ちる桜の花びらと印象的なコントラストを表現している。
この3D刺繍は、糸を幾重にも重ねて自立する構造を形成するという新しい技法を専門家が開発したことで実現。それぞれの花びらは手作業で成形され、最終的な形を立体的に整えられてから、車内の照明に合わせて柔らかな陰影を生み出すように配置されている。
お花見のテーマは、ドア内に格納されたの傘の生地の内側にも舞い落ちる花びらのモチーフとしてあしらったほか、アークティックホワイトにクリスタルを重ねたボディには、後部座席のドアの中ほどまで優雅に細くなる特徴的なコーチラインが手描きで施され、繊細な桜の花のモチーフが添えられている。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ ビスポークデザイン担当ゼネラルマネージャー のマルティナ・スターク氏は、「日本では桜の花は、生命のはかなさと移ろいゆく美しさの象徴として大切にされています。この素晴らしいコミッションでは、世界的にも知られるその一瞬の美を、25万針を超える絶妙なステッチを用い、ロールス・ロイスの最高峰モデル、ファントムに再現しました。ロールス・ロイス史上初の立体的な刺繍により、舞い落ちる花びらに立体感のある質感を与えました。日本古来の刺繍技術を用いて開発されたこの1台は、お客さまが大切にする深い個人的な思い出を映し出しています。個人的な想い、伝統的な職人技、そして現代的な芸術性を結び付けるビスポークの力を実証するものです」とコメントしている。






