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歴代Zが1700台超! 2000人以上が親睦を深めた「DUNLOPオールフェアレディZミーティング@富士スピードウェイ2025」
2025年5月7日 11:37
- 2025年5月5日 開催
初代フェアレディZ(S30型)のオーナーズクラブ「S30ZCAR.JP」が、「アルティメイトZカークラブ」との共催により2009年にスタートした「オールフェアレディZミーティング」は、年々参加台数が増え続け、2025年は1700台を超える歴代フェアレディZと2000人以上の参加者が会場となった富士スピードウェイに集結した。
イベントが開催された5月5日は、翌6日も振替休日のため余裕を持って移動できることもあり、関東、東海、関西エリアのナンバーはもちろんのこと、函館や八戸、長崎、大分といった遠方のナンバープレートも見られた。
会場内は、オーナー同士の会話が弾むようにと型式別にきれいに区分けされし、周囲にはチューニングショップのブースやキッチンカーが多数並んだ。また、発売直後は2年待ちといった時期もあったが、ここ最近はかなり納車が早まっていることもあってか、今回のイベントでは、最新型のRZ34の参加が最多となった。会場にいた日産スタッフも、「RZ34型をこんなにたくさん同時に見たことがない。生産工場でも見られないし、Z NISMOも全色同時に見られるのは、恐らくここだけでしょう!」と驚きを隠せない様子だった。
発起人であるS30ZCAR.JPの竹内会長は、大勢の参加者へ感謝を述べるとともに、新型(RZ34)の参加者が一気に増えたことを喜んだ。また、今回から冠スポンサーとなったダンロップ(住友ゴム)のタイヤ事業本部 企画本部 グローバルマーケティング部 宇野弘基氏は、参加しているフェアレディZの数に圧倒されて驚いたと話しつつ、イベントオリジナルTシャツを購入したことを報告し、自身もイベントを楽しんでいるとあいさつ。
ステージ横に構えたダンロップブースでは、宇野氏の愛車であるRZ34型と、1973年のTACSクローバーラリーで総合優勝した車両、自身が開発に携わっている「スポーツマックス」ブランドのタイヤが展示された。
メインステージではさまざまなトークショーを実施
オールフェアレディZミーティングは、毎年フェアレディZにまつわるスペシャルゲストが多数参加することでも知られ、開発当時の秘話やレース裏話など、普段は聞けないトークショーが繰り広げられるのも特徴の1つ。
2025年はレジェンドドライバーとしては、黒い稲妻の異名を持つ桑島正美氏、当時バイクとクルマの二刀流で実績を残した北野元氏、日本一早い男と呼ばれた星野一義氏、Z遣いの柳田や雨の柳田と呼ばれた柳田春人氏は体調不良で残念ながら欠席。また、星野一義氏に代わってチームインパルの監督を務めている星野一樹氏、欠席した柳田春人氏の息子の柳田真孝氏も参加。
レジェンドドライバートークショーでは、イベントにもっとも多く参加しているという桑島氏が、「最初はS30が80台だけでしたから、今や1700台超えと本当に増えました」とイベントの成長を紹介。また星野氏は桑島氏について「めちゃくちゃいい男で、芸能界で主役をやったほうがいいと思っていた。外車に乗って颯爽と現れる姿は日活のスターみたいだったよ」と会場の笑いを誘った
また、北野氏は「フェアレディZは1号車から携わっていて、日産を辞めるまでずっとZ専門だった。50年前、当時のクルマはみんなマッチ箱みたいな形だったのに、低いボンネットにロングノーズとZは本当に素晴らしいクルマだと思った」と説明。ただし、「フロントが重すぎて前後バランスがわるく、速く走らせるのは大変だった」と当時を振り返った
続けて星野氏は、「当時の自分は新米なので、Zなんか乗らせてくれないし指をくわえて見てるだけ。乗らせてもらえたのはFFのチェリーだけだよ」とコメント。そのチェリーについて北野氏は、「当時ファクトリー(追浜)に3台のチェリーが入ってきてテストを頼まれたんだけど、全然乗りこなせなくて、実は3台ともひっくり返しちゃった。他の仕事もあって忙しいからチェリーは大森(ファクトリー)にパスしたら、そこで星野クンが乗って専門になっていた(笑)」と当時の秘話を明かしてくれた。
レジェンドドライバーとは世代が異なる柳田氏は、「当時のZ33のレースカーはスイートスポットが狭いというか少しクセがあって、でもハマれば速いマシンだったので、先輩たちの乗っていた当時のクルマにも少し通じるものがあるのかなと思いました」と自身の経験談を語った。
歴代デザイナーや開発関係者によるトークショーには、Z32デザイナーの山下敏男氏、元日産自動車専務 デザイン本部長の中村史郎氏、元日産商品企画室CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)でZ33・Z34の総責任者であった湯川伸次郎氏、元日産自動車グローバルデザイン本部 アドバンスドデザイン部 主管でGT-R NISMO、Zカスタマイズド・プロトデザイン統括で、現在はNMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)へ移籍した森田充儀氏、イベント参加者から事前に「ぜひ呼んでほしい!」との声が上がったRZ34デザイナーの入江慎一郎氏らが参加。それぞれの時代の苦労話や開発ヒストリーのほか、自身が手掛けたフェアレディZを所有しているかなど、いろいろなテーマが繰り広げられた。
湯川氏は、自分が責任者を務めたZ33が発売された当時愛車として購入。さらに2005年には追加投入されたコンバーチブルモデルの「ロードスター」に乗り換えたと明かし、「今日はその愛車で富士スピードウェイへ来たし、すぐそこに展示してありますよ」と登壇者や参加者を驚かせた。
特にフェアレディZには、パッと見た時にZに見えることが重要で、S30型~RZ34型まで“2ドアハッチバック”というデザインDNAがしっかりと継承されている。そのため、歴代Zが似ているのは当然のことで、それでもまねしている訳でもなく、デザインの耐久性がとても高く仕上がっているといい、こういうクルマは日本ならフェアレディZしかないし、世界を見てもポルシェ911ぐらいだろうと全員で納得していた。
途中でオプションパーツとして発売されている「Customized Edition」の話題になった際、急きょ日産自動車ブランドアンバサダーの田村宏志氏が飛び入り参加。田村氏はRZ34型のフロントバンパーの開口部について、「空力的や冷却的には大きく開けたほうがいいのは分かるけれど、S30みたいにバーがあったほうがカッコイイじゃんってデザイナー(入江氏を見る)と喧嘩したけど、聞き入れてくれないので、森田にCustomized Editionを作れって言ったの」と裏話を披露。しかし、やはりバーを入れると最高速が180km/h以上出せる海外では冷却効率が不足する可能性があるとのことで、最高速の上限が180km/hに制限されている日本国内のみでのオプションパーツ販売となったと経緯を説明した。
富士スピードウェイの本コースを走れる体験走行会も実施
イベントのもう1つの目玉ともいえる「本コース体験走行会」は、先導車付きではあるものの自分の愛車で富士スピードウェイの本コースを走行できる企画。事前にWebで販売していた分とは別に、開会式の最後に当日できる参加を巡ってのジャンケン大会が実施された。
日産、ダンロップ、会長による「この1台!」を表彰
閉会式では、日産、ダンロップ、竹内会長が、独断と偏見で決める「この1台!」を発表する表彰式を実施。今年の日産賞は、イベントに合わせてアメリカから来日していた、ZCCA(Z Car Club Association)のエグゼクティブ・ディレクターであるクリストファー・ジン・カール氏が選定。ダンロップ賞は開会式でもあいさつをした宇野氏が担当。1700台以上の中からお気に入りの1台を探し出した。
日産賞はシンプルだけどこだわりのカスタマイズを施していたRZ34型
カール氏は選定ポイントについて、フロントバンパーがCustomized Editionになっていること。ホイールがNISMO仕様。フロントリップスポイラーやサイドスカートにカーボン地をさりげなく見せている点。さらにカーボンウイングは上面をボディ同色に塗装してあるなど、パッと見に派手さはないものの、純正っぽくありながら、ものすごくこだわりがあるスタイルを評価していた。アメリカでは、純正っぽさに少しだけ手を加えるスタイルを「OEM+(プラス)」と呼ぶと説明していた。
ダンロップ賞は被災車を復活させたS130復活プロジェクトに
ダンロップ賞は、日産京都自動車大学校の生徒たちが、2018年に発生した西日本豪雨で水没してしまったフェアレディZ(S130型)をレストアして復活させるというプロジェクトが受賞。選定した宇野氏は、「会場にあるZはみんなどれも個性があって本当に迷いました。ただ、このS130復活プロジェクトは、息子さんの形見として残していた大事なZを復活させるという、困っている人のためのレストア作業と、これまで自分は聞いたことのないプロジェクトだったので選びました」と理由を説明。
会長賞は新車かと思うくらいピカピカできれいなZ31
竹内会長は、「自分はZに関しては、ハッチのチリだとか、ついつい隅々までチェックしてしまうわるいクセがあるのですが、Z愛が強いなっていうZ31があったので決めました」と報告。
最後のビンゴ大会では、ダンロップの欲しいタイヤ1セットやAmazonギフト券、出展していたチューニングショップのオリジナルパーツやアイテム、さらにレジェンドドライバーがトークショーで使用していたディレクターチェアに4人のサインを入れた特別品など、さまざまな景品が用意され、会場は大いに盛り上がった。
レーシングカーやカスタマイズドZを多数展示
イベント会場には、チューニングショップやパーツメーカーが出展。デモカーの展示やオリジナルパーツの販売、商談や相談なども積極的に行なわれていた。
ホシノインパル
レジェンドドライバートークショーにも参加していた星野一義氏が1980年に設立したホシノインパル。ホイール、エアロパーツ、コンピューターなど幅広くチューニングアイテムを手掛けている。また展示していたRZ34型は、カーボンエアロパーツとハイパフォーマンスパーツをフル装備した限定19台のコンプリートカーで、リミテッドバージョンの証としてシリアルナンバーが刻印されたプレートがあしらわれる。取り付け工賃込みの価格は407万円で、車両本体は別。
エアロパーツのほかにも、オーリンズ製サスペンション、左右2本出しマフラー、インパル「S-05」ホイール、チタン製ホイールナット、LEDブルーミラー(ウインカー矢印内蔵)、大口径ブレーキシステムなども装着されている。
スーパーオートバックス浜松
SA浜松のRZ34型は、フロントリップスポイラー、サイドスポイラー、リアスポイラー、エアロボンネット、ドアノブガード、ライトプロテクションフィルムなどオリジナルパーツを多数装着。そのほかにも、HKS製スーパーターボマフラーとハイパーマックスS、BBS製19インチホイールなどが組み合わされている。また、内装もドアパネル(レザー&アルカンターラ)、センターコンソール(レザー)、シフトブーツなどオリジナルアイテムでまとめている。
CREWCH(クルウチ)
オイル交換から車検、チューニング、中古車販売まで幅広く展開しているクルウチ。歴代フェアレディZや歴代GT-Rのチューニング、メンテナンスもお任せで、東京オートサロンやドラッグレースなどのイベントにも出展している。
ダットサンフリーウェイ
1985年に創業し、今年で40周年を迎えるダットサンフリーウェイ。鈑金、塗装、車体修理、レストレーション、カスタムカー製作までOK。デモカーやパーツは歴代フェアレディZがメインとなっている。
フジムラオート
ユーザーと話し合うことで理想のスポーツカーチューニングメニューを提案するフジムラオート。オリジナルブランド「ロケットダンサー」でいろいろなパーツを開発・販売しているほか、サーキット走行会も実施している。
Mスポーツ
スポーツカーのエアロパーツを数多く手掛けているMスポーツは、オリジナルエアロパーツを装着し、フロントは片側50mmと大幅なワイド化を実現したZ34を展示。フロントバンパー、フロントフェンダー、サイドステップ、リアフェンダー、リアバンパーの5点セットで価格46万円(税別)。また、Z34ロードスターには小さめのリアウイングを設定している。
アバンテオートサービス&トラスト
自動車整備、修理、およびカスタム、一般車検、公認車検、自動車部品製造販売、レーシングカー&スポーツカーなどのメンテナンスやサポートを手掛けるアバンテオートサービス。歴代フェアレディZだけでなく、トヨタ「86」、スバル「BRZ」、輸入車なども手掛けている。また、青色のRZ34は総合チューニングパーツメーカーのトラストが2025年4月に発売を予定している新製品マフラー「GReddy パワーエクストリームR」を装着。ジャッキアップして下に鏡を敷くことで、センター部分まではっきりと見えるようにしていた。
SPEED FORME
S30Z、ハコスカ、セリカXX、ケンメリなど旧車のエアロパーツやピロアッパーマウント、さらにRZ34型エアロやインテリアアイテムまで手掛けるSPEED FORME。エアロはスポーツテイストを活かしたデザインと次世代へのこだわりを注ぎ込んでいる。
Number7 Racing Products
カスタムカーのパーツデザイン、製造、取り付け、販売を行なうNumber7 Racing Products。エンジンや駆動系、足まわりパーツからステアリングやシートまで、幅広いアイテムを取り扱うほか、特注アイテムの制作も引き受けている。
レーシングサービスワタナベ
老舗ホイールメーカーのワタナベは、イベントに合わせて特別販売企画を用意。深リムを実現しつつ、レトロな雰囲気も演出できる「EIGHT SPOKE」を40%OFFで大放出。さらにハズレなしのガラポンなどで来場者を楽しませていた。