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首都高、大橋JCT屋上の7000m2の公園「目黒天空庭園」を公開

2013年1月30日公開

 首都高速道路は1月30日、東京目黒区の大橋ジャンクション(JCT)の屋上に造成中の公園「目黒天空庭園」を報道関係者に公開した。

 大橋JCTは3号渋谷線と中央環状新宿線を結び、2014年3月には中央環状品川線(大橋JCT~大井JCT)も接続されるジャンクション。

 大橋JCTはどの道路にもどの方向からでもアクセスできるフルジャンクションだが、都心部なので面積を小さくする必要がある。このため、1週約400mの螺旋のランプウェイを4層に重ねた構造を採用、上から見ると長径175m、短径130mの楕円形とし、従来のフルジャンクションの約4分の1の面積に抑えた。

 また、周辺への騒音や排気ガスを最小限にするために、ランプウェイと3号渋谷線への連絡路は、すべて壁と屋根で覆われている。このため、円柱形のコロシアムのような外観となっている。

2012年11月に撮影した大橋JCT。2つの再開発ビルが隣接する。向かって左の高層ビルがプリズムタワー、右の高層ビルがクロスエアタワー
4層に重ねた螺旋のランプウェイで、地下の中央環状線と地上の3号線を結ぶ
大橋JCTの模型
従来のフルジャンクションの4分の1の面積に抑えた
建設前の大橋JCTの用地
首都高速における大橋JCTの位置。2014年3月に開通予定の中央環状品川線は、大規模修繕時の迂回路としても期待されている

 屋上公園「目黒天空庭園は、この大橋JCTの屋上部分に設けられるもの。大橋JCTは「大橋“グリーン”ジャンクション」の呼称を掲げ、ヒートアイランド対策などのために多数の植物をその表面にまとわせている。目黒天空庭園もそのコンセプトに沿い、屋上部分の緑化に一役かっている。

 大橋JCTの建設は東京都、目黒区とともに都市再開発事業として行われた。このため、目黒天空庭園は首都高速道路が造成するが、開園後は目黒区が管理する区立公園となる。合わせて、大橋JCTのループ内にも、3000m2の公園「オーパス夢ひろば」が作られる。

 目黒天空庭園は、大橋JCT屋上のループのほぼ全周、面積にして7000m2を占めている。庭園への出入りは、大橋JCTの南側に設けられるエレベーター、国道246号線の歩道橋から延伸された歩行者デッキ、大橋JCTに隣接する2つの再開発ビルからの連絡デッキの計4個所から可能。開園後は管理人が常駐することになる。

大橋JCTの再開発事業として建設された。屋上公園のほかループ内の広場「オーパス夢ひろば」も目黒区が管理する。また隣接する再開発ビル「クロスエアタワー」には区立の図書館などが入る
公園には約6%の勾配がついているため、園路を蛇行させて勾配を緩めている

 庭園のコンセプトは「和風の回遊庭園」で、五葉松や信楽焼のタイルなど、和テイストの装飾を多用する。ループの最高点には「富士見台」と呼ばれる展望台が設けられており、ここからはその名の通り富士山を見ることができる。

 大橋JCTは螺旋のランプウェイを覆った構造のため、屋上にも約6%の勾配がついている。そのままでは車椅子などでの移動が危険になってしまうため、回遊路を蛇行させて勾配を緩めている。

 目黒天空庭園の開園は3月末。大橋JCTの脇を流れる目黒川の「桜フェスタ」に合わせて開園する予定だ。

クロスエアタワーから目黒天空庭園へ入ると、正面にあるのが富士見台。この日もうっすらと富士山が見えた
クロスエアタワー。目黒天空庭園はクロスエアタワーの9階とつながっている。つまり9階建ての建物の屋上が公園になっているわけで、取材時は夕方近かったこともあり、風が冷たかった
クロスエアタワーの9階との連絡デッキ。9階には図書館などが入っている
クロスエアタワーから右回りに下っていく。園路が蛇行している
園路沿いにいくつかテーブルと椅子のある四阿(あずまや)やパーゴラが設けられている。椅子が半分ないのは、車椅子でテーブルに付けるようにしたため
園内には信楽焼の植木鉢など、和風のアイテムを置く
メインエントランスの五葉松がこの公園のシンボル
大橋JCT南端のメインエントランス。奥の白い建物にエレベーターがあり、地上からここに入ることができる
メインエントランス部分を大橋JCTのループの反対側から見たところ。中央の白い塔がエレベーター。緑の柵で挟まれた部分が庭園。勾配がついているのが分かる。ループの内側は「オーパス夢ひろば」を造成中
クロスエアタワーのほぼ反対側、プリズムタワーの前に管理棟やトイレがある
管理棟から先へさらに下って行くと、国道246号側の入口に至る。ここは大橋JCTと3号渋谷線をつなぐ道路(壁で覆われている)の下になっており、その独特の造形を楽しめるスポットでもある
ループ内の換気所の上には、昔の目黒川の風景を再現した「おおはし里の杜」がある。ここは首都高速道路が管理する空間で、普段は立ち入ることができないが、付近の小学校が田植えをするなどのイベントに使われている
クロスエアタワーの連絡デッキから3号渋谷線への連絡道路を見たところ。天井も覆われているのが分かる
大橋JCTのループの内側。オーパス夢ひろばの造成が進む。またここには時間貸駐車場も設けられる
大橋JCTの外壁は「オオイタビ」という植物で緑化されるが、オオイタビが壁をすべて覆うには30~50年かかると言う。ライトアップもされる

(編集部:田中真一郎)