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陸上自衛隊、国内最大の実弾演習「平成27年度富士総合火力演習」を開催
本番は8月23日10時~12時。USTREAMなどによるライブ配信も
(2015/8/19 14:58)
- 2015年8月18日開催
陸上自衛隊は8月18日、東富士演習場(静岡県御殿場市)畑岡地区において「平成27年度富士総合火力演習」を公開した。取材当日は予行演習となっており、本番は23日の10時から12時に実施される。すでにチケットの申し込みは終了しているが、USTREAMやケーブルテレビなどによるライブ配信が行われる。なお、USTREAMにおいて20日と22日に行われる予行演習もライブ配信される予定となっている(http://www.ustream.tv/channel/jgsdf-rehearsal)。ただし、本放送に向けての錬成となるため「映像が途切れたり映像に関係ないテロップが流れることがある」と告知されている。
富士総合火力演習は「総火演(そうかえん)」の略称で知られる陸上自衛隊における国内最大の実弾演習だ。1961年から実施されており、1966年からは陸上自衛隊の広報活動の一環として、そして日ごろの訓練の成果を披露すべく一般公開が行われている。すでに50回以上を数えることから認知度が高く、普段はなかなか見ることができない戦車や自走砲など多くの車両や航空機による実弾射撃を間近で体感できる。見学にはインターネットおよび往復はがきによる申し込みが必要となるが、競争倍率は2013年が約20倍、2014年が24倍と人気はまさにうなぎ登りの様相。本年度ははがき応募総数2万7065通、ネット応募総数14万9083通となり、倍率はなんと約29倍! と、チケット争奪戦にますます拍車が掛かっている。
今回、27年度の総火演は人員約2300名、戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両約600両が参加。プログラムは例年通り、陸上自衛隊の主要装備を紹介する前段演習、島嶼(しょ)部に対する攻撃への対応を紹介する後段演習の2部構成。開始前や前後段の合間、そして終了後には富士学校音楽隊などによる演奏が行われたほか、演習終了後には参加した車両を間近で見学できる装備品展示が行われるなど、中身の濃い内容となった。
前段演習は遠距離、中距離、近距離、ヘリ、対空、戦車火力と、実弾射撃を交えながら主要装備を紹介していくプログラム。見た目のハデさでいえば74式、90式、10式戦車の迫力ある射撃や履帯ならではの機動が大きな見どころ。また、クルマ好きには8輪の96式装輪装甲車のサスペンションが動く様子なども見ていて楽しいハズだ。
休憩および音楽隊による音楽演奏を挟んだ後段演習は、具体的なシナリオに沿って演習が展開していく。シナリオのテーマは「島嶼部に対する攻撃への対応」となっており、「部隊配置」「機動展開」「奪回」と3段階のフェーズが設定されている。部隊配置では洋上や島嶼部に展開した部隊への攻撃など、機動展開では先遣部隊による機動展開および支援など、そして奪回では偵察、支援射撃、地雷などの障害処理、対空援護、戦車部隊での攻撃と各部隊が連携して作戦を遂行していく様子を見ることができる。