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陸上自衛隊、「平成26年度 富士総合火力演習」を開催
本番の8月24日にはUSTREAMなどによるライブ配信も実施
(2014/8/21 13:27)
陸上自衛隊は8月19日、東富士演習場(静岡県御殿場市)畑岡地区において「平成26年度 富士総合火力演習」を公開した。なお、取材当日は予行演習となっており、本番は8月24日に行われる。すでにチケットの申し込みは終了しているが、USTREAMなどによるライブ配信(10時~http://www.mod.go.jp/gsdf/event/fire_power/live.html)が予定されている。
総火演(そうかえん)とも呼ばれる同演習は1961年から実施されており、1966年からは陸上自衛隊の広報活動の一環として、そして日ごろの訓練の成果を披露すべく一般公開を開始している。すでに50回以上を数えることから認知度は高く、普段はなかなか見ることができない戦車や自走砲など多くの車両による実弾射撃を間近で体感できるとあって、特にここ数年は人気がうなぎ登りとなっている。見学にはインターネットおよび往復はがきによる申し込みが必要となるが、競争倍率は2013年が約20倍だったのに対し、今年は24倍まで上昇。まさにプラチナチケットと呼べる状況だ。
今回の総火演は、人員約2300人、戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両約600両が参加。プログラムは例年通り、主要装備を紹介する「前段演習」、島しょ部に対する攻撃への対応を紹介する「後段演習」の2部構成となっており、演習終了後には参加した車両を間近で見学できる装備品展示も行われた。
前段演習では遠距離、中距離、近距離、ヘリ、対空、戦車火力と、実弾射撃を交えながら主要装備を紹介していく。見た目の派手さでいえば74式、90式、10式戦車による迫力あるスラローム射撃などが大きな見所となるが、クルマ好きには8輪仕様の96式装輪装甲車のサスペンションが動く様子なども見ていて楽しめるだろう。
休憩と音楽隊による音楽演奏を挟んだあとに行われた後段演習は、具体的なシナリオに沿って演習が展開していく。シナリオのテーマは「島しょ部に対する攻撃への対応」となっており、「陸海空の統合作戦による海上を進行してきた敵に対する攻撃」「上陸した敵への情報収集&攻撃部隊展開」「部隊主力による島しょ部の奪回」と3つのフェーズで進行していく。統合作戦のため、海上自衛隊のP-3C、航空自衛隊のF-2戦闘機も飛来していたが、当日は雲が低く、飛び去る音のみでその姿を確認することはできなかった。
「次回は生で実際に見たい!」という人のために参考までに書いておくと、総火演の観覧募集は例年6月ごろから開始される。インターネットまたは往復はがきで応募が可能で「青少年券」と「一般券」の2種類があり、1枚の券で最大4人まで入場できる。青少年券は29歳以下の人が含まれる場合に応募でき、当選確率が高く設定されている。また、どちらも駐車券あり、なしを選ぶことができる。