ニュース

トヨタ車体、100%自然由来の樹脂素材「TABWD」や「GX CONCEPT」を「人とくるまのテクノロジー展2025」で展示

2025年5月21日~23日 開催
トヨタ車体は100%自然由来の樹脂素材「TABWD」などをアピール

 人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMAがパシフィコ横浜で5月21日~23日に開催されている。

 入場は無料となるが、事前来場登録が必要。来場登録を行なえば同時に開催されているオンライン展示会 STAGE 1(5月14日~6月4日開催)にも参加できる。なお、オンライン展示会のみの参加も可能。

 トヨタ車体は、「More Tech, For Future:拡げる技術で、豊かな未来へ」をコンセプトに、樹脂素材「TABWD」と超小型BEV(バッテリ電気自動車)「COMS」を中心に、GX(Green Transformation)に貢献する同社技術を展示している。

ノース1階のトヨタ車体ブース

 TABWDは、スギの間伐材を繊維化し、バイオ樹脂と混合した、100%植物の自然由来でできている素材。スギの木繊維を51%、バイオ樹脂を49%の配合で作られた「TABWDブロック」は、ほんのり木の香りのするブロックとなっており、組み合わせることで多様な造形物を作成可能。ブースではTABWDブロックで組み立てた実物大COMSの模型も展示されている。

TABWDブロックで作られた実物大COMSの模型を展示

 また、TABWDは着色顔料を用いて好みのカラーに仕上げることも可能で、このカラフルなTABWDを利用したCOMSとなる「WAKAMARU」を展示。TABWDは天然素材のためマーブル模様の見た目となっているが、はっきりと発色させるための配合率なども現在検証しているとのこと。3Dプリンタでの造形物も制作可能といい、WAKAMARUと一緒に展示されていた。

カラフルなTABWDを利用したCOMSの「WAKAMARU」
3Dプリンタで出力した家具も一緒に展示

 そのほかにも、ご当地の間伐材を配合したTABWDを、超小型BEVとなるCOMSの車体や内装部品に使用した地産地消コムス「もくまる」も展示。森を健全な状態に保つために伐採された間伐材を有効に活用することで、豊かな森づくりに貢献するとしている。このもくまるは静岡県、高知県高岡郡梼原町、鹿児島県霧島市で実際に利用されているとのこと。

ご当地の間伐材を配合したTABWDを使った地産地消コムス「もくまる」。ルーフやフェンダーなどの外装にTABWDが使用されている

 また、トヨタ車体の素材・水素・電子技術や取り組みを1台に盛り込んだ車両「GX CONCEPT」を展示。クルマの製造過程で出た廃材をリサイクルし、ボディに利用することでアップサイクルをアピールするとともに、従来の金属材料と比較して、軽量化を期待できるカーボン樹脂複合材を使った燃料電池セパレータと高生産性技術も紹介している。さらに、GX CONCEPTはスマートフォンをメーターとして活用するスマホメーターを装着。アプリで車両と連携させてタイヤ空気圧や水素残量など、必要な車両情報を確認できるようなコンセプトを紹介していた。

リサイクル材や燃料電池セパレータ、スマホメーターを採用する「GX CONCEPT」
GX CONCEPTに用いられている技術