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童夢、レースクイーンも登場した新本社竣工式典開催
台湾にカーボン製造工場を持つKCMGコンポジットインターナショナルとの業務提携を発表
(2016/5/26 22:35)
- 2016年5月26日 開催
童夢は5月26日、滋賀県米原市に完成した新本社(滋賀県米原市梅が原2462番地)の竣工式典を開催。この式典のなかで、同社代表取締役社長 高橋拓也氏(高ははしごたか)は、台湾にカーボン製造工場を持つKCMGコンポジットインターナショナルと業務提携することを発表した。
式典のなかで高橋氏は「式典タイトルの“DOME 2.0 TIME TO MOVE ON”は『童夢の第2章の始まりです、今まで以上に成長していきましょう』という意味を込めました。童夢はカーボンコンポジットの分野で新たなステップに踏み出そうと皆様にお集まりいただきました」と挨拶。
続けて「童夢は40年間に渡り、レーシングカーコンストラクターとして最先端技術の研究開発に取り組んできました。その高い技術力と設計力を評価いただき、2016年5月よりKCMGコンポジットインターナショナルと正式に業務提携することになりました」と業務提携について明かした。
これまでに童夢は、2013年にカーボンコンボジット(CFRP)開発/生産のための「童夢カーボン・マジック」を東レに売却、2014年に50%スケールの風洞実験設備“風流舎”をトヨタ自動車に売却している。今回公開された新本社も、設計や開発機能に対応した建物となっている。
一方、KCMGコンポジットインターナショナルは、台中(台湾)に1万3000m2の施設と100人以上の従業員を抱えるカーボン製品製造工場を持つ。2016年11月より新工場を着工予定で、2017年夏の稼働開始予定。2020年までに台湾において51ヘクタールの敷地に5000人以上の従業員を抱える世界最大の力ーボン工場の稼働を目指すという。
高橋氏は「KCMGはカーボン製品の製造の部分に特化し、パートナーである童夢がエンジニアリングと設計の部分で全面的にサポートします」と今回の業務提携について説明。加えて「海外生産の価格的なメリットに加え、お客様に高品質な製品を提供するためあらゆる分野の専門家を集めて今まで準備を進めてきました。今後、自動車産業の厳しい基準をクリアした素晴らしい製品を世界中にデリバリーしていきたい」と意気込みを話した。
さらに高橋氏は「現在、KCMGの工場は1万3000m2の施設に約100名ほどの熟練スタッフがおります。生産能力を引き上げるため、フェーズ2として台湾政府の協力で51ヘクタールの敷地を確保して、今年度の11月より新工場の着工を開始し、来年の夏には稼働させたいと思っています。その後、フェーズ3では東京オリンピックが開催される2020年までに、年3100tのカーボン製品を世の中に流通させたいと思っており、まさに世界最大規模のカーボンヴィレッジが出現します」との予測を示した。
式典では創業者の林みのる氏も登壇し「この会社を長い間やってきて、普通だったら存在しえない会社で、お金を使うばっかりで収入源がほとんどないのに、なんとかかんとかやってきた。私以外にこの会社はできないと基本的に思っている。ですので、社長が変わった途端につぶれてくれないと私の立場がない。急に右肩上がりに成長したら、『あいつ何をやっとったんじゃ』と言われてしまう」と挨拶。
新体制で社長となった高橋氏について、林氏は「なかなかしぶとい奴。私とは全然違う面を見せて、やっぱりビジネスマンなんですよ。私が考えなかった話の展開になっていくし、世間でいう成功する企業があるとするとこういう人がやっているんだろうなと分かるくらい」と評価した。
今後の展開について林氏は「ひょっとしたら大化けするかもしれないし、すぐにつぶれるかもしれない。成功してくれたらそれはそれでいいし、私は老後の面倒を見てもらおうと思っていますし、潰れたら潰れたで私の評価が高まるのでどっちでもいいと思っている。足を引っ張りつつ協力していく微妙な立場で、これからも応援していきたい」とお祝いの言葉を述べた。