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ロールス・ロイス、16万ステッチ以上の刺繍が内装に施された「ファントム・ダンテル」
2025年7月7日 17:12
- 2025年7月3日(現地時間) 発表
ロールス・ロイスは7月3日(現地時間)、中東のユーザーが実父への贈り物としてオーダーメイドした世界に1台だけの「ファントム・ダンテル」を公開した。
ファントム・ダンテルのエクステリアは、ボディ下部はクリスタルとアークティックホワイト、ボディ上部はクリスタルとパレ・ネマスカー・ドーンという依頼主専用の特注ツートーンカラーを採用。また、サンライズカラーで描かれたダブルコーチラインには、ベリーの実をつけた葉の茂った枝をハンドメイドで描いたモチーフがあしらわれ、インテリアに込められたアートワークとも呼応させている。
さらに、全面をポリッシュ仕上げした22インチのディスクホイールを装着し、センター部分はボディ同色で、センターのピンストライプにはボディにも使用されているアークティックホワイトを採用。またポリッシュ仕上げのパンテオン・グリル(フロントグリル)には、ローズゴールドのスピリット・オブ・エクスタシーが配されているほか、刻印の入ったシリアルプレートもローズゴールドが用いられている。
インテリアは、サンライズホワイトとグレースホワイトのレザー、フロントとリアのヘッドレストに刺繍された「RR」モノグラム、ピアノホワイトで仕上げられている。ダッシュボード前面には、デザイナーがクチュールレースからインスパイアされた花の構成を作成した精巧な刺繍が施され、刺繍は複数のステッチ技法、糸の密度、ローズゴールド、サンライズ、オートミールなどの色調を織り交ぜることで、花びら、シダ、レース細工の質感を生み出している。
フィリグリーのレースのようなベースは、トリプルランステッチを使用して細かいメッシュ構造を形成。その上にサテンステッチが柔らかくシルクのような光沢を持つ花の要素を形成し、隆起したアクセントがオリジナルのパールディテールを反映し、微妙な深みで光をとらえている。
車室内いっぱいに施された刺繍は全16万ステッチ以上で、後部座席の間のウォーターフォールセクションには、ギャラリーデザインの植物のディテールを反映する繊細な刺繍で、約7万ステッチの花が描かれている。加えて、スピーカーグリルはローズゴールド仕上げで、刺繍のトーンを絶妙に引き立てているという。
ロールス・ロイス・モーター・カーズのプライベートオフィスドバイ デザイナーであるミシェル・ラスビー氏は、「私たちはいつも、自動車の依頼のインスピレーションはどこにでもあるといっていますが、20年以上経った今、私たちのクライアントはこれがどれほど真実であるかを常に証明しています。プライベートオフィスドバイを通して依頼されたこの素晴らしいファントム・ダンテルは、世界有数のオートクチュールアトリエで使用されている精巧なハンドメイドレースへのオマージュです。刺繍という媒体を使用することで、この繊細な素材を最高傑作へと昇華させました。そのユニークさ、美しさ、そして職人技は、オートクチュールの真の表現とみなすことができます」と述べている。
また、ロールス・ロイス・モーター・カーズのインテリアトリムセンターのブライエニー・ダドリー氏は、「ギャラリーと後部のウォーターフォールの刺繍のディテールは信じられないほど複雑で、真珠の柔らかな光沢をとらえるように設計されています。クルマのまわりを移動したり、運転中に太陽の光が変化したりすると、レッドカーペットの上でフラッシュバルブに照らされたクチュールドレスのきらめきのように、光をとらえます。完全に静止したものに、驚くべき動きと劇場の感覚をもたらします」とコメントを寄せている。







