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トヨタ、Unity産業DXカンファレンスで「トヨタ・レクサスの次世代HMI開発とUnity」と題した講演
2025年7月17日 10:10
Unity 産業DXカンファレンス 2025
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは7月9日、「Unity 産業DXカンファレンス 2025」をオンラインで開催した。このカンファレンスは、3Dゲームエンジンとして知られるUnityを産業分野にも利用してもらおうというもので、各産業分野での利用や開発状況についての講演が行なわれた。
産業分野ではデジタルツインという言葉で代表されるように、現実をシミュレーションできるようにリアリティのある表示が求められている。その際に利用されるのが3Dエンジンであり、広くは3D開発プラットフォームになる。
この分野は圧倒的にゲーム業界が最先端を走っており、APIとしてはDirectX、ゲームエンジンとしてはUnrealなどの名前を聞いたことがある人も多いだろう。
Unityもそうした3Dゲームエンジンの一つで、現在では3D開発プラットフォームとして成長。3D表示だけでなく、ARやXRなどの表示エンジンとしても利用されている。
トヨタ・レクサスの次世代HMI開発とUnity
このUnity 産業DXカンファレンス 2025ではトヨタ自動車も登壇。「トヨタ・レクサスの次世代HMI開発とUnity」と題した講演を、HMI(Human Machine Interface)に携わる西田昌史氏が行なった。
西田氏はトヨタ自動車の経営理念であるトヨタフィロソフィーから解説。3Dエンジンを利用するHMIとしてはメーターパネルやIVI(In-Vehicle Infotainment)などになるが、開発方針として「安心・安全」が一番であると言い、その安心・安全を担保した上でエンタテイメント性を両立していく必要があると語った。
現在、自動車ではSDV(Software Defined Vehicle)の流れが顕著になっているが、トヨタとしてはこのSDVで「ヒト・クルマ・インフラの三位一体で交通事故ゼロ」を実現したいと語り、HMIの考え方としても「安心安全を提供できるHMI」「運転に集中できるコックピット」による「事故ゼロ」だという。
西田氏はトヨタの表示系におけるプロダクトスタックについても説明。ECUの上にウーブン・バイ・トヨタが提供するAreneSDKがあり、その上にトヨタが開発するバックエンドとフロントエンドアプリがある。そのフロントエンドには、2Dアプリ、3Dアプリがあり、今回説明するのはその3DアプリにUnityを用いたものとなる。
西田氏としてはUnityの開発環境におけるファイルの取り回しを評価しており、クラウド上でファイルが管理できることから、デザイナーとエンジニアのやり取りが容易だと語った。
実際のクルマにおいてどのような3Dエンジンを使った表示アプリケーションが出てくるのかは不明だが、Unityエンジンによるアプリケーション開発の一端が語られた講演だった。






