ニュース
スズキのEV「eビターラ」に試乗しました
2025年8月14日 00:00
今年度中に日本での発売が予定されている、スズキ初のクロスオーバーBEV「eビターラ」。キュッとしたカタマリ感のあるフォルムと、欧州コンパクトカーと言われても違和感のないオシャレなデザイン、日本の道でも扱いやすいサイズがスズキらしくて、なかなかいいなと気になっていました。しかも、航続距離はバッテリ容量が61kWh/2WDのタイプで500km以上と長く、充電性能も90kWの急速充電まで対応していて、利便性がよさそう。悪路や雪道に強い4WDが設定されているところも魅力的です。
バッテリは耐久性と安全性に優れるリン酸鉄リチウムイオンで、モーターとインバーターを一体化した「eアクスル」を採用。4WDは前後に独立した2つのeアクスルを配置しています。EV専用に開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」を使い、フロア下のメンバーを廃止して多くの駆動用バッテリを搭載。電池横にエネルギー吸収材のプロテクトフレームを設定することで、高剛性と衝突時の安全性向上を実現しています。小さいクルマづくりに長けたスズキの本領発揮と言わんばかりに、さまざまな工夫が見られるところに感心しました。
そして室内は、ダイヤル式のシフトやメーターとセンターディスプレイが一体となった「インテグレーテッドディスプレイシステム」など、未来的な印象のところもあるのですが、前後に160mmのスライドが可能な後席やフラットになるラゲッジスペースなど、使い勝手にこだわるスズキらしさもあるのがいいですね。ホイールベースが2700mmと、同サイズ程度のクルマと比べても長くとってあるので、後席でもゆったりと座れます。
クローズドコースでプロトタイプに試乗すると、2WDは低速からしっかりとした接地感があり、落ち着いた操作感の上質な走りが印象的。モーターならではの爽快な加速フィールも楽しめました。4WDでは接地感がさらに高まって、コーナリングでもビターっと安定していてスポーツカーのよう。後方から蹴り出されるようなパワフルさで、スカッとした速さも感じることができました。
今回はオフロードや雪道を走ることはできなかったのですが、展示車両には純正アクセサリーのタープやルーフキャリアなどが装備されて、アドベンチャー感いっぱいの雰囲気。どこへでも行けちゃうよ、という走破性への自信を表しているかのようでした。さらに、もともとは織機会社として創業したスズキらしく、鈴木式織機で織られたというEV充電ケーブル用収納袋がカッコいい! オーナーじゃなくても欲しくなっちゃいそうです。
あとはお値段がどのくらいになるのか……というところですが、さてあなたは、いくらならeビターラを買いますか?



