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アウディ、新型「S e-tron GT」「RS e-tron GT パフォーマンス」導入 限定25台の「エクスクルーシブ エディション」も登場

2025年8月19日 発売
アウディが新型e-tron GTシリーズを発売した

 アウディ ジャパンは8月19日、BEV(バッテリ電気自動車)のフラグシップモデルe-tron GTシリーズを全面的にアップデートし、「S e-tron GT」と「RS e-tron GT performance」を発売した。価格はS e-tron GTが1728万円。RS e-tron GT performanceが2469万円。

 また、発売を記念したグローバル限定(299台)モデル「RS e-tron GT performance exclusive edition」も発売した。日本では25台限定で価格は3129万円。

 e-tron GTは、アウディとポルシェの共同開発によるスポーティでハイパフォーマンスなBEV用「J1 performanceプラットフォーム」を採用した、アウディ初の電動グランツーリスモとして2021年に発売し、今回の全面的なアップデートにより、Gran Turismoの名にふさしい快適性のさらなる向上に加え、一段とスポーティかつパワフルに進化した。

e-tronモデルとしての個性を際立たせたエクステリア

S e-tron GT

 低くフラットなボンネットとワイドなシングルフレームグリルにより、存在感あるフロントビューと、グランツーリスモにふさわしいワイド&ローのプロポーションを実現。ボディ同色グリルをブラックで囲むことでe-tronモデルとしての個性を際立たせたほか、新たなCI(コーポレートアイデンティティ)となる2次元デザインのフォーリングスや、フロントグリル上部のボディ同色ペイントストリップで、モダンかつ先進的な印象を強調させている。

 特にRS e-tron GT performanceは3次元ハニカム構造を採用し、フロントグリルを囲むようにデザインしたバンパーが低い車高を際立たせつつ、L字型の機能的なブレードと組み合わせることで、よりスポーティな表情を生み出した。

S e-tron GT

 サイドは、長いボンネットと低く流れるようなルーフラインにより、グランツーリスモとしてのエレガントさとスポーティさを融合した伸びやかで彫刻的なプロポーションを実現。大径ホイール、陰影が美しいドアパネル、そして前後のquattroブリスターフェンダーにより力強い印象を付与した。

 リアは、美しいプロポーションとエアロダイナミクスを両立させた格納式リアスポイラーと、水平基調のリアコンビネーションランプで構成し、夜間でもひと目でアウディと分かるシグネチャーデザインを採用した。また、垂直フィンを備えた特徴的なディフューザーを備え、上部にはボディカラー同色のインレイを備え、ラグジュアリーな質感を視覚的にも表現している。

S e-tron GT

 また、RS e-tron GT performanceは、モータースポーツからフィードバックした流線型ディフューザーを採用し、フロントと呼応する立体的なL字型ブレードや、エアロチャネルの間に配した垂直の赤いリフレクターなど機能性とデザイン性を兼ね備え、スポーティなキャラクターを強調させた。

 ホイールデザインもアップデートし、S e-tron GTには、20インチポリッシュ仕上げのマルチスポークSデザインアルミホイール、RS e-tron GT performanceには、20インチブラックポリッシュ仕上げの5スポークエアロモジュールアルミホイールを標準装着。さらに、RS performanceモデル用オプションとして、2つの新しい6ツインスポークホイールが追加された。

 さらにRS performanceモデル専用オプションとして、カーボン製ルーフ、スタイリングパッケージ、デコラティブパネルを含むカーボンパッケージ、またはマット仕上げとなるカーボンカモフラージュマットパッケージも用意されている。

前後に新開発のPSM(永久磁石同期モーター)を搭載

 フロントアクスルには新開発の最高出力176kW(240PS)のPSM(永久磁石同期モーター)を搭載し、RS e-tron GT performanceは、フロントアクスルのパワーエレクトロニクスが見直され、さらに高い放電電流を確保するためにアップデートされたパルスインバーターを採用している。リアアクスルにも新開発の最高出力415kW(565PS)を発生するPSMを搭載。前後ともに電気モーターには、ハードなドライビングに対応できるようにパワーリザーブ機能を備えている。S e-tron GTのシステム最高出力は500kW(680PS)、RS e-tron GT performanceは680kW(925PS)を達成し、アウディ史上もっともパワフルな市販モデルとなった。

RS e-tron GT
RS e-tron GT

 また、出力の大幅増加に合わせてコンポーネントを再設計し、冷却システムを最適化することで、リアアクスル電気モーターの約10kg削減に成功。さらに、スムーズなパワー配分を実現するためにパワートレーンのドライブシャフトを強化し、四輪駆動の制御系改善を実施した。

 RS e-tron GT performanceには、新たなブースト機能を標準装備。ローンチコントロールを使用しない通常走行時、ステアリングホイールのPush-to-Passボタンを押すことで、出力が70kW(95)加わり620kW(842PS)を10秒間維持できるという。なお、S e-tron GTの0-100km/h加速は3.4秒、最高速は245km/h。RS e-tron GT performanceの0-100km/h加速は2.5秒、最高速は250km/hを誇る。

HDマトリクスLEDヘッドライト
水平基調のリアコンビネーションランプ

 S e-tron GTのブレーキシステムには、新開発のスチールディスクとブラックキャリパーを組み合わせた大型ブレーキシステムを搭載。キャリパーは、オプションでレッドも選択でき、RS e-tron GT performanceに標準搭載されるタングステンカーバイドコーティングされたブレーキディスクもオプションで選択可能となる。さらにRS e-tron GT performanceは、10ピストンキャリパーのセラミックブレーキをオプションで選択可能なほか、キャリパーのカラーは、アンスラサイトグレーまたはレッドから選べる。

RSモードを備えたアウディドライブセレクト

 新しくなったe-tron GTシリーズは、2チャンバー&2バルブテクノロジーを採用した新開発のエアサスペンションを標準装備し、快適性を損なうことなくドライビングダイナミクスを飛躍的に向上。さらに、快適性重視とスポーティな走りを、これまで以上に幅広く設定できる革新的なアクティブサスペンションもオプションとして用意している。

 アウディ・ドライブセレクト・ダイナミック・ハンドリングシステムには、「エフィシェンシー」「コンフォート」「ダイナミック」の3モードがあり、さらにRS e-tron GT performanceには、個別に設定可能なRS専用モード(RS1とRS2)が用意され、サーキット走行に最適なセットアップを実現するRSパフォーマンスモードも選択できる。

RS e-tron GT

 オプションのアクティブサスペンションは、ハードなブレーキング時、コーナリング時、加速時にも各ホイールの荷重をバランスよく分散し、優れたグリップ性能を確保することで車体をほぼ水平に保ち、ステアリングレスポンスの精度を高め、スポーティな走行でのコントロール性を向上した。

 また、アウディドライブセレクトで選択したモードにより、サスペンションがピッチングとローリングを補正して加速感を軽減するほか、車両停止時に車高を55~77mmの範囲で上昇させて乗り降りをサポートする「エントリー機能」も備える。

 スピンドルドライブを使用してリアホイールを最大2.8度操舵するオプションの「オールホイールステアリング」は、従来モデルに比べ、よりダイレクトなステアリングレシオを採用し、低速時のステアリング操作に必要な力を軽減。約50km/hまでは前輪と反対方向に操舵することにより、俊敏性と操縦性を向上。また、50~80km/hの間では、運転状況に応じて、後輪の操舵方向を前輪と同じ、または反対方向に調整。約80km/h以上では前輪と同じ方向に操舵することで、安定性を向上させる。また、最小回転半径も約0.3m短縮させる。

上質で環境にやさしいインテリア

 インテリアもエクステリア同様に新しいCIが反映され、シート、ステアリングホイール、サイドシルプレート、デジタルコンテンツのデザインを刷新。

ステアリングホイールは上下がフラット仕上げとなり、12時の位置に配されたレッドのセンターマーキングは、RS e-tron GT performanceのみの仕様。14段階調整機能付きのスポーツシートプラスが標準装備され、レザーフリーデザインパッケージを組み合わせると、ステアリングホイールにコントラストカラーのDinamica(ダイナミカ)ダイナミックオレンジのステッチが施される。

S e-tron GTのインテリア
S e-tron GTのインテリア

 インテリアの素材には、環境にやさしいマイクロファイバー素材のDinamica(ダイナミカ)とファブリックのCascade(カスケード)を採用。スエードに似た見た目と手触りのDinamicaは、ほぼ半分がリサイクルされたポリエステルで、その一部はアウディモデルで使用したファブリックの残布でもあり、シート、ステアリングホイール、バーチャルコックピット上部のフード、ドアミラー、センターコンソール、ウィンドウトリムに使用している。

 RS e-tron GT performanceには、ディープブラックのDinamica、バナジウムルックのデコラティブエレメンツを採用。天然繊維のようなファブリックのCascadeは、15%のセルビッチと35%のリサイクルされたポリエステルで作られていて、環境保護の観点から染色せずにシートやドアトリムに採用している。また、カーペットおよびフロアマットは、Econyl(エコニール)製で、生産廃棄物、ファブリックやカーペットの残布、古い漁網などから100%リサイクルされたナイロン繊維素材となっている。

RS e-tron GTのインテリア
RS e-tron GTのインテリア

 e-tron GTシリーズは10.1インチのタッチスクリーンを備え、MMI(Multi Media Interface)ナビゲーションシステムによるさまざまな機能をシンプルな操作で扱えるほか、メーターパネルには高解像度の12.3インチの液晶パネルを配し、アウディバーチャルコックピットプラスを搭載。新たにバッテリ温度、急速充電予測、プレコンディショニング状態など、HV(高電圧)バッテリに関する情報と充電可能な最大出力をリアルタイムで表示。RS e-tron GT performanceには、RS専用コンテンツを表示するディスプレイが装備され、MMI経由でホワイトのパワーディスプレイとスピードメーターを選択できる。

アウディバーチャルコックピットプラスにより12.3インチの液晶パネルにはいろいろな情報が表示される
MMIナビゲーションシステムを備えた10.1インチのタッチスクリーン

 パノラマガラスルーフは標準装備で、直射日光を最小限に抑え、ボタンを押すことで透明から不透明に変化する「ポリマー分散液晶(PDLC)」と呼ばれる高度なテクノロジーを採用したスマートガラスを搭載。マット仕上げのグラフィック面は、アウディを象徴するスポーティなハニカム構造をイメージしている。

グローバル限定モデル「RS e-tron GT performance exclusive edition」

グローバル限定モデル「RS e-tron GT performance exclusive edition」

 限定モデルの特徴は、人気のデイトナグレーパールエフェクトからインスピレーションを受けたというAudi exclusiveスペシャルボディカラーの「アラビカグレーメタリック」を採用した点。このカラーは、ブラウン、ゴールド、グレーのユニークな組み合わせで、日に当たると独特の深みと洗練さを兼ね備えた輝きを放つほか、新しいカーボン・カモフラージュ・マットパッケージにより、力強い走りのイメージを一層際立たせている。

 また、Audi Exclusiveのプログレッシブホイールデザインをベースにした、6ツインスポークRSデザインアルミホイールは、ボディカラーのアラビカグレーメタリックを補完し、スポーティながらもエレガンスさをまとう外観を実現。タイヤサイズはフロント265/35R21、リア305/30R21と前後で異なり、限定グランツーリスモにふさわしい圧倒的な接地感を確保したほか、優れた制動力と耐熱性を備えたセラミックブレーキとアンスラサイトグレーのカラードブレーキキャリパーを採用している。

Audi Exclusiveのプログレッシブホイールデザインをベースにした、6ツインスポークRSデザインアルミホイール

 インテリアは、シートのセンターパネル、ショルダーアーチ、サイドボルスターにはフレッシュなミントグレーを使い、ステアリングホイールのセンターマークやシートベルトに配されたモダンなモラバイオレットとのコントラストにより、スタイリッシュな雰囲気を演出。

グローバル限定モデル「RS e-tron GT performance exclusive edition」のインテリア

 特別装備のAudi exclusive editionのレザーフリーパッケージを採用したスポーツシートには、DinamicaとCascade、アーティフィシャルレザーというサステナブルで高品質な素材を組み合わせつつ、ウォーターフォールステッチが施されている。また、ベンチレーションとマッサージ機能を備え、最上級の快適さを両立させている。Audi exclusiveによるデコラティブパネルには、ユーカリアンスラサイトを採用して、上質で落ち着いたキャビンに仕上げている。

 さらにオールホイールステアリングおよびスポーツステアリングを標準装備し、取りまわしのよさと高速域での安定性を高次元で両立。また、乗り心地と走行性能を状況に応じて最適に制御するアクティブサスペンションをはじめ、アコースティックガラス、プライバシーガラス、e-tronスポーツサウンド、リアシートヒーターを含むテクノロジーパッケージ、先進のスマートパノラマガラスルーフも搭載する。

サステナブルで高品質な素材を組み合わせたスポーツシート
フレッシュなミントグレーを採用