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トヨタ、2026年の箱根駅伝を電動車でサポート HEVに植物由来の低炭素ガソリンを使用

2025年12月22日 発表
箱根駅伝に提供する主な車両

 トヨタ自動車は12月22日、「第102回 東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」(2026年1月2日~3日開催)に40台の車両を提供すると発表した。今回提供される車両はBEV(バッテリ電気自動車)やFCEV(燃料電池車)、HEV(ハイブリッド車)など、すべてが電動車となる。

 また、HEVで利用する燃料も植物由来の低炭素ガソリンに替え、車両からの排出ガスや二酸化炭素を限りなく減らし、選手と地球にやさしい大会を目指していく。

 箱根駅伝は1920年に始まった100年以上の伝統がある大会で、トヨタは次世代を担う若者の育成に貢献しようと、2003年から一部の運営車両の提供を始め、2011年からは協賛社として大会をサポートしてきた。その中で、排出ガスや二酸化炭素を減らし、もっと選手と地球にやさしい大会にできないかと考え続けてきたという。

 トヨタは、国や地域によって異なるエネルギー事情や、顧客のさまざまなニーズに応えられる電動車の選択肢を用意する「マルチパスウェイ」の取り組みを進めており、BEVやFCEV、HEVといった多様な車両が箱根駅伝に貢献できるのではないかという結論に至ったとのこと。

 今回、先頭を走る選手らを映す「共同カメラ車」の小型トラックと、「大会本部車」の「センチュリー」をFCEVとし、今大会向けのオリジナル車両として提供する。FCEVはエンジンの代わりに燃料電池を搭載し、水素と酸素の化学反応で発電した電力でモーターを駆動することで高い静粛性を実現するとともに、水だけを排出する車両となる。

FCEV「センチュリー」(大会本部車)
FCEV「小型トラック」(共同カメラ車)

 また、大会を支える人や物を運ぶ車両も電動化し、あらゆる事態に対応する「緊急対応車」にはBEVの「e-Palette」を、関係者を運ぶ車両はFCEV仕様の「コースター」を活用。各チームの「大学運営管理車」はHEVの「ノア」「ヴォクシー」とし、バイオ燃料を10%配合した低炭素ガソリン「E10」を使用する。

 このバイオ燃料は、福島で栽培した非可食植物「ソルガム」を原料とし、カーボンニュートラル実現に向けて効率的に自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究を行なっている「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」で製造したエタノールを、ENEOSがE10に調製して提供するものとなる。

HEV「ノア、ヴォクシー」(大学運営管理車)。バイオ燃料を10%配合した低炭素ガソリン「E10」を使用
BEV「e-Palette」(医務車、緊急対応車)

 これらの取り組みにより、車両から排出される排出ガスや二酸化炭素を減らし、今後もこうした取り組みを通じて箱根駅伝が選手と地球にやさしい持続可能な大会になることに貢献していくとした。

提供予定車両一覧

大会本部車(1台):センチュリー(FCEV)★今大会向けオリジナル車両
大会本部車(復路のみ1台):クラウンセダン(FCEV)
大会会長車(1台):クラウンセダン(FCEV)
共同カメラ車(1台):小型トラック(FCEV)★今大会向けオリジナル車両
競技者バス、共同取材バス(4台):コースター(FCEV)★今大会向けオリジナル車両
荷物車(1台):グランエース(FCEV)★今大会向けオリジナル車両
広報車、報道車(4台):クラウンセダン(FCEV)
医務車(1台):e-Palette(BEV)
緊急対応車(3台):e-Palette(BEV)
技術総務車(1台):RZ(BEV)
大学運営管理車(22台):ノア/ヴォクシー(HEV)+E10(ENEOS提供)

FCEV「クラウンセダン」(大会会長車など)
BEV「RZ」(技術総務車)