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ダイハツ、軽商用バッテリEV「e-ハイゼット カーゴ」「e-アトレー」で「カーボンニュートラルに貢献」と井上雅宏社長

発表会開催

2026年2月2日 開催
ダイハツ工業初の量産バッテリ電気自動車「e-ハイゼット カーゴ」「e-アトレー」が発売された

 ダイハツ工業は2月2日、同社初の量産バッテリ電気自動車(BEV)「e-ハイゼット カーゴ」「e-アトレー」を発売した。価格はe-ハイゼット カーゴが314万6000円(2シーター/4シーター)、e-アトレーが346万5000円。

 e-ハイゼット カーゴとe-アトレーは、スズキとダイハツが培った小さなクルマ作りのノウハウと、トヨタ自動車の持つ電動化技術を組み合わせ、3社で共同開発したBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」を採用。モーター、インバーター、減速機を一体化した「eAxle」を後輪駆動軸上に搭載するとともに、大容量36.6kWhの薄型リチウムイオンバッテリを床下に配置し、WLTCモード一充電走行距離257kmを達成した。

 BEVシステムのパッケージングにこだわり、e-ハイゼット カーゴ 4シーターは軽キャブオーバーバンNo.1の積載スペースと、最大積載量350kgを確保し、積載性と使い勝手のよさを継承。使い勝手のよい30個の室内ユースフルナットを採用するほか、室内床面の凹凸をなくして荷物が傷つきにくく出し入れのしやすいフラットな空間を実現した。また、アッパートレイ、室内の頭上スペースを活用したオーバーヘッドシェルフなど、運転席から手が届く範囲を中心に豊富な収納スペースを確保し、荷物の取り出しやすさや働きやすさを実現した。

 なお、e-ハイゼット カーゴとe-アトレーは、少数多品種の特装車を生産する技術とノウハウを持つダイハツ九州 大分(中津)第1工場で、BEV専用設備を導入することなく、既存ラインを使って他のガソリンモデルとの混流生産が行なわれる。トヨタとスズキへのOEM車両も同工場で生産されるとのこと。

e-ハイゼット カーゴ

 同日に開催された発表会では、ダイハツ工業 取締役社長 井上雅宏氏が登壇し、「私も先日、この電気自動車を実際に運転し、荷物を積んでみたり、リアシートを畳んでみたり、充電をしてみたりいたしました。約70年にわたり、働く人々にとって頼りになる相棒、使い勝手のよさ、そのレガシーはそのままに、電気自動車の魅力をプラスした車に仕上がったと実感することができました」とe-ハイゼット カーゴ、e-アトレーに対する感想を述べた。

ダイハツ工業株式会社 取締役社長 井上雅宏氏

 さらに、災害時に支援車両として移動電源になり、地域のいざというときの安全・安心に貢献できると紹介。「災害時の電源は命を守るために不可欠なものであると考えております。2025年に、大阪府と災害時停電の際に電源を供給する協定を結ばせていただきました。例えば人工呼吸器など、高度医療機器の充電のために、ダイハツ工業の関連施設や大阪ダイハツ販売の各店舗で電源を供給する協定となっており、万が一電気が途絶えた場所にも移動して電気を供給することが可能となります。この取り組みはまず大阪府でスタートいたしましたが、今後はダイハツが持つ全国津々浦々の販売サービスネットワークとつなげることで、災害時の電源供給者としての可能性を追求していきたいと考えております」と今後の展望を述べつつ、トヨタ自動車九州小倉工場で行なっている独自のマイクログリッドシステムを活用した再生可能エネルギーを地産地消するための実証実験や、茨城県で行なっている蓄電池や電力変換器を移動可能なコンテナにコンパクトに搭載し、被災地で再生可能エネルギーを用いて電力を供給する実証実験など、各地で行なっている実証実験を紹介した。

 井上氏は「日本の商用車のうち約6割は軽商用車になります。この領域で電気自動車の普及が広まれば、カーボンニュートラルに向けて大きな貢献ができるのではないかと考えております。ダイハツはマルチパスウェイの考え方のもと、e-SMART ELECTRICや、2025年のジャパンモビリティショーに出展した軽専用のe-SMART HYBRIDを軸に、お客さまの声、使い勝手に真っ向から向き合い、良品廉価で皆さまがお使いになる商品、そしてダイハツらしい“おもろい商品”を提案してまいりたいと思っております。どうか今後のダイハツにご期待ください」と期待を語った。

 また、ダイハツ工業 製品企画部 主査/プロジェクト責任者 齋藤寛氏が開発背景と商品概要を紹介し、「バッテリEVの普及を後押しする国や地方自治体の補助金の活用、そしてランニングコストの低さと相まって、多くのお客さまにご満足いただけると確信しております」と自信を述べた。

ダイハツ工業株式会社 製品企画部 主査/プロジェクト責任者 齋藤寛氏
ダイハツは1957年の「ミゼット」発売から現行の11代目「ハイゼット」まで、「たくさん積めて壊れない、お求めやすく頼れる相棒」として、働き手の多様化や新しい働き方への対応といった、時代のニーズに応えるとともに、電気自動車の開発にもいち早く挑戦してきた
電動化しても軽キャブオーバーバンNo.1の積載スペースを確保
商品概要
e-SMART ELECTRICの概要
外部給電機能は全車標準装備
ベース車同等以上の利便性と積載性を実現している
e-アトレーの概要

 販売に関する取り組みを紹介したダイハツ工業 営業CS本部長 福田昭夫氏は、ジャパンモビリティショー 2025に参考出品した際、多くの人から「長くハイゼットを使用してきたのでe-ハイゼットの発売を本当に心待ちにしていた」という声や、「ハイゼットが一番積みやすい。うまく積むために自分で棚を作っているので、荷室の寸法や積載量は変えないでほしい」といった期待の声や要望があったと話し、「バッテリEV化しても、お仕事で使われる方が最も重要視される積載性は全く変わっておりませんので、現在ガソリン車にお乗りのお客さまもスムーズにお乗り換えいただけると確信しております。ていねいな営業活動を行ない、1台導入いただくことで、ガソリン車にはなかったさまざまな価値をご体感いただきたいと考えております」と、ユーザーの声を取り入れた開発によって、これまでのハイゼットとアトレーが備えていた高い商品力をそのまま電動化したと話した。

ダイハツ工業株式会社 営業CS本部長 福田昭夫氏

 なお、全国の販売会社に充電器を設置するとともに、試乗車を配備。商品だけでなく電気や充電環境に関する知識を学び、通称「電動師」と呼ぶBEVに関するプロスタッフも育成中とのこと。「さまざまな不安に対してていねいに案内いたしますので、どうぞ安心してダイハツのお店へ足を運んでください」と呼びかけた。

BEVに関するプロスタッフがひと目で分かる“電動師”バッヂも鋭意制作中とのこと
e-ハイゼット カーゴと、ダイハツ工業株式会社 製品企画部 主査/プロジェクト責任者 齋藤寛氏(左)、ダイハツ工業株式会社 取締役社長 井上雅宏氏(右)