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ソフトバンクとエリクソン、F1日本GP2026開催中の鈴鹿サーキットで高度な通信サービスの実証実験

2026年3月25日 発表
ネットワークスライシングと、トラフィックのリアルタイム把握・制御のイメージ

5G SAやミリ波を活用

 ソフトバンクは3月25日、エリクソン・ジャパンと共同で、3月27~29日に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催される「2026 FIA F1世界選手権シリーズ Aramco 日本グランプリレース」(F1日本GP)にイベントサポーターとして参画し、会場内の商用ネットワーク上で、スタンドアローン(Stand Alone)方式の5G(第5世代移動通信システム)の商用ネットワーク「5G SA」および、ミリ波を活用した高度な通信サービスの実現に向けた実証実験を実施すると発表した。

 F1日本GPは、3日間で25万人超の観客動員数を誇る世界的な大規模イベント。会場内では、来場者による動画視聴やSNSの利用、キャッシュレス決済などにより、高い通信負荷が発生する。このような混雑した環境では、すべての通信を一律に処理する従来型のネットワーク制御ではなく、用途に応じて通信品質を適正化するネットワーク制御が求められることから、ソフトバンクは5G SAのネットワークスライシングやミリ波の大容量などの特性を生かして、用途ごとに適正化した通信サービスの実現を目指すとしている。

 今回の実証では、大規模イベント会場で利用者のニーズに合わせた通信品質の提供を通じて、来場者の通信体験の向上や新たな商用サービスの実現や、イベント運営の高度化への貢献に向けた検証を実施。エリクソンの基地局装置と制御機能を基盤に、5Gの特徴である大容量通信や、1つのネットワークを仮想的に分割(スライス)する技術であるネットワークスライシングを活用して、用途に応じた通信品質の適正化と新たなユースケースの創出を目指す。

 具体的には、ネットワークスライシングを活用して、用途に応じて通信品質を適正化する5つの施策を行ない、有効性を検証する。なお、高品質な通信サービスを提供するために設定した専用のスライスでは、そのトラフィックの状況をリアルタイムに把握しながら通信品質を動的に制御することで、モバイルネットワーク全体の最適化を図り、すべての利用者にとって良好な通信環境を実現することを目指す。

1:5G SAユーザー向けの高品質な通信サービスの提供

 鈴鹿サーキット内のすべてのエリアで、“ソフトバンク”の5G SAによるデータ通信サービスの利用者を対象に、混雑時でも快適に利用できるよう、ほかの5Gに比べて多くの電波帯域を割り当てることで、より高品質な通信サービスを提供する。

2:1をより高度化した通信サービスの検証

 鈴鹿サーキット内のすべてのエリアで特定の端末を対象に、1と比較してさらに多くの電波帯域を割り当て、より快適な通信を実現する制御を実施。また、場内の一部のエリアでは、大容量・低遅延が求められるXR(Extended Reality)コンテンツの視聴に合わせて、通信の遅延を抑えるための制御を行なう。これにより、混雑した環境でも、大容量・低遅延の通信サービスを確保する仕組みを検証する。

 なお、2に関する検証は一部の関係者向けに特定の端末を用いて行なうため、一般の来場者は利用できない。

3:物販エリアでのキャッシュレス決済サポート

 鈴鹿サーキットの物販エリアで、出店者が利用する決済端末向けに「プライベート5G」を提供。高品質で安全な通信環境を構築することで、商品のスムーズな決済処理を支援する。

4:ミリ波を利用した公衆Wi-Fiサービスの提供

 鈴鹿サーキットの駐車場と一部の物販エリアで、“ソフトバンク”および“ワイモバイル”のすべての利用者向けに、大容量・超高速通信を特徴とする28GHz帯のミリ波(29.1~29.5GHz帯)をFWA(Fixed Wireless Access:固定無線アクセス)のバックホール回線として利用した公衆Wi-Fiサービスを提供する。これにより、ミリ波非対応の端末を含む多数の端末の通信トラフィックを、モバイルネットワークから公衆Wi-Fiサービスへ効率的にオフロードし、高速で安定した通信を実現する。

 これには小型・軽量な機材を使用するため、光ファイバーなどのケーブルを敷設することなく短期間での設置が可能なほか、ミリ波が届くエリアであれば設置場所を柔軟に選択できることから、今後も大規模な屋外イベントをはじめ、さまざまなシーンでの活用を見込んでいる。

5:ミリ波などを利用した無線カメラ向け映像伝送環境の提供

 F1日本グランプリの放映を担うフジテレビジョンに対し、ミリ波および「プライベート5G」を利用した無線カメラ向けの大容量・高品質な映像伝送環境を提供。これにより、配線などの制約にとらわれずに無線カメラを柔軟に配置でき、スムーズな運用や迫力のある撮影・演出などが可能になる。