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デンソー、2030年に売上高8兆円以上を目指す中期経営計画「CORE 2030」策定

2026年3月31日 発表
株式会社デンソー 代表取締役社長 CEO 林新之助氏

 デンソーは3月31日、2030年に向けて売上高8兆円以上、営業利益率10%以上、ROE11%以上という目標を掲げる中期経営計画「CORE 2030」を策定して公表した。

 売上高8兆円以上を目指す事業成長シナリオとしては、既存のモビリティ領域の中から、電動化と知能化の売上高を成長させ、現状の2.8兆円から約1.5倍となる約4兆円の売上を目指す。また、新領域の成長事業と位置付けるFA・農業事業については戦略的パートナーとの連携を加速させ、2030年には農業領域で1000億円、FA領域では3000億円規模の売上を目指すという。

2030年に目指す姿

 今後、2030年までの5年間で計6.6兆円の事業投入が実施され、研究開発費として3.7兆円、設備投資に2.2兆円、価値創造基盤としてIT、知財、人材に0.7兆円の投資を計画している。

 同日開催された説明会で、デンソー 代表取締役社長 CEO 林新之助氏は「2030年に向けた5年間で、モビリティ領域を着実に成長させるとともに、拡大貢献領域を全社収益を支える事業として育てていきます。モビリティ領域では、電動化、知能化領域のシステム価値創造を通じて売上規模を現行の約1.5倍となる4兆円に成長させます。また、市場ニーズを的確に捉えてポートフォリオを機動的に変革していきます」と、新たな中期経営計画について説明。

 そして、モビリティ領域では電動化と知能化で事業を拡大していく一方で、FAや農業などモビリティ以外の領域については、2040年度に全社売上の3割に成長させるといい、林社長は「モビリティで培った技術、ものづくり力を活かしながらパートナー連携を促進して、第2の貢献軸として確立させます。2030年の成長目標実現とその先の持続的な成長を見据えて、価値創造基盤をより強固なものにする効果的な投入を実行していきます。成長と投入の両立を通じて、2040年度にはFA、農業など、モビリティ以外の領域を全社売上の3割に成長させ、持続的な成長を確実なものにするポートフォリオを構築、さらに多様な社会課題解決に貢献していきます」との意気込みが語られた。

社会課題を踏まえて、モビリティから広がる未来社会を人の可能性で実現する企業を目指す

 また、これまでの取り組みとして、2025年に向けた中期経営計画で掲げた目標の売上高7.0兆円、営業利益率10%、ROEは10%超に対しては、2025年度(2024年4月〜2025年3月)の売上高は7.4兆円、営業利益率7.2%、ROE8.1%となる見通し(3Q時点の見込み)。

 林社長は、2020年度の売上高4.9兆円、営業利益率3.1%、ROE3.4%と比較して、車両市場を上まわる売上成長を実現したことを強調。営業利益率が7.2%となったことに対しては、将来成長を加速させるリソーセス投入を実行したこと、課題としては品質費用発生の抑止や部材費等の急騰への対応があったことを報告した。

 林社長は「モビリティ領域においては、環境負荷の低減とともに、マルチパスウェイへの対応が重要な課題です。私たちはこれまで培ってきた省燃費・排ガス低減技術、そして電動化技術を基盤に、HEV、PHEV、BEV、そしてさらにはFCEVに至るまで幅広い製品を提供し、航続距離の延伸や走行性能の向上に貢献してまいりました。また、SDV(Software Defined Vehicle)時代において、高度運転支援や自動運転などクルマの知能化が加速する中、交通事故の低減に貢献すべく高信頼なADAS製品を提供することで、お客さまの価値向上に貢献してまいりました。さらに、FAや農業などの新領域においても、モビリティ領域で築いてきた技術を活用し、人手不足解消や生産性向上に貢献してまいりました。こうしたお客さまへの確実な価値提供を続けた結果として、当社の目標を上回る事業実績を実現するとともに、将来の成長につながる確かな布石を打つことができました」と振り返った。

 そして、新たに策定した中期経営計画では、これまでの振り返りにおける現状認識から、モビリティの多様化に応える「商品づくりの強化」、現場に宿る実践知とAIを融合した「モノづくりの革新」、新たな価値創出を牽引する「人づくり・パートナー共創」といった3つの成長戦略に取り組んでいく考えが示された。

中期経営計画「CORE 2030」の説明資料