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三菱自動車、2025年度通期決算は売上高3.9%増の2兆8965億万円ながら、営業利益45.6%減の755億円、当期純利益75.6%減の100億円で増収減益
2026年5月9日 08:00
- 2026年5月8日 開催
三菱自動車工業は5月8日、2025年度通期(2025年4月1日~2026年3月31日)の決算を発表した。
2025年度通期の売上高は前年同期(2兆7882億3200万円)から3.9%増となる2兆8965億3600万円、営業利益は前年同期(1388億2600万円)から45.6%減の755億1700万円、営業利益率は2.6%、経常利益は前年同期(986億200万円)から20.0%減の789億800万円、当期純利益は前年同期(409億8700万円)から75.6%減の100億1500万円。また、グローバル販売台数は前年同期(84万2000台)から4万5000台減の79万7000台となった。
売上高3.9%増ながら、営業利益45.6%減、当期純利益75.6%減で増収減益
オンライン開催された決算説明会では、最初に2025年度通期の決算内容について三菱自動車工業 代表執行役副社長 CFO 松岡健太郎氏が説明。
2025年度は不確実性が高まり、事業環境の変化がこれまで以上に激しさを増した1年になったとふり返り、そのような状況下でも三菱自動車では各種施策を着実に遂行し、結果として修正後の計画どおりとなる利益水準を確保することができたと述べ、販売面では新型「デスティネーター」を含む新型車の投入効果が各国で見えはじめており、この成果が業績に反映されつつあるとアピールした。
グローバル販売台数の実績では、新型車の投入効果で日本、中南米・中東・アフリカほかで倍数伸長が見られたものの、3月から始まったイランでの情勢悪化で販売にストップがかかり、最終的に対前年度比5%減という結果になった。
北米市場では関税の影響に加えて一部モデルの販売終了が影響して11%減、豪州・ニュージーランド市場では豪州における複数モデルの販売終了の影響、中国メーカーの販売攻勢の高まりなどの影響で17%減少、日本市場では新型車の堅調な販売で3%増となり、こによって販売台数、市場シェアともに5年連続で増加となっている。
モデル別の販売傾向についても解説され、デスティネーターや新型「エクスフォース」といったニューモデルの販売が着実に伸長しており、採算性が低くなっている「ミラージュ」シリーズは販売比率が低下して、高採算モデルであるデスティネーター、エクスフォースの台数が増えたことで「車種・構成」が改善して台あたり収益が高まり、会社としての収益性が向上しているという。
2026年度は売上高13%増の3兆2600億円、当期純利益150%増の250億円を目指す
2026年度の通期業績見通しは、4月1日から社長に就任した三菱自動車工業 代表執行役社長 兼 COO 岸浦恵介氏から紹介された。
2026年度は情勢の先行き不透明感に加え、材料や調達面のリスク、原材料・物流コストの上昇、インフレの長期化による需要への影響など、事業環境は引き続き厳しい状況が続くと想定されているが、三菱自動車では2025年度下期に連続投入した新型車の通年寄与のほか、仕向地の拡大、さらなる新型車投入などの施策を着実に進めていくと説明。また、機動的なコスト削減、収益構造の改善にも継続して取り組むことにより、グローバル販売台数は前年同期比6万台増の85万7000台、売上高は13%増の3兆2600億円、営業利益は19%増の900億円、経常利益は1%増の800億円、当期純利益は150%増の250億円を目指す計画としている。
続いて岸浦社長は、2026年度計画を実現するための具体的な取り組みについて説明。2025年度後半に市場投入した新型車を契機として2026年度は車種構成の改善をさらに進め、アセアン戦略車と位置付けられている各モデルの販売比率をさらに高め、仕向地の拡大も行なっていく。また、既存モデルについても商品力強化によって車種ミックスの本格的な転換を進め、台あたり収益の水準を高めることで、台数の拡大に過度に依存することなくしっかりと収益を生み出せる事業構造の構築を目指していくという。
また、重点地域での施策としては、アセアン・オセアニア地域では中国メーカーの台頭と価格攻勢といった厳しい競争環境が続いているが、アセアンでは2025年度に投入した新型車の通年効果に加え、タイ以外でのHEV(ハイブリッドカー)の市場展開、さらなる新型モデル投入などによって市場でのプレゼンス強化を図っていく。オセアニアでは新型モデルの投入によるラインアップの強化でブランドバリューの向上に取り組む。
中南米・中東・アフリカほかの地域では、「L200/トライトン」を基軸とした販売拡大に加え、デスティネーターの販売を本格化。中東とアフリカではSUVをコアとしたブランドの確立を推し進めていく。
日本市場では好調な「デリカ」シリーズの販売モメンタムを維持・向上させていくほか、今後の新型車投入を確実に成功させるため、入念な準備を進めていくという。北米市場ではユーザーニーズに的確に応じるための類別拡充によってディーラーによる小売り販売の強化を図っていく。
説明の最後に岸浦社長は、「2025年は年初の関税措置を含め、外部環境が極めて不安定、かつ急速に変化する1年で、その都度、状況の変化に対応を迫られる難しい年だったと認識しています。2026年に入り、地政学的リスクの拡大、足下の中東情勢の急変など、世界経済に大きく影響を与えうる事象が立て続けに発生しており、先行きの見通しは依然として不透明な状況が続いております」。
「こうした不透明な環境ではありますが、当社においてはアセアンでの新型車効果による下期以降の販売回復や日本における販売台数、シェアの伸長など、着実な成果も見られています。これらを基盤として、上昇基調にある地域において新型車効果を最大限に発揮させることで、2026年度は台数、売上高の拡大を図ってまいります。なお、中東情勢を含む地政学的リスクの同行については、引き続き注視して事業環境の変化に対して柔軟、かつ機動的に対応してまいります」とコメントして締めくくった。
「ホルムズ海峡を通過せずクルマを運ぶ代替手段にチャレンジしている」
質疑応答では中東情勢を受けた生産や輸出に対する影響について問われ、岸浦社長は「影響としては2026年度として300億円の減益要因になると見込んでおります。現状では今年の3月までに中東向けとなる車両出荷では、船会社さんのご協力もあってほぼ計画どおり出荷できています。従って、2025年度の決算内容では損益などの影響は限定的でありました。販売では中東地域における3月の販売台数が前年度と比べて4割ほど落ちてしまい、ここの影響はかなり大きいと見ています。4月に入ってからは少し状況が改善して、4月単月では対前年比で2割ほどの減少に止まって、落ち幅は減少傾向です。引き続き、予断を持たず慎重に対応していきたいと考えています」。
「ホルムズ海峡が通過できない状況となっていて、3月中に出荷したクルマがシンガポールやスリランカといった中継地で滞留させている状態です。これがざくっと1万9000台ほど留め置いております。一方、中東の現地には紛争が始まる前に運んでいた車両が在庫として2万5000台ほどあり、販売で言うと4か月分ぐらいの在庫を置いてありますので、現状で新しいクルマを送り込めなくても、当面のあいだ現地の販売は困らない状態です」。
「今、先行きが見通せない状況となっているなかで、ホルムズ海峡を通過せず、紅海側も通らずにクルマを運ぶための代替手段にチャレンジしているところです。まだトライアルの段階なので規模も700台程度ですが、スリランカなどに滞留しているクルマを順次陸揚げしていきたいと考え、対応しているところです」と回答している。















