ニュース
三菱自動車、2025年度第3四半期決算は減収減益も「新型車効果で業績の底から脱しつつある」と加藤社長
売上高0.6%減の1兆9765億円、営業利益69.8%減の316億円
2026年2月5日 21:19
- 2026年2月5日 開催
三菱自動車工業は2月5日、2025年度第3四半期(2025年4月1日~12月31日)の決算内容を発表した。
2025年度第3四半期の売上高は前年同期(1兆9892億9100万円)から0.6%減となる1兆9765億3300万円、営業利益は前年同期(1045億9100万円)から69.8%減の316億2700万円、営業利益率は1.6%、経常利益は前年同期(785億4000万円)から58.5%減の325億8800万円、当期純利益は前年同期(332億3000万円)から赤字化して-44億8900万円。また、グローバル販売台数は前年同期(62万4000台)から3万5000台減の58万9000台となっている。
売上高0.6%減の1兆9765億円、営業利益69.8%減の316億円で減収減益
オンライン開催された説明会では、最初に三菱自動車工業 代表執行役副社長(CFO)松岡健太郎氏が決算内容について解説。
第3四半期では大きな逆風となった米国の関税政策については落ち着きつつあるとしつつ、中国メーカーによる積極的な輸出姿勢の継続と価格競争の激化、米中対立やグリーン製品を巡る政策摩擦、世界的な景気減速に対する懸念など、地政学とマクロの経済両面で不確実性が依然として高い水準にあり、事業環境は不透明な状況が続いているとの分析を紹介。
こういった厳しい外部環境で取り組んだ第3四半期までの業績は前年同期比で減収減益となったが、新型車の投入をはじめとする取り組みが奏功し、足下では収益が底を打って徐々に回復傾向が見られるようになっているとしている。
また、第2四半期に米国の環境規制変更に伴う環境クレジット評価損失、中国での合弁エンジン工場撤退に伴う関連損失などを計上して上半期は92億円の純損失となっていたが、第3四半期では純損失を累計45億円に改善している。
市場別の販売動向についても解説。アセアン地域ではタイで実施されていた「EV3.0」政策の終了前に発生した過度な値引き競争の影響を受けて台数・シェアともに下落。フィリピンでもスモールカー向けの与信引き締めで販売台数が若干下落となり、第3四半期累計では依然として厳しい状況が続いているものの、第3四半期単独ではインドネシアやベトナムで新型車効果が顕在化。アセアン全体でも前年同期比でプラスに転じ、足下での回復基調が見られているとした。
オセアニアでは豪州の自動車需要が前年同期比で微増に留まった一方、ニュージーランドは金利低下やインフレ鈍化などを背景として回復傾向となった。これを受け、ニュージーランドでは販売策が奏功したこともあり、前年同期を上まわる販売を確保しましたが、豪州では販売終了モデルの影響をほかのモデルでカバーしきれず減少となり、地域全体では台数減となっている。
中南米・中東アフリカ市場では、中南米の一部市場で価格競争の加熱などによる市況悪化が続いているものの、新型「L200 トライトン」や新型「アウトランダー スポーツ」が堅調な販売をキープして、三菱自動車の販売は前年同期比で14%増と好調に推移。今後は「デスティネーター」の市場投入によってさらなる販売拡大を目指していく。
中東では主要国の自動車需要がおおむね堅調に推移して、三菱自動車の販売も一部で価格競争の影響を受けつつ、全体としては前年並みを維持。今後も主力セグメントであるSUVを中心に強化を図りつつ、ニューモデルであるデスティネーターの販売開始に向けて各国販売会社との連携を強化していくという。
日本・北米・欧州市場では、おおむね前年並みで自動車総需要が推移した日本で、三菱自動車は第3四半期までに行なったモデル切り替えの影響からやや苦戦を強いられたものの、10月に市場投入した「デリカミニ」が販売を下支えして前年度並みの水準を維持。第4四半期には堅調なデリカミニに加え、計画を大きく上まわる受注を獲得している新型「デリカD:5」のデリバリーが本格化することを受け、これらの新型車効果で販売拡大をさらに加速していく。
北米市場では「EV税控除」が終了する前後の混乱に加え、追加関税による価格上昇を見越した需要前倒しが販売を押し上げ、結果として総需要は小幅ながら増加。その一方で三菱自動車では販売終了モデルのほか、追加関税の対応として販売活動を慎重に進めたことなどが影響して販売台数減となった。今後は市場環境の変化を見据えた柔軟な対応を引き続き行なって計画達成を目指していく。
総需要が前年同期比でわずかに増加した欧州では、主要国でのモデル切り替えの影響により、新型車による巻き返しもありつつ販売台数は減少している。
通期業績見通しでは販売台数を1万3000台下方修正しつつ、コスト削減の努力と為替影響で売上高は800億円上方修正
2025年度通期の業績見通しは三菱自動車工業 代表執行役社長 兼 最高経営責任者 加藤隆雄氏が説明。足下の事業環境では新型車投入による販売台数の増加が、とくに2025年12月から結果として現れて回復軌道に移りつつある一方、販売環境が改善する兆しが見えていない地域もあり、現時点の経営環境と足下の進捗を踏まえ、「小売・卸売台数、売上高の見通しについて若干修正する」と説明。小売販売台数を前回の上期発表時の数値から1万3000台下方修正する一方、継続して取り組んでいるコスト削減の努力と現在の為替状況を踏まえ、売上高は800億円上方修正している。
「2025年後半に投入した新型車効果で業績の底から脱しつつある」と加藤社長
決算内容に続き、加藤社長は第3四半期期間のビジネスハイライトを紹介。2025年7月にインドネシアで発売を開始したデスティネーターは、11月にフィリピン、12月にベトナムと展開を拡大しており、いずれの国でも計画を上まわる受注状況となっており、とくにベトナムでは当初計画の3倍を超える非常に力強い立ち上がりとなっている。ここからさらにアセアン地域での投入拡大を行なうほか、南アジア、中南米、中東・アフリカなどにも展開を広げ、最終的には約70か国での販売を計画している。
日本市場ではデリカミニとデリカD:5を立て続けに刷新して、新しい「デリカシリーズ」としてラインアップ。両モデルとも非常に多くのユーザーから支持されて好調なスタートを切ったことをアピール。
加藤社長はデリカシリーズを「三菱自動車らしい遊び心と個性をしっかりと磨き上げたモデル」と位置付け、こういった独自性の強いモデルが今後の販売拡大やシェア向上を力強く後押しするとの考えを示し、これからも他メーカーにはないユニークな価値をユーザーに提示して、国内市場での存在感をさらに高めていくと述べた。
また、主要市場であるアセアン市場での販売状況についても説明し、販売環境は依然として厳しく、先行きも不透明な状況が続いているが、三菱自動車では新型車の投入をきっかけとして販売状況が底を打ち、回復の兆しが見えはじめていると解説。とくにベトナム市場では2025年12月の単月販売が過去最高を更新し、ICE(内燃機関)カテゴリーでは同社として初めてシェア1位を獲得するなど、力強い回復が数字に表れているとアピール。
今後も中国メーカーといった新規参入の増加により、競争環境は引き続き厳しいものになるとの分析を示しつつ、値引きといった価格競争に頼ることなく、ユーザーの期待に応える魅力的な商品ラインアップの強化やきめ細やかなサービスの積み重ねなどにより、三菱自動車らしい価値を提供してアセアン市場での存在感を今後も着実に高めていくと意気込みを語った。
説明の最後に加藤社長は、「今年度の経営環境は米国関税をはじめとした極めて逆風の強い状況にあり、当社では一部車種の販売終了が重なったことで、業績もここまで厳しい結果が続きました。しかしながら、2025年後半から投入した新型車の効果が12月から顕著に現れだし、復調の兆しが出てきたことで、業績の底からは脱しつつあると考えています。この流れを着実なものとして、まずは今年度、しっかりと黒字を確保して締めくくったうえで、来年度以降の変革や成長につなげてまいります」とコメントしている。















