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トヨタ、“究極のGRカローラ”「GRMNカローラ」を世界初公開 2026年秋ごろから商談受付開始

GR-DATを搭載した「GRカローラMORIZO RR」の開発も進む

2026年6月2日 発表
「GRMNカローラ」(プロトタイプ)を世界初公開

 GAZOO Racing(GR)は6月2日、「GRMNカローラ」(プロトタイプ)を世界初公開した。GRMNカローラは日本、北米、豪州を中心に台数限定で販売され、日本では2026年秋ごろからスマートフォン向けアプリ「GR app」を通して商談に関する申し込み受け付けを開始し、2027年内に発売する予定。

 なお、GR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)を搭載した「GRカローラMORIZO RR」(コンセプトモデル)を開発していることも発表されており、こちらは発売未定。また、GRMNカローラ、GRカローラMORIZO RRともに6月2日~6月28日の期間、富士モータースポーツフォレスト ウェルカムセンターで車両展示が行なわれることがアナウンスされている。

GR-DATを搭載した「GRカローラMORIZO RR」(コンセプトモデル)

 GRMNカローラは「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げるGRと、マスタードライバーであるモリゾウ氏(トヨタ自動車代表取締役会長 豊田章男氏)の原点であるドイツ・ニュルブルクリンクをドライバーが安心して全開で走り切れることを目指した“究極のGRカローラ”。低速域からレーシングスピードに至るまで、荒れた路面であってもクルマを意のままに操れる1台に仕立たという。

 開発の舞台はニュルでの走行テストのみならず、日本のスーパー耐久シリーズ(S耐)への参戦、さらに最新のドライビングシミュレーターを活用してさまざまな検証を行なって開発が進められた。

 まず空力性能について。S耐のようなレースやニュルでは、クルマは高速かつ高Gで走行を続ける。こうした状況で車両のパフォーマンスを最大限に発揮させるには4輪をしっかり接地させることが重要になるため、GRMNカローラでは専用のエアロパーツを開発し、接地性を高めた。フードダクトやフェンダーダクト、フロントサイドスポイラー、リアウィングはS耐に参戦している水素エンジン搭載のGRカローラに投入し、レースで培ったノウハウをもとに開発された専用パーツとなる。

 S耐で試行錯誤を重ねたうえでニュルでファインチューニングしたといい、その一例として5段階の調整機構を設定したリアウィングの角度は、プロドライバーとの走行テストにおいて1度ずつ変更しながら効果を検証し、最適な仕様を導き出したものとなる。

GRMNカローラでは専用のエアロパーツを開発。ボディサイズは「GR カローラ RZ」(日本仕様・25式後期)より5mm低い4410×1850×1475mm(全長×全幅×全高)。車両重量は1450kgとなり、GR カローラ RZ(iMT)よりも30kg軽量化された

 足まわりは前後ともに専用モノチューブショックアブソーバーを採用。コーナリング時の内輪の接地性を高め、高速旋回性能を引き上げるべくショックアブソーバーにはリバウンドスプリングを追加した。ニュルの路面は一般的なサーキットと異なり、サスペンションが上下に大きくストロークする環境もある。そうした環境でも安心して走り込めるスタビリティの高さを求め、バウンドストッパー特性の最適化を行なったといい、前後それぞれストローク量をmm単位で調整しながらベストバランスを見出した。

 さらにコーナリング時の安定性とブレーキ性能を高めるため、タイヤもベース車と比べて幅を10mm拡げた245/40ZR18のミシュラン「Pilot Sport Cup 2」を装着したほか、EPS(電動パワーステアリング)については高いGを受ける旋回時においても適切なアシストトルクを発生できるように制御プログラムを変更。また、4WDの制御も直進時のリア側トルク配分を最適化し、超高速域におけるステアリングの切り始めの安定性を増すように設定しているという。

足まわりには専用のモノチューブショックアブソーバーを前後に採用するとともに、コーナリング時の安定性とブレーキ性能を高めるため、タイヤもベース車と比べて幅を10mm拡げた245/40ZR18のミシュラン「Pilot Sport Cup 2」を装着

 搭載する直列3気筒1.6リッターターボ「G16E-GTS」エンジンは、最大トルクをベース車比で15Nm増の415Nmを実現(最高出力は224kWで共通)。これはS耐参戦による知見を投入した結果だといい、サーキット走行でのエンジン使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がり加速に重要な3600-4800rpmの中速域でのトルク向上を図ったもの。連続した全開走行でも安定したエンジン高出力を維持するため、GRカローラ25式後期で新たに装着したクールエアダクトに加え、GRMNカローラにはインタークーラースプレーも装備した。また、GRMNカローラはより高いパフォーマンスと「お客さまを魅了する野性味」を追求するため、徹底的な軽量化を目的にリアシートを撤去。ベース車比で約30kgの軽量化によりパワーウェイトレシオを低減している。

直列3気筒1.6リッターターボ「G16E-GTS」エンジンは最大トルクをベース車比で15Nm増の415Nmを実現
主要諸元(社内測定値)

 一方、インテリアではシートやインストルメントパネルを変更。シートはより高い横Gに対応できるホールド性を求め、S耐参戦車のドライビングポジションを指標にした、専用設計のフルバケットシートを開発。クラッチ操作をしやすくするため、シート長も細かく調整したものとなる。

 また、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を採用することで軽量化も図っており、安全性を担保することはもちろんのこと、日常使いにおける乗降性にも配慮しながらクルマとの一体感を高められるシートを実現。開発中にはこのシートをS耐参戦車両に搭載し、ヘルメットを装着した状態での評価を含めてさまざまなプロドライバーのフィードバックを反映したという。

 さらに、コクピットはより運転に集中できる空間を追求して配色にもこだわり、専用の植毛加工を施したインストルメントパネルおよびフロントピラートリムを採用。さらに元町工場のカーボン課で開発・製造するカーボン製オーナメントを助手席側のインストルメントパネルに装着するとともに、モリゾウのサイン入りパッドも施した。ドアトリムやシフトノブにはアルマイトレッドの差し色を施し、GRMN専用シリアルナンバープレートも装備される。

インテリアでは専用設計のフルバケットシートをはじめ、カーボン製オーナメントを助手席側のインストルメントパネルに装着するとともに、モリゾウのサイン入りパッドも施した