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S耐フル参戦中の「青山学院大学自動車部スーパー耐久チーム」が、ドライバースキル向上を目指してSPKのシミュレーターラボで猛特訓!
2026年7月3日 13:27
- 2026年6月19日 実施
2026年からスーパー耐久シリーズ(S耐)にフル参戦している青山学院大学 体育会自動車部(以下、AGAC:Team AOYAMA GAKUIN AUTOMOBILE CLUB)は6月19日、ドライバースキル向上を目指し、チームZEROONE所属の松田次生選手を講師に招き、大阪にあるサポート企業の1社であるSPKのシミュレーターラボで特別練習会を実施した。
AGACのS耐チーム「8号車 青山学院大学自動車部GR Supra GT4 EVO2(田中優暉選手/清水啓伸選手/佐藤公哉選手/ジェームス・プル選手)」はST-Zクラスに参戦しており、第1戦もてぎはクラス5位、第2戦鈴鹿はクラス8位、第3戦の富士24時間はクラス7位と、初のフル参戦でもしっかりと結果を残している。
運営をサポートしているZEROONE 代表取締役副社長の河野初樹氏は、「2024年にS耐の富士24時間へのスポット参戦を目指して“S耐参戦プロジェクト”を発足しましたが、それからサポートしてくれる企業も増えたことで、2026年は年間全7戦にフル参戦することになりました。チームは基本的に、まずは安全第一のためZEROONEがサポートしていた26号車 raffinée 日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4のスタッフがベースとなり、そこに青学自動車部の学生たちがジョイントしています」。
「先日の富士24時間耐久レースでは、ドライバー1人、メカニック1人、エンジニアおよびデータ管理3人、広報およびマネジメント2人が参加し、ドライバー以外はほぼ一睡もしないで頑張ってくれました。今日参加している吉川くんはドライバー志望ですが、データ解析の勉強をかなり長い時間こなしてくれました」と富士24時間レースの活動を振り返った。
また現状の課題については、「まだ慣れていない部分も多く、現場では遠慮がちなので、8号車は自分たちのチームなんだから、もっと積極的になろうよと指導しています。安全面に関してはわれわれZEROONEが徹底的にサポートしていますので、学生さんたちはレースに集中して、少しでも上の順位でゴールできるように、そしてチームワークと責任感の大切さを理解して身に着け、これからも頑張ってほしいです。ドライバーもエースの清水くん以外にも、今回のシミュレーター練習会もそうですが、少しずつ走る場を提供していきレベルアップしてもらい、ドライバーとしてももっと高いステージに上ってほしいです」。
「今、自動車業界は100年に1度の変革期を迎えているといわれていますが、自動車部も同じように初めての領域に突入している状況だと思います。S耐の活動はこの代だけで終わるのではなく、今後も継続して活動することが重要だと考えています。もちろん簡単ではありませんが、今年のS耐参戦のニュースを見て新しく入部してくれた学生さんもいますし、学校や全国のOB・OGが一丸となって応援して活動を支える箱根駅伝の陸上部のような活動にしていければと思います」と、今後の抱負を語った。
最後に、「今日は日本を代表するドライバーでありながら、後進の育成にも熱心な松田次生選手が講師にきてくれていますので、少しでも多くのスキルを習得してもらえればと思います」と締めくくった。
青学S耐チームと同じST-Zクラスに25号車 日産メカニックチャレンジ Z NISMO GT4で参戦し、富士24時間レース2連覇を達成した松田次生選手は、「レースはやはりドライバーだけで勝てるわけではなく、チームメイトドライバー、メカニック、エンジニアといったスタッフも含めての総合力です。24時間レースで連覇するのはなかなか難しいのですが、相手のミスも最後にあり、そういうふうに相手を追い込むのも戦略の1つだと思っています。これから若いドライバーはもちろんですが、モータースポーツに携わる人がもっともっと活躍できるように指導できればと思います」とあいさつした。
練習場所であるシミュレーターラボを提供したSPKの岩坪本部長は、「S耐は3戦とも応援に行きましたが、富士24時間レースも大変な中で第一目標であった完走をしっかりとクリアできていて素晴らしいなと思っています。また、青山学院常務理事の薦田博さんも人格形成の場とも言っていますので、いろいろな方に感謝しながら一緒に頑張りましょう!」と学生たちを鼓舞した。
選抜ドライバー3名がシミュレーターラボで猛特訓
この日の特別練習会は、S耐ではなくチーム活動のトレーニングとして、6月28日にモビリティリゾートもてぎで開催された「2026 もてぎEnjoyミニ耐久レース(通称:ミニJoy耐)」への参戦に向けた練習のため、ステアリングを握るドライバー3名に絞った練習会となった。練習はシミュレーターラボの設備を使い、フリー走行と予選走行、松田次生選手を交えての10周模擬レースなど、午前中に時間、午後に3時間と、初の実戦形式トレーニングメニューも取り入れてたっぷりと走り込んだ。
幼いころからカートに乗り、すでにレーシングドライバーとしてS耐やスーパーGT(GT300クラス)にも参戦している3年生の清水啓伸さんは、「S耐は3レースすべて完走でき、いいスタートを切れていると思いますが、もっといい結果を出せるように今日のシミュレーター練習を含め、これからも頑張っていきたいと思います」とコメント。今回の練習メニューを聞いてみたところ、「もてぎのコースはストップ&ゴーが多いコースなので、ブレーキをかけ始める位置やブレーキの抜き方など、やらなければいけないことは分かっているので、それを無意識でもできるように反復練習しています。また、コーナーでうまく立ち上がれるとストレートのトップスピードも速くなりますが、次のコーナーでは当然ブレーキをかけ始める位置は手前にしなければなりませんので、そういった細かい部分の修正も確認しながら走っています」と、ハイレベルな練習メニューを自身に課していた。
カートとシミュレーターでドラテクを磨いてきたという2年生の吉川大稀さん。クルマ好きは「GT-R NISMO」に乗っているという父親譲りだ。S耐ドライバーを目指しつつ、学連のジムカーナとダートトライアルにも参戦する多忙な日々を送っている。今回のミニJoy耐へ参戦するため、急きょ愛車のエアコンレスのホンダ「インテグラ(DC2)」でモビリティリゾートもてぎの講習を受けて国内Aライセンスを取得。自宅のシミュレーターで走り込んではいるものの、もてぎのコースを実車で走ったのはその講習のみという。この日のシミュレーターを使った10周模擬レースでは、松田講師と清水選手の後方で、離されることなく淡々と周回を重ね、「単独で走る練習走行では調子が出ずに2秒ほど遅かったのですが、レース形式ではついていけたのでちょっと自信になりました」と練習の成果を感じていた。
喜納颯矢斗さんはトヨタ「カローラレビン(AE111)」が愛車。スポーツ走行やJoy耐の練習などで、もてぎはだいぶ走り慣れているコースだという。今回の練習会は、午前中に授業があったため午後からの参加となった。松田講師やSPKの菅原氏を含めた4台での模擬レースの後、自分から松田講師に声をかけ、積極的に改善点を確認。松田講師は「ブレーキングは問題ないけれど、コーナーのボトムスピードをしっかり落とせていないので、立ち上がりでどうしてもアクセルを踏み切れていなかった。やはりいかに早くアクセルをしっかりと踏めるかが重要なので、そこを意識して練習してみて」とのアドバイス。トレーニングスケジュール終了後もひたすら走り込んでいた。
講師を務めた松田次生選手は、「シミュレーターはステアリングを切った分、意外と曲がってくれる場面がありますが、実車ではそこまで曲がれないことも多く、その差分をいかに早くアジャストできるかも重要です。また、実際のレースは単独走行ではないので、いつも理想のラインを走れるわけではありませんし、今回のようにシステムを連携して4台同時に走ることで、実際のレースのような臨場感や緊張感、ライン取りやブレーキングの駆け引きの練習ができたのはいい勉強になったと思います。自分がスーパーGTで走っているころはチームのシミュレーターを使って練習していましたが、最近はあまり使う機会がなく、久しぶりに乗ったらいい汗かけました」と、講師をしつつ久しぶりのシミュレーター走行を楽しんでいた模様。
なお青学チームは、6月28日の「ミニJoy耐」に加え、今回の練習の成果を発揮する場として、8月22日~23日に開催される「もてぎEnJoy耐久レース(7時間耐久)」にも参戦を予定。最大5名の学生ドライバーを予定しており、新入生も含めチャレンジできる環境づくりを進めているとのこと。
SPKのフルモーションドライビングシミュレーターを積載した専用車両「どこでもシミュレーター(通称:どこシミュ)」が7月から本格稼働
SPKが旧本社「SPKヘリテージ・センター」内に、ドライビングシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を設立したのは2024年4月。ポーランドのMotionSystems(モーションシステムズ)製QUBIC SYSTEM(キュービックシステム)の電動アクチュエータを装備したレーシングシミュレーターを4基設置しており、これまで自動車メーカーやディーラー、高級輸入車販売業者、eモータースポーツチームなど、幅広いユーザーが利用してきた。
そして2026年7月に、新たなサービスとして「どこシミュ」を展開。これはシミュレーターラボ担当の菅原氏などが発案したもので、キュービックシステムの製品を使い構築。筐体を丸ごとクルマに搭載して、依頼のあった現地まで運んで活用する新サービスとなる。
車両はトヨタ「ハイエース コミューター」がベースの特装車で、ラゲッジスペースに筐体の積み下ろしに使用するリフターを搭載。当初はモニター別体仕様だったため、2列目シートはおろか助手席にも部品を積み、1人乗りの状態だったが、積み下ろしや現地でのスムーズな設置を考慮した結果、モニターを一体式に変更。何度か仕様変更を行なってきたとのことで、現状は2列目シートも使用できる状態で運べるようになっている。
現場でどこシミュを初めて見たZEROONE河野氏は、すぐにZEROONE技術統括責任者の浅野氏へ連絡して、「これをサーキットに持ち込んで、実車で走った直後にシミュレーターを使って課題を改善して、さらにまた実車で走るといった練習は効果的なのでは?」と、すでに活用方法を想定していた。
SPKの「出張カレー食堂」で昼食休憩
特別練習会の昼食は、ハンディキャップのあるSPK社員が運営している自社農園「SPKぐりーんふぁーむ」で育てた野菜(セロリ、ニンジン、紫玉ねぎ)を、スパイスカレー専門店「sononi」の牛すじカレーの付け合わせとして用意したものが、学生をはじめ参加スタッフに提供され、午後の練習に向けてお腹を満たした。




























