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ポルシェ、新型「カイエン エレクトリック」ジャパンプレミア イモー・ブッシュマン社長、ポルシェAGデザイナーの山下周一氏らがプレゼン

「ポルシェの量産モデル史上、最もパワフルなモデル」

2026年7月6日 公開
ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で新型「カイエン」のジャパンプレミアが行なわれた

 ポルシェジャパンは7月6日、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)において新型「カイエン」のジャパンプレミアを行なうとともに、試乗会を開催した。

 第4世代となる新型カイエンはフル電動モデルとしてラインアップされ、ベースモデルの「カイエン エレクトリック」(1335万円)、中間グレードの「カイエン S エレクトリック」(1676万円)、最上位グレードの「カイエン ターボ エレクトリック」(2101万円)を設定。さらにSUVクーペとして「カイエン クーペ エレクトリック」(1407万円)、「カイエン S クーペ エレクトリック」(1717万円)、「カイエン ターボ クーペ エレクトリック」(2165万円)を用意する。

 なお、ガソリンモデルとハイブリッドモデル(PHEV)は第3世代のカイエンが併売されている。

 新型カイエンのボディサイズは4990×1980×1675mm(全長×全幅×全高)。ホイールベース(3025mm)は先代から120mm伸びたことで後席の足下スペースがこれまで以上に広くなった。リアシートは電動調整式が標準装備され、コンフォートポジションからカーゴポジションまでフレキシブルに調整可能。

 両面冷却による最適な熱管理が行なわれる新開発の113kWh高電圧バッテリが搭載され、航続距離(WLTC)はカイエン エレクトリックが636km、カイエン S エレクトリックが667km、カイエン ターボ エレクトリックが629km。800V技術により390kWの直流充電が可能で、特定の条件下では最大400kWで充電できるという。

 カイエン エレクトリックの最高出力は325kW(442PS、数値はいずれもローンチコントロール使用時)を発生し、0-100km/h加速は4.8秒、最高速は230km/h。カイエン S エレクトリックの最高出力は490kW(666PS)を発生し、0-100km/h加速は3.8秒、最高速は250km/h。カイエン ターボ エレクトリックの最高出力は850kW(1156PS)を発生し、0-100km/h加速は2.5秒、最高速は260km/hという値になっている。

カイエン ターボ エレクトリック

ポルシェの量産モデル史上、最もパワフルなモデル

ポルシェジャパン株式会社 代表取締役社長のイモー・ブッシュマン氏

 ジャパンプレミアの冒頭、2025年8月1日付でポルシェジャパンの代表取締役社長に就任したイモー・ブッシュマン氏が登壇。就任後の1年で日本市場についてさまざまな学びがあったといい、「競争は熾烈ではありますが、日本は伝統やモータースポーツ、職人技に対する深い情熱、そしてイノベーションや新技術を広く受け入れる姿勢が融合している、極めて豊かな自動車文化があるという点で際立っていると感じます。このような独特のバランスに、私も大いにインスピレーションをいただいております」とコメント。

 また、2025年の業績についてブッシュマン氏は新車登録台数9767台(前年比5%増)を記録し、2026年上半期も5797台の登録を記録したことで「力強い成長が継続している」と報告するとともに、「今後の当社の目標は明確です。それは、日本で最も心を揺さぶる自動車体験を創出し続けることです。パフォーマンス、イノベーション、そして真のお客さまを中心に据えた取り組みによって、お客さまと生涯にわたる関係を築き上げられるよう、永続的な価値をお届けしたいと思っております」と抱負を述べた。

 一方、新型カイエンについてはすでにポルトガルで試乗したといい、性能のみならず快適性、汎用性、日常の使い勝手や効率性においても目覚ましい進歩を遂げていると報告するとともに、ことカイエン ターボ エレクトリックにおいては「ポルシェの量産モデル史上、最もパワフルなモデルです。最高出力1156PS、0-100km/h加速2.5秒というパフォーマンスはハイパーカーに匹敵するレベル」と評する。

 そして新型カイエンの納車を9月2日にスタートすることを報告するとともに、「全国のポルシェセンターでは9月12日より新型カイエンのデビューフェアを開催し、一般のお客さまにもご紹介いたします。日本全国のお客さま、そしてポルシェファンの皆さまには最寄りのポルシェセンターへお越しいただき、このクルマの素晴らしさをじかにご体験いただきたいと思います」と呼びかけた。

新型カイエンの納車は9月2日にスタート

918スパイダーよりも速い0-100km/h加速

ポルシェジャパン株式会社 プロダクト&プライシングの山田レン氏

 製品の具体的な内容についてはポルシェジャパン プロダクト&プライシングの山田レン氏が、デザインについてはポルシェ本社で唯一の日本人デザイナーである山下周一氏が解説。

 山田氏はカイエンの歴史について触れ、2002年のカイエンE1のパリでの公開が「ポルシェの未来を大きく支えた」と述べ、長年にわたりSUVセグメントを牽引し、2006年~2008年のトランスシベリアラリーでの活躍、2019年のカイエン ターボ S E-ハイブリッドの発売、2020年の100万台生産達成、2021年のカイエン ターボ GTによるニュルブルクリンク最速記録(7分38秒)などの実績を積み重ねてきたことを報告。

 そして新型カイエンについては「紛れもなくポルシェである」ことを強調し、内燃機関、プラグインハイブリッド、フル電動モデルの3つの選択肢を1つのモデルラインで提供する唯一無二の存在であると説明。SUVタイプとクーペタイプの2種類があり、ベースモデル、S、ターボの3グレードに分かれ、最高性能のターボモデルは1156PSという驚異的なパフォーマンスを持ち、918スパイダーよりも0.1秒速い0-100km/h加速2.5秒を実現することに加え「現在ご購入いただけるポルシェの中で最もパワフルな1台」とアピールした。

新型カイエンのスペック

 パワートレーンの技術革新として、Sとターボモデルにはモービルワンとポルシェが共同開発した特別なオイルを使用した直接冷却式の電気モーターが搭載されたことについて触れ、このオイルをステーター内部の導線に直接流し込むことで内側から冷却し、回生能力600kWを実現したという。この技術により連続出力が可能となり、最高出力を継続して発揮することができるとアナウンスされた。

 デザイン面ではフロントエアロフラップ、リアスポイラー、そしてターボモデル専用のリアアクティブエアロブレードという3点のアクティブエアロパーツが特徴であるとし、エアロブレードは35km/h以下で収納、55km/h以上で自動展開し、空気抵抗を低減させて最高速の向上と車両安定性を担保するとし、この技術は1969年の917レーシングカーから着想を得て開発されたものであることが報告された。

直接冷却式の電気モーターを採用
両面冷却による最適な熱管理が行なわれる新開発の113kWh高電圧バッテリ

 また、車両サイズについては全幅が1980mm、ホイールベースが従来モデルより120mm延長された3025mm、ヘッドスペースも従来比で40mm拡大したと説明。ラゲッジスペースは従来より250L増加して合計1588Lを確保し、フロントトランクには90Lの格納スペースが用意されるという。

新型カイエンのディメンション
SUVクーペ版の全高はSUVから25mm低い
ラゲッジスペース

注目ポイントは空力テクノロジー

ポルシェAG エクステリアデザイナーの山下周一氏

 一方、山下氏は「今、自動車業界は100年に一度と言われる大変革の真っただ中におります。しかし、それはガソリンエンジンが電動へ変わるということだけではなく、私たちが何十年もの間培ってきたデザインフィロソフィーを、いかに未来に向けて再構築、再定義するかという大いなる挑戦でもあります」と述べるとともに、「われわれポルシェのデザイナーが新しいクルマをデザインするにあたり、常に自問自答し、かたくなに守り続けているコアがあります。それはスタイリングとエモーション、高い機能性、そして人間の感性に訴えかけるエモーションを極めて高い次元で融合するということです。形が美しいだけではポルシェになりえません。パフォーマンス、空力が優れているだけでも不十分です。ドライバーがハンドルを握る前に、その姿を遠くから見ただけで胸が高鳴るようなエモーションがあってわれわれのデザインは完成します」と、ポルシェデザインの信念について説明する。

 そして新型カイエンについては「史上最もアスレティックなカイエン」と表現し、電気自動車化によりパッケージの制約から解放され、より低くワイドに構えたスタンスを実現したと述べるとともに、「ボディの面構成においては、キャラクターラインなど無駄な凹凸を極力排除し、精緻でモダンな仕上げを徹底しております。車全体からただの高級SUVではない、明らかにパフォーマンス指向のオーラを感じ取っていただけるはずです」と説明。

ポルシェのデザインは電動化しても不変

 また、「世の中にはEVであることを過剰に主張するあまり、奇抜でガジェット的なデザインに走るクルマも多く見られます。しかし、ポルシェにとってそのようなアプローチは取りません。なぜならパワートレーンが何に変化しようと、ポルシェはいつまでもポルシェであるからです」とし、大径ホイールを包み込むホイールアーチをさらに外側へ張り出させ、ワイドなプロポーションを一層強調した「より力強いスタンス」、ドア下部やクォーターまわりの重層的なデザインにより、SUV特有の重厚感をトップアスリートのように引き締まった筋肉質な肉体へと変貌させた「視覚的重量の軽減」、高解像度の4灯式デジタルマトリクスLEDヘッドライトやリアビューを引き締める立体的な横一文字のテールランプといった「明確なパフォーマンスへのフォーカス」、スタジオ内だけでなく太陽光の下で光がどのように流れ、景色がどのように映り込むかを精密に計算し、シャープでありながら官能的な面構成を心がけたという「より精密でモダンなサーフェス」の4点を特徴として挙げた。

「より力強いスタンス」「視覚的重量の軽減」「明確なパフォーマンスへのフォーカス」「より精密でモダンなサーフェス」の4点を特徴として挙げた

 そして特に注目のポイントとして空力テクノロジーを挙げ、「ポルシェには機能をデザインに昇華させる伝統があります。1980年代に登場した964に搭載されたアクティブリアウィングの精神はこの新しいカイエンにも引き継いでおります。今回、新たに採用されたのが、アクティブサイドエアブレード機能です。走行状況や速度に応じて、ボディサイドのフラップが自動的に伸縮します。この機能を開発するために、われわれヴァイサッハのデザイナーと空力エンジニアはヴァイサッハの空力実験室にこもり、何百時間も議論と実験を重ねてまいりました。街中で静止している時の穏やかな佇まいを一切犠牲にすることなく、BEVにとって最重要課題である航続距離の最大化、そして超高速領域における圧倒的な走行安定性とパフォーマンスという相反する要素を高い次元で達成することができたのです」。

「時代がどのように変わろうとも、パワートレーンの仕組みをシフトしようとも、私たちが作り出すのは単なる効率的な移動手段、もしくは退屈なモビリティではありません。それは心を躍らせるスポーツカーです。本日ご紹介した新型カイエンは、ポルシェが75年以上にわたる伝統とDNAを正統に受け継ぎながら、その先の世代、そしてさらに先のSUVの未来を創造する、まさにマイルストーンとなる1台に仕上がりました。フェルディナント・ポルシェの言葉に私たちの揺るぎない信念があります。『ポルシェに代わるものは、ポルシェしかない』。私たちはこの言葉に嘘偽りのないよう全ての情熱と技術を、この新しいデザインに注ぎ込みました。全てのディテールに込められた私たちの意図を、ぜひこの次は皆さまご自身がハンドルを握り、アクセルペダルを踏み込むことにより全身で体感していただければ幸いです」と述べ、プレゼンテーションを締めくくった