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矢崎総業の次世代スマートファクトリー開発拠点「Innovation Hub - REN(錬)」 AIやロボティクスを活用する新しいものづくりの現場を公開
2026年7月16日 10:10
- 2026年7月15日 開催
矢崎総業は7月15日、同社の研究開発・管理拠点「Y-CITY」(静岡県裾野市御宿1500)内に新設したイノベーション施設「Innovation Hub - REN(錬)」を報道関係者に公開した。
矢崎総業が行なっている自動車用ワイヤーハーネスのものづくりの現場に、AIやロボティクスを活用しようという取り組みが紹介された。
自動車の電動化や自動運転技術、車載インフォテインメント(IVI)の急速な発展に伴い、クルマの「神経網」や「血管」にあたるワイヤーハーネス(W/H)の重要性は日々高まっている。
その一方で、多種多様な配線を極細のチューブにまとめる製造工程は、人による手作業への依存度が非常に高く、少子高齢化に伴う労働力不足への対応や、自動化・省人化、そして開発期間の短縮が積年の課題となってきたという。
同社ではこうした課題を解決すべく、従来の枠組みにとらわれない先端技術の検証や産学連携を推進する共創拠点として同施設を立ち上げた。
「Innovation Hub - REN(錬)」での取り組みについて、矢崎総業 イノベーションセンター長を務める齋藤崇人氏は「最終的には人とAIやロボティクスが融合しあう、そういった新しいものづくりを、矢崎グループの元から、日本のものづくりとして新施設を起点に発信していきたい」との想いを語った。
自律型ヒューマノイドロボットなどの先端技術を取り入れたものづくりの現場
公開された施設内では、ヒューマノイドロボットやロボットアームなどの最先端ソリューションが並び、ものづくりの現場でどの用に活用できるのかデモンストレーションを交えながらその取り組みが紹介された。
部品のピッキング作業に導入されたヒューマノイドロボットに関しては、従来のように人の指示どおりに動くのではなく、自ら考える模倣学習によって、単一の部品をピッキングするだけでなく、対応する作業を進化する自律性を備えているのが特徴という。
また、先端技術のベンチマークとして、東京科学大学との共同研究によるハプティクス(触覚)技術や、熟練工のデータをデジタル化してロボットへ教える取り組みなども披露された。
そのほかにも、最新AI外観検査システムをノーコードで導入できる「AI外観検査システム」、最新ビジョン技術を検証する「ビジョンシステム」、小型ロボットで可搬を超えた作業を行なう「倉庫作業省力化」、工場作業を遠隔地から可能にする「遠隔支援ロボット」などの取り組みを行なわれており、ワイヤーハーネスの製造ラインにある一部を切り出した工程に、実際にロボットやAIを組み込んで、どのように活用することができるのか検証が進められていた。
デジタル連携や3Dプリンタの活用で、開発リードタイムを「10分の1」へ短縮
同社が掲げる開発スピードの向上という観点では、顧客のデータを活用してワイヤーハーネスの即時試作を行なう取り組みも紹介された。施設には3Dプリンタをズラリと並べる部屋が用意され、3Dプリンタを活用してフィジカルにものを作って、アイデアをカタチにしていく体制も整えている。
「今まで新しい設計を組んだときに、1か月かかっていたものに対して、アイデアをすぐ形にしていくというところでは、その10分の1、少なくとも1週間以内には形にできるような体制を整えています」と、デジタル連携や3Dプリンタの活用により、開発スピードの向上を目指す。
FACTORY Xとの協業で推進する在庫適正化、経験依存からの脱却
同施設では社外パートナーとの共創も重要な軸となっており、在庫戦略モデルの開発・展開を手がける「FACTORY X」との連携による「在庫戦略モデルの構築」についても説明がなされた。
ワイヤーハーネスの在庫の持ち方というのは、一般的な製造業における在庫の持ち方と異なる特殊性があるという。「1つのワイヤーハーネスを作るときに、品番数といいますけれど色んなコネクタや電線、あるいは外装部品とか、1作を組むだけで数百種類という材料を使う。それぞれの在庫を管理するということを考えたときに、1番私たちのニーズにミートしたのがFACTORY Xさんだった」と齋藤センター長は協業の背景を語った。
すでに、矢崎総業のグループ会社「鹿児島部品」において3年間にわたり同モデルを運用しており、これまでの勘や経験に依存していた在庫管理から、FACTORY Xのロジックを用いることで、5%の在庫適正化といった実績が示された。
人とAIを融合する矢崎のものづくりを発信
同社のロードマップでは、2025年〜2026年に国内製造拠点デジタライゼーション確立、モデル工場による製造間接業務の15%効率化、顧客CADデータ連携による生産準備改革に取り組むとしている。
さらに、2027年にタスク/モーションプランニング、顧客データ受領後の即日製造準備/見積り、2028年に一部量産工程への導入、VLM/マルチモーダルAIの現場展開開始。将来的に2029年〜2030年に向けて、製造データ生成AI活用による50%省人化、熟練工の作業を再現したフィジカルAIロボティクスの導入といった目標を掲げる。
齋藤センター長は「ワイヤーハーネスは労働集約型のものづくりで、日本の古き良きものづくりを体現しているものです。それに対して“こういうことができるよ”ということを示してあげれば、人の作業とAIを融合する矢崎のものづくりとして業界内でもリーダーシップをとっていけるかなと思っています」との意気込みを示した。















