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ゲヒルンと三菱自動車、「アウトランダーPHEV」ベースの「特務機関NERV災害対策車両」5号機を製作

9月1日から運用開始

2026年9月1日 発表
特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)

今後は3号機と5号機の2台体制で運用

 ゲヒルンと三菱自動車工業は9月1日、災害による長期停電や通信網の途絶に備え、防災情報配信サービスの継続と自治体への支援を目的とした災害対策車「特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)」を共同製作し、「特務機関NERV災害対策車両」5号機として運用を開始したと発表した。

 ゲヒルンと三菱自動車は、2019年12月に「特務機関NERV災害対策車両」整備計画の一環として、災害時も電力と通信を独自に確保し、防災情報配信サービスを継続するための災害対策車両の運用を開始した。

 現在、整備計画の開始から約7年が経とうとするなか、能登半島地震、令和8年熊本地震、令和8年8月千葉豪雨での大規模な水害といった地震や風水害が各地で相次いでおり、停電や通信途絶を前提とした災害対応の重要性はいっそう高まっているという。さらに、避難所や災害対策本部における電源・通信の確保は、被災した自治体にとって共通の課題となっていることから、電力を蓄えて移動し、必要な場所で使える電動車と、地上インフラに依存しない衛星通信を組み合わせた災害対策車両への期待は、これまでになく大きくなってきているとのこと。

 新たに運用が開始される5号機は、三菱自動車のクロスオーバーSUV「アウトランダーPHEV」の特別仕様車「BLACK Edition」をベースに、SpaceX社の衛星通信サービスのアンテナを搭載し、地上の通信網が途絶した状況でもインターネット接続を確保可能とした。また、内閣府宇宙開発戦略推進事務局準天頂衛星システム戦略室(内閣府準天頂衛星システム戦略室)から貸与を受けた、準天頂衛星「みちびき」を利用した衛星安否確認サービス「Q-ANPI」の端末を引き続き搭載し、みちびきを利用した災害用通信も確保している。

特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)

 今後、5号機はゲヒルンの防災情報配信を支えるBCP(事業継続計画)の中核として運用され、災害発生時には被災地・避難所などへ出動し、給電支援などの災害対応活動にあたっていく。また、平時には、電動車を活用した災害対策のモデルケースを広く提示する活動として、全国各地の防災訓練や防災イベントに参加。実際に車両を見て、給電のデモンストレーションなどを体験してもらうことで、「自助・共助・公助」それぞれの場面で電動車が果たせる役割を伝えていく。防災訓練・防災イベントへの展示・出動情報は、ゲヒルンの各公式サイト、SNSで随時告知される。

 なお、5号機の配備に伴い、前型のアウトランダーPHEVをベースとした4号機は退役し、今後は「エクリプス クロスPHEV」をベースとした3号機と、新たに配備される5号機の2台体制での運用となるとのこと。両車両とも東京都千代田区に配備され、首都直下地震をはじめとする災害への備えに加え、派遣要請に応じて全国のイベントや被災地へ出動するとしている。

特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)

災害対策車両製作の目的。自助・共助・公助を一体化

特務機関NERVの防災情報配信サービスを単独・自力で継続

 ゲヒルンは特務機関NERV防災アプリなどを通じて防災情報を配信しており、情報の発信側が機能を停止してしまうリスクを限りなく少なくする必要があるため、停電や通信障害によって特務機関NERVのオペレーション拠点が情報配信機能を喪失した場合に、災害対策車両を使用して電力と通信を自立的に確保し、防災情報配信サービスを継続する。

近隣自治体の災害対策本部・避難所などへの支援

 特務機関NERVの防災情報配信オペレーションに支障がない場合には、被災地へ出動して災害対策本部や避難所などに、給電・充電サービス、電話サービス、Wi-Fiインターネット接続サービス、インターネットおよび「みちびき」の災害・危機管理通報サービスを利用した防災情報を提供する。

防災訓練への参加、自治体や企業の災害対策モデルケースの提示

 防災訓練や全国各地の防災イベントなどへの参加を通じて、PHEV、衛星通信サービス、「みちびき」の有用性を紹介し、5号機をモデルケースとして自治体や企業が独自に電力や通信を確保する重要性を提示し、災害対策をさらに強化できるよう協力する。

特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)の主な特長

災害時に必要な電力を確保する給電機能

 アウトランダーPHEVの大容量駆動用バッテリと給電機能を活用し、停電時でも災害対応活動に必要な電力を確保。災害対策本部や避難所などにおける電源支援、スマートフォンなどの充電支援、防災情報発信に必要な機器の電源確保といった、さまざまな用途での活用を想定している。

大容量駆動用バッテリによる支援力の向上

 5号機のベースとなったアウトランダーPHEVは、駆動用バッテリを大容量化し、EV航続距離を伸長。これにより、平時の移動性能に加え、災害時の現地活動における実用性が高められており、電力を蓄え、移動し、必要な場所で使えるPHEVの特長を活かし、災害時の支援力向上に貢献する。

悪天候時にも頼れる電動4WD性能

 前後ツインモーター4WDと車両運動統合制御システム「S-AWC」により、雨天時や降雪時などの路面環境においても安定した走行を実現。さらに、路面状況や走行環境に応じて選択できる7つのドライブモードを搭載し、舗装路から雪道、悪路まで幅広い環境で高い走破性を発揮する。さらに、寒冷地仕様を標準装備しており、厳冬期の低温環境における活動にも対応可能。災害発生時の移動や、防災訓練・支援活動において、SUVタイプのPHEVならではの機動力を発揮する。

三菱自動車の「DENDOコミュニティサポートプログラム」と本計画

 三菱自動車は、電動車の給電機能を災害時の電力供給に活用する「DENDOコミュニティサポートプログラム」を通じて、全国200以上の自治体と災害時協力協定を締結し、災害時に電動車を貸与する体制を整えており、過去の災害でも、被災地での電力供給に電動車が活躍してきた実績を持っている。

「移動する電源」としての電動車の役割と、過酷な環境下で発揮される走行性能と耐久性は、災害対応の現場で電力と機動力の両面を支えており、今回の5号機の共同製作は、こうした三菱自動車の公共的な取り組みと、防災情報配信という公共目的を担うゲヒルンの活動が重なり合うものとなっている。両社は災害対策車を通じて、自治体・企業の災害対策力の向上に引き続き貢献していくとした。

 また、ゲヒルンは2020年8月31日に神奈川県箱根町と災害時支援業務協定を締結しており、災害発生時には「特務機関NERV災害対策車両」を派遣し、給電サービス、Wi-Fiサービス、IP電話サービスを災害対策本部・避難所などに提供する。5号機も本協定に基づく派遣対象となり、引き続き箱根町の災害対応を支援していくとのこと。