スズキ、東京モーターショー出展内容を発表 「アルト」のコンセプトカーや、「スイフト」のハイブリッド車など |
スズキは10月1日、第41回東京モーターショー(10月23日開会、10月24日~11月4日一般公開)の出展内容を発表した。スズキブースのテーマは、「小さなクルマ、大きな未来。」。今年のスズキブースは4輪車と2輪車の同時展示となり、スズキらしいクルマ作りの“精神”や“技術”によって、新しい価値観やライフスタイルを提案していく。
ワールドプレミアとなるのは、「ALTO CONCEPT(アルト コンセプト)」、「スイフト プラグイン・ハイブリッド」の2台。そのほか、参考出品車として燃料電池自動車「SX4-FCV」が展示される。
■市販予定の新型「アルト」そのもののアルト コンセプト
初公開となるアルト コンセプトは、新型アルトとして市販予定としており、7代目のアルトになる。エクステリアは、「可愛く賢く」を表現したと言い、現行の6代目アルトと比べて、大きくなったフロントグリルと、流れるようなサイドのラインが特徴的。インテリアについても、「シンプルモダンでフレンドリーな空間を表現した」とし、シンプルなスピードメーターや、一体感のある大型センタークラスターが目を引くものになっている。
ボディーサイズは、3395×1475×1535mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースが2400mmと、現行のアルトに比べ全高で25~35mm、ホイールベースで40mm拡大し、高い居住性を実現したと言う。エンジンは、直列3気筒 DOHC 658cc、トランスミッションにはCVTを採用し、2WD(FF)と4WDが用意される。
今年はアルトの生誕30周年にあたるため、初代アルトの展示を含めた「アルト誕生 30年コーナー」を設置し、アルトの歩みを紹介する。
アルト コンセプトのリア。直線的な現行アルトと比べ、ふくよかなラインを持つものに変更された | サイドのラインも、直線基調のものから流れるようなラインに変更されている |
アルト コンセプトのインテリア。直線と円を活かしたデザインになっている。シフトレバーの形状も丸みを帯びたものに | |
初代アルト。アルト誕生 30年コーナーに展示される。47万円という価格設定で一躍ベストセラーになった |
■シリーズ式ハイブリッド車「スイフト プラグイン・ハイブリッド」
スイフト プラグイン・ハイブリッドは、日常最小限の距離を電気自動車として走ることをコンセプトにした、シリーズ式ハイブリッド車。発電用エンジンに軽乗用車用の「K6A型」658ccエンジンを用い、最大出力40kWの発電用モーターを駆動。センターコンソール下に配置した260V/2.66kWhのリチウムイオンバッテリーと、最大出力55kWの駆動用モーターによって前輪を駆動する。
AC100V/200V対応の充電プラグを車体後部に持つため、1日20km以下の走行ならガソリンの消費を必要とせず、電気自動車のバッテリー切れの不安感を解消していると言う。
ボディーサイズは、3755×1690×1510mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2390mm。
スイフト プラグイン・ハイブリッド。発電用に軽乗用車用ガソリンエンジンを搭載し、発電用と駆動用の2つのモーターを持つ。駆動用バッテリーはセンターコンソール下に配置 |
■GM製の燃料電池を使用した燃料電池車「SX4-FCV」
「SX4」をベースにGM製の燃料電池を搭載するのがSX4-FCV。燃料電池で発電するための水素燃料は、スズキが開発した700気圧に耐える高圧水素タンクに蓄えておく。駆動用モーターは、最大出力68kWの交流同期電動機式で、前輪を駆動する。制動時にエネルギー回収をし、加速時にアシストするためのキャパシターを搭載し、航続距離は250km。
現在国土交通大臣の認定を取得し、公道の試験走行データを収集しており、実用化を目指している。
ボディーサイズは、4190×1730×1585mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2500mm。
SX4-FCV。GM製の燃料電池を搭載する |
そのほかスズキでは、燃料電池車として、セニアカー「MIO(ミオ)」を参考出品する。このセニアカーは、鉛蓄電池ではなくダイレクトメタノール型燃料電池を用いて走行するもので、カートリッジ式の燃料補助ボトルを装備することができるようになっている。2008年11月から静岡県へリースして、共同で実証試験を実施中。
燃料電池セニアカーのミオ。カートリッジ式の燃料補助ボトルをフロント部に装着して利用することが可能 |
(編集部:谷川 潔)
2009年 10月 1日