SUPER GT参戦メーカーが合同テストを開催
注目のホンダ「HSV-010 GT」が鈴鹿サーキットを疾走

カラーリング前のホンダ「HSV-010 GT」が鈴鹿サーキットを疾走

2010年1月19日開催
第1回テスト:1月19日~1月21日(鈴鹿サーキット)
第2回テスト:2月16日~18日(鈴鹿サーキット)
第3回テスト:3月1日~2日(岡山国際サーキット)
第4回テスト:3月5日~6日(鈴鹿サーキット)



 1月19日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市稲生町)にてSUPER GTマシンの自動車メーカー合同テストが行われた。3月20日、21日のSUPER GT開幕戦までに合計4回のテストが予定されており、今回がテスト初日となる。各テストは一般公開されており、この日は一般スタンドに加えてピットビル3階のラウンジも開放、平日だが熱心なファンが多数観戦していた。東コースの2コーナー、S字、逆バンク、西コースのヘアピン、スプーンにもカメラを構えるファンが見られ、今年もSUPER GTは多くの観客を集めそうな気配を感じられた。

 この日の目玉は、何と言っても前日に公式発表されたホンダのニューマシン「HSV-010 GT」だ。外観や走りに加え、発表会でも「音にこだわった」と強調されたエンジンサウンドに注目が集まった。ホンダ以外のGT500マシンはトヨタSC430が5台、日産GT-Rが2台参加し、精力的な走りを見せていた。

各メーカーが参加してテストは行われた

 走行時間は10時から2時間、14時から2時間の計4時間。ピットインを繰り返しながらの走行となるが、通常のレース以上に長時間に渡って走行を見ることができる。また、マシン単独の走行シーンも多いので、S字やスプーンでは、各マシン、ドライバーのアクセルワークの違いが分かりやすい。

 注目のHSV-010 GTは、5チームが勢揃いしての走行となった。SC430、GT-Rとは明らかに違う“カン高い”エンジンサウンドを聞かせてくれた。「究極のコーナーリングマシン」を目指したと言うように、2コーナー立ち上がりのストレートからS字を抜ける挙動も安定していたし、スプーン立ち上がりのアクセルオンも早く、素性のよさを感じさせる走りだった。

 今回はSC430が計時システムを使用していなかったので、全車の比較はできなかったが、GT-Rと比較しても互角のタイムをたたき出していて、熟成が進めばレース本番での上位独占の可能性も感じさせた。

開始早々からHSV-010 GTは好タイムを記録最終的に18号車 童夢チームがトップタイムを記録

 発表会では見ることができなかった後部にはキャタライザー(触媒)が見え、アクセルオフすると赤熱する様子も見ることができた。同じHSV-010 GTでも童夢(18号車)は頻繁に赤熱していたので、セッティングやドライビングスタイルによる差なのかもしれない。キャタライザーの赤熱が一番見えるのはピットロードで、速度規制中に排出される生ガスによって起こるのだろう。

赤熱するキャタライザー(2コーナーとスプーンで撮影)

 今回は、サーキットの各所で撮った画像を数多く掲載する。マシンの詳細が見やすいように普段よりシャッター速度を速めにしてあるので、ニューマシンをじっくり見ていただきたい。

TEAM YOSHIKI&童夢 PROJECT

TEAM YOSHIKI&童夢 PROJECT(ゼッケン18)は小暮卓史選手&ロイック・デュバル選手

TEAM KUNIMITSU

TEAM KUNIMITSU(ゼッケン100)は伊沢拓也選手&山本尚貴選手

ARTAチーム

AUTOBACS RACING TEAM AGURI(ゼッケン8)はラルフ・ファーマン選手&井出有治選手

NAKAJIMA RACING

NAKAJIMA RACING(ゼッケン32)は道上龍選手&中山友貴選手

KEIHIN REAL RACING

KEIHIN REAL RACING(ゼッケン17)は金石年弘選手&塚越広大選手

HASEMI MOTOR SPORT

HASEMI TOMICA EBBRO GT-R

NISMO

MOTUL AUTECH GT-R

FIA GT選手権2010年仕様「NISSAN GT-R」

日産はミハエル・クルム、ダレン・ターナー組のFIA GT選手権2010年仕様の「NISSAN GT-R」も走行











LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S

PETRONAS TOM'S SC430はゼッケン1をつけて走行

LEXUS TEAM SARD

DUNLOP SARD SC430

LEXUS TEAM ZENT CERUMO

ZENT CERUMO SC430

LEXUS TEAM LeMans ENEOS

ENEOS SC430

LEXUS TEAM KRAFT

KRAFT SC430

JIMGAINER

JIMGAINERはGT300の11号車ともう1台のフェラーリF430を走らせた

 今回の自動車メーカー合同テストは1月21日まで、第2回は2月16日~18日に鈴鹿サーキット、第3回は3月1日~2日に岡山国際サーキットで開催される。最終テストとなるGTA公式テストは3月5日~6日に鈴鹿サーキットで開催される(3月6日は鈴鹿ファン感謝デーを開催)。

 開幕に向け徐々に参加台数も増え、マシンも熟成していくだろう。基本的に、入場料だけでGTマシンを見ることができるし、空いているので撮影などもしやすいなどテストならではのメリットもある。開幕が待ち遠しいと思っている方は、ぜひサーキットに足を運んでいただきたい。

(奥川浩彦)
2010年 1月 20日